松下啓一 自治・政策・まちづくり

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◇犬のおじさんが亡くなる(三浦半島)

2013-06-15 | 5.同行二人
 少し、前になるが、いつもマロンの面倒を見てくれるおじさんが亡くなったとのことである。

 ここ数年は、ずいぶんと減ったが、連れ合いと一緒に長い旅に出ることがある。連れ合いが元気だったころは、毎年、1、2回、2週間くらいの旅に出ていた。そんな時、一番困るのは、犬のマロンの世話で、そんなとき、この犬のおじさんに頼んでいた。

 一般に、ペットホテルでは、犬は狭いケージの中に入れておく。はじめて、マロンを預けることになったとき、とりあえず、かかりつけの動物病院に預かってもらったが、わが家でも、ケージに入ったことのないマロンには、酷いストレスになったようだ。

 あとでマロンに聞くと、ペットホテルには、ケージに入った犬が何匹もいて、口々に「おかーさん」、「帰りたいよー」と泣いているそうである。その声につられて自分も寂しくなってしまうそうだ。中にはイジワルな犬もいて、マロンが「おかあさーん」となくと、隣から、「へぇーん、泣いたって誰も来ないぞ、お前は捨てられたのかもしれないぞ」と、イジワルも言われるそうである。

 ところが、このおじさんの預かり方は、部屋の中に放し飼い方式で、犬はそれぞれ自分の気に入った場所にいることができる。だから犬の面接があって合格した犬だけ預かってくれるということで、面接のときには私たちもずいぶん緊張した。預かっているときの写真をみると、マロンには、いつもソファ-の上にいて、そこがお気に入りの定位置のようだった。

 ということは、おじさんは、何匹もの犬に囲まれて眠るのだろうから、ずいぶんとストレスがたまったのではないか。それが命を縮めることになったのではないか。聞くと、マロンはおじさんの布団に入り込むようで、それは大変ですねえ、よろしくお願いしますというしかなかった。

 おじさんは、身寄りもなく、孤独死だったらしい。お葬式もあったかどうか分からないということで、連れ合いが花を買ってきて、即席の祭壇をつくって、お線香をあげて、弔いをした。もちろんマロンも一緒である。私も手を合わせながら、同時に、この連れ合いの優しさに、心から尊敬と敬畏の念を持った。
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