松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『政策条例のつくりかたー課題発見から議会提案までのポイント』(第一法規)

2018-03-27 | 1.研究活動

 第一法規の小川ユコリンから、『政策条例のつくりかたー課題発見から議会提案までのポイント』(第一法規)の印税が出たという連絡があった。

 私が書くような本の印税自体は、ほんのわずかで、とても印税で暮らすなどということは不可能である。それでも、誰かがこの本を読んだということで、うれしいものである。

 この本は、条例のつくり方を書いたものである。私の体験を踏まえて書いたので、紙の上の条例づくりではない。例えば、条例によってつくられる新しい仕事秩序に、後ろ向きの職員たちが覚悟を決める方法として、市長の強い意志を職員に示すという方法があるが、そのために、市長説明を使う方法なども書いた。

 横浜の市長は、特に忙しいので、市長説明の時間は15分と、秘書課に厳命される。ところが、私は、30分間やってくるのである。そこで、、職場に戻って大きな声でいうのである。「いやあ、市長さんが大変興味をもって、なかなか帰してくれなかった」。それを聞いてきたほかの課の課長さんたちは、「そうか市長は、この政策を強く支持しているのか・・・」などである。

 この本のもとは、第一法規の自治体向けの雑誌に毎月書いた原稿である。連載を頼まれて、毎月なので1000字程度でといって引き受けたが、初めの原稿で1万字かいてしまい、それ以降、15回くらい、一万字を毎月書いた。大阪国際大学の最後から、大学を辞めて1年間、無職になったときに書いた原稿である。大学を退職しても、ゼミ生のために、毎週、大阪に通ったが、新幹線のなかで書いたというのが、今残っている印象である。

 その担当者が、小川ユコリンで、当時は、まだ独身だった。三浦半島にも来てくれて、軍艦や潜水艦が見える公園のレストランで、一緒に食事をしたこともあると思う。丁寧な仕事をするうえ、美人だったので、きっと自治体法務関係者の間では、アイドルだったのではないか。そのユコリンが、結婚したことは聞いたが、産休、育休を終えて復活したとのことである。法務への関心が乏しくなり、自治体法務研究会にも出なくなったので、今回連絡をいただいて、この辺りの事情を初めて知った次第である。

 この本を書いたころは、まだ役所における経験をようやく覚えていたが、この本、以降は、どんどん忘れて、もう書けなくなった。研修で頼まれると、役所のエピソードを混ぜて話すが、エピソードだけで2日間は話せるが(14時間くらい)、30時間話せと言ったら、無理かもしれないや(役所をやめたころには、政策作りのコツを30時間くらいは話せたろう)。

 ブログやメモを探って書けば、政策作りのコツのようなものを書けると思うが、なにかと絡めないと、出版不況の時代、簡単には本にならないであろう。

 ともかく、懐かしい人からの便りで、元気そうなので、うれしいことである。

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