松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆地域の力(相模原市東林地区)

2014-01-20 | 1.研究活動
 講演の資料集めに町内会長さんを訪ねた。

 2月に行う空き家問題のパワーポイントをつくるために、地域において空き家問題を解決した相模原市南区翠ヶ丘町内会の金子会長を訪ねた。金子さんは、南区の区民会議の副会長さんで、相模原全体の町内会連合会の副会長さんでもある。

 地域における空き家問題の話は、大変、興味深いものだった。
 1.人口が伸びている相模原でも、空き家問題は、すでに平成16年くらいから起こっている。全国で空き家問題が行政課題になってきたのがここ数年で、神奈川県では、ほんの1,2年前からである。しかし、地域では10年近く前から問題になっている。自治の政策課題は、まさに地域にあるということである。
 2.地域で空き家問題が起こると、まず最初に町内会長さんに相談に来る。ここで、町内会長さんの意識が問われる。難題を持ち込まれたと逃げるか、何とか解決しようと立ち向かうかである。
 3.金子会長さんのところは、金子さんの行動力で解決した。自分たちで登記簿を取り、保土ヶ谷区の所有者のところまで行って、お願いに及んだ。出がけを襲うと、早朝、暗いうちから車で出かけたという。
 4.合わせて、行政へ何度も要望をした。空き家問題は、私的自治の世界の問題でもあり、根拠法も乏しいため、行政はなかなか手が出せない。政策決定論に「政策の窓」理論というのがあるが、いくつかの条件が合わさると、はじめて政策の窓が開く。市民による、粘り強いお願いは、窓を開かせる重要な要素となる。
 5.行政にとって、大事なことは、金子会長さんはじめ、地域の人たちの真摯な取り組みを孤立させないことである。孤立させられたり、無視されたらり、次からは、何もしてくれない。大事なことは、逃げずに一緒に取り組むことである。難しいことはわかっているので、できないからと言って非難されることはない。

 地方自治は地域の人たちによって支えられているという自治の基本を再確認する一日だった。
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