松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆福祉従事者条例によって、地域福祉計画に盛り込むべき事項を見直すことになる(途中)。

2023-09-08 | 支える人を支える政策

 コロナでやる気がしないので、地域福祉学の教科書を読んでいる。

 隣が、県立福祉大学なので、そこの図書館には、教科書がいっぱいある。地域福祉学は、社会福祉士などさまざまな試験の対象なのだろう、驚くべき数の入門書がある。地方自治法の比ではないようだ。その中で、比較的新しいものを借りてきた。

 とはいっても、借りたのはコロナ発症前であったが、おそらく熱が出る前だったのだろう、ちょっとやる気がしなかったので、テキストでも読もうと考えて、図書館に借りに行った。発症以前こそウィルスは出てるようなので、受付の人は大丈夫だったのだろうか(返しに行くとき、聞かない方がいいだろうな)。

 これまで地域福祉学をきちんと勉強したことがないので、初体験に近いが、内容的には、地域だし、理念は協働論なので、読み始めても、テキストということもあって、特に難しいことはないようだ。

 そこで、気がついた。いまさらで恥ずかしいが、都道府県の地域福祉計画(正確には、地域福祉支援計画)と市町村の地域福祉計画に盛り込むべき事項が異なることである。とくに大きいのは次の点である(関心は市町村なので、都道府県の項目は、いつも飛ばして読む癖がついている)。

 「 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項」は市町村にみである。これはそうだろう。他方、「社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項」は都道府県地域福祉支援計画で盛り込むべきこととされている。

 この内容の解説では、人材の確保や福祉従事者に対する研修体制の整備等とされ、

  • 社会福祉に従事する者を確保するための養成研修
  • 社会福祉に従事する者の知識・技術向上のための研修と書かれている。

 「人材確保も研修でやるのか」と突っ込みたくなるが、今日はそこではなく、福祉従事者の研修は、都道府県(実際的には県社協)の役割ということである。つまり、ここから一定の限界が出てくるということである。ちょっと考えただけでも、

 ・研修に参加しようと考えても、研修会場は、県の中心になりがちで、周辺地区からは行きにくい。回数も限られ、簡単には参加できない。

 ・「社会福祉を目的とする事業に従事する者」は、NPOまで含むと思われるが、どうしての「社会福祉事業」に限定されるだろう。第一種福祉事業に偏りがちになるのではないか(この点は、ざっと見たところなので、確定的なことは言えない)。

・研修も知識や技術の習得が中心で、交流(仲間づくり)などには手が回らないだろう。

 地域共生社会の時代の研修のあり方から考えると限定的な考え方で、あまりに窮屈のように思う。

 逆に、「職員の資質向上に関すること」を都道府県の地域福祉支援計画と書いたことで、市町村は、腰が引けることになるのではないか(財政面からも自主事業になるのだろうか。この点も、自主的に研修をやっている市町村の財政的な裏付けを調べないといけない)。法律は、書きすぎたように思う。

 おそらくであるが、地方分権改革が始まり、市町村と都道府県の役割分担の考え方が出され、その延長線で、研修は、市町村単独では手に負えないことや広域的にやった方がいいことと考えられ、都道府県の仕事に割り振られたのだと思うが、誤解を受ける書き方になったように思う。

 新城市の福祉従事者条例は、地域における担い手たちが基本から考えていったので、地域がやるべきこと、地域がやればできることを洗い出したので、この点の矛盾を明らかにしたのだと思う。やはり、自分の問題として考えていく方法は、遠回りのようで結局、近道ということだ。

 次の法律改正では、地域福祉計画に盛り込むべき事項の見直しを考えてみた方がよいように思う。その間、法律の不足を補うべく、基礎自治体において、運営による補完作業を行って言ったら、よいではないか。

 いいことに気がついて、何か得した気分。

 

(追伸)「資質の向上」に関する事項をなぜ、都道府県の地域福祉計画で盛り込むべき事項としたのか。

 国会議事録を読んでいるが、記述がなし。テキストには、「なぜ」まで書いていない。

 地方自治法の改正では、その前の地方行政審議会における議論や総務省が改正の趣旨を出すので、そこでの議論が分かる。厚生労働省については、私は、素人なので、やり方やルールが分からない。そこが分かれば、簡単にたどり着けるが、いくら探しても、上手くヒットしない。必ず、あると思う。

 復活したので、大学の図書館にいって、社会福祉法のコンメンタールのようなものを探してみよう。そんなものがあるのかも、実はよく分からないが。福祉の基本ができていないので、無駄な遠回りをしているのだと思う。

 

(追伸)「盛り込むべき」は強すぎ

 普通に「規定事項」「盛り込む事項」とすればよかった。「べき」というから、資質向上は都道府県という強い役割分担が占めされてしまった。勢い余って?

 資質向上策にも、地域がやるべきもの、市町村がやるべきもの、都道府県がやるべきものといった重層性があるはず。それを「盛り込むべき」とした。

 本来、107条、108条の列挙事項は、代表例や例示であるべきはずである。地域ごとに事情が違うというのが、この制度の趣旨だからである。実際、市町村において、資質の向上に関する事項を規定してはいけないということはない。ただ、それを「べき」としたことで、役割の固定化効果(雰囲気)が、出されてしまったのではないか。

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