松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆若者がつなぐ地域と若者7・説明資料のつくり方(相模女子大学)

2018-04-15 | 1.研究活動

 若者が組織を作り、活動をするにあたって。説明資料をつくることになる。

 私も市役所にいたときは、たくさんの説明資料を作った。企画の仕事が長かったので、とりわけ資料をつくることが多かったように思う。おそらく横浜市でワープロが最初に入った職場のひとつが、私の特命係で、机一つを占有するワープロ・印刷機は、実に便利だった。正式文書は、浄書(タイプ)が必要で、最後は、そこが順番待ちで詰まった(だから浄書室はえばっていた)。私は、たまたま浄書室のおねえさんたちと親しかったので、横入りで、やってもらったこともある。それがワープロで自分たちで、きれいな文書になるから、とても便利だった。

 それでも、しばらく、ワープロで作った文書は、正式ではなく、浄書室でタイプをしてもらうという運用が行われたが、バカみたいな話なので、すぐになくなった。そのうち、ワープロが普及すると、浄書室の仕事がなくなり、浄書室から、何か仕事がないかと話があったのが印象的だった。いつまでも栄華は続かないというか、常に、自己革新をしないと、置いてきぼりになってしまうということだと思う(ただ、私はタイプの字は、好きである。同じ辞令書でも、タイプのほうが身が引き締まる感じがする)。

 さて、当面、月曜日の区民会議で使うための資料を当日、説明をする2年生のなっちゃんが、作ることになった。もちろん、こうした文書は初めてである。その手伝いをして気が付いたこと。

 1.内容については、何を伝えたいか、この場で何を伝えたいか明確にする。これが基本である。この部分が明確でないと、時間ばかりかかって、文書はつくれない。いくつかのコツがあるが、
  ①説明するのは、訳があって説明するのであるから、その訳を再確認すること。ここから何を伝えたいかがより鮮明になる。
     ②5W1Hというのは、よくできている。「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」である。テーマによって比重が違ってくるが、 5W1Hに沿って整理し、5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすく、もれなく伝達することができる。

 2.形式について
  ①番号をふるというのは、あまりなじみがないようだ。
  ②ゴシックと明朝体の使い分け
  ③1テーマ・1枚にするというのも「へえ」という感じである。
  ④絵を入れたりするのは、違和感がないようだ。

 文書などは、実際作りながら出なければ、覚えられないであろう。この資料で月曜日、発表してみて、こうすればよかったと気が付くこともあるだろう。それを踏まえて、次の場面に合わせて修正していけばよい。

調べてみたら、資料のつくり方という本は、たくさん出ていた。そうだろう。田中富雄さんも書いている(『一目で伝わる!公務員の図解で見せる資料のつくり方』’学陽書房)

ここでは秋田将人(筆名)という人の『見やすい!伝わる! 公務員の文書・資料のつくり方』(学陽書房)という本には次のようなことが書かれているようだ。なるほど。私が言いたいことは、すべて書かれていると思う。むしろここで気になったのは、筆名ということ。本名だと役所がうるさいということなのだろうか。秋田の人なのだろうか。

第1章 資料作成の鉄則
 1 資料の目的をきちんと意識する
 2 テーマ・種類を決める
 3 締切を設定する
 4 読み手を具体的にイメージする
 5 構成を考える
 6 分量を考える
 7 1文は短く書く
 8 5W1Hを意識する
 9 基本フォーマットを活用する
 10 概要版・詳細版に分ける
 コラム1 説明の「時間」は限られている

第2章 わかりやすく資料をつくる
 1 結論から先に書く
 2 資料の構成がわかる見出しを付ける
 3 原則、A4版1枚におさめる
 4 事実と意見は混同しない
 5 1ペーパー1テーマとする
 6 箇条書きの階層は3つまで
 7 日付と作成者を明記する
 コラム2 資料にない説明で相手の気を引く

第3章 伝わりやすい文章を書く
 1 なるべく短い文章で書く
 2 形式を統一する
 3 簡潔な記述を心がける
 4 具体的な数字を盛り込む
 5 誤解を招く表現は避ける
 6 住民視点で考える
 7 首長視点で考える
 8 議員視点で考える
 9 職員視点で考える
 10 お役所言葉は使わず、言い換える
 11 敬語は正しく使う
 12 よく使う敬語の例
 コラム3 相手に応じて資料・説明を使い分ける

第4章 説得力のある理由・根拠を明示する

 1 データで根拠を示す
 2 メリット・デメリットを説明する
 3 判断材料・選択肢を示す
 4 因果関係を説明する
 5 論理的に説明する
 6 現状の問題点を明らかにする
 7 今後想定される課題を提示する
 8 時系列の推移を示す 
 コラム4 聞き手の視線に注意する

第5章 見やすい資料をつくる
 1 レイアウトを工夫する
 2 文字の大きさ、フォントを変える
 3 下線・太字・斜体でメリハリをつける
 4 情報を盛り込みすぎず、余白を活かす
 5 注釈を付ける
 6 漏れなく、ダブりなく
 7 フローチャート
 8 ロジックツリー
 9 PDCA
 10 ポートフォリオ
 11 グラフ
 12 数式
 13 写真・イラスト
 コラム5 複数の資料を説明するときは要注意

 

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