松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆地方自治論・実況中継2(相模大野)

2014-04-23 | 1.研究活動
 地方自治論の授業風景の2回目。少人数なので、ガラッと変えた授業をやっている。

 この日のテーマは、「アジアモンスーン地域に暮らして」とした。稲作を通して、日本の地方自治を考えるものである。
 
 話は、稲の性質から始まる。さらにはアジアモンスーンのメカニズム、同じモンスーン地域であっても東南アジアと日本の違いに話が及ぶ。ついでに、我が家の朝食である納豆をのせたパンにも話が及んだ。学生が怪訝な顔をしているので、納豆パンの図解もした。

 本題は、アジアモンスーン地域のはずれに位置する日本では、川の水を適正に管理しながら稲作を行ってきたというところである(東南アジアでは、大量の雨が低地に降るので、水はとても管理できない。自然に適応した稲作になる)。その管理のルールは、みんながよくなること、そして公平性である。あちこちの田んぼに、まんべんなく水が引けるように、管理のルールが出来上がる。反面、自分勝手な行動は許されない。ひとりが水を独占したら、他のものが困るからである。

 私たちは、公平性や自分勝手はしないという協調性を持つ国民であるが、これは米を作り始めて2000年、知らず知らずのうちに、私たちの体の中に、DNAとして組み込まれてきたのではないかというのが、この日の私の結論である。DNAが仕込まれているから、大津波が来て集落が孤立するような事態になると、それがよみがえり、みんなで食料を出し合って、励ましあうことができる。

 良い悪いではなくて、私たちの自治そういうものなので、小麦を食べているヨーロッパの自治をそのまま持ってきてもうまくいかないのではないか。日本らしい自治を考えるべきではないか、大要そんな話になった。

 そのほか、クロポトキンの相互扶助論、黒沢明監督の七人の侍。江戸時代の豪農の家訓など、話はあちこちに飛んで、私は面白かったが、学生たちには、堂だったのだろうか。やや反省が多かった2回目となった。
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