松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆熟議の市長選挙61 公開政策討論会の常設化に向けて⑥ 議員選挙はどうする(新城市)

2018-04-14 | 1.研究活動

 この制度のメインは、立候補予定者が2,3人の市長選挙であるが、議員選挙はどうするのか。条例のつくり方にもよるが、「市民が主権者として、自らの代表者を適切に選べるための条例」とすると、では議員はどうするのかという問題になる。

 これも条例の書き方によるが、条文数が数条で、実際の仕組みや運用は、別に定めると書けば、市長選挙と議員選挙のそれぞれは、実際の仕組みの中でやっていけばいいので、条例は簡単にできる。ただ、それにしても、議員選挙における公開政策討論会をどのように進めるのか、イメージしておいた方がいいであろう(できなかったら、今回は対象外あるいは持ち越しにするという選択になる)。

 立候補者が20人以上にもなる議員選挙では、新城市の市長選挙でやった方式は難しい。制度設計に当たって考えるポイントは、「その人の主義主張、実現しようとする政策を通して、考えていることの真っ当さ、政策を実現できる力がありそうか、その人の人となりを、その候補者の言葉や態度を、住民が、直接、自らの目で見て、耳で聞いて、確認する機会をつくる」ことである。それをどのように具体化するかである。

 1.現実的なのは集団面接方式か。5人グループにして、舞台には5人が並ぶ。このグループ内の質疑応答方式である。大別にして2つのやり方がある。

 (1)自分のイチオシ政策発表方式 Aさんが自分のイチオシ政策をPR(5分)。それをめぐって、残りの4人が質疑応答。一人1分、回答が2分だとAさんは、ロスタイムも入れて約20分。5人なので100分で終わる。6人にすれば120分、7人ならば140分である。結構面白いと思うので、2時間半くらいまでならできるだろう。

 (2)当たりくじ政策方式 市の重要課題10問くらいについて、議員候補者がくじを引く。あたった政策課題について、自分の意見を5分間。残りの4人が質疑応答。あとは(1)と同じ。これは、立候補者は、事前に市の重要課題を勉強し、自分の意見を言えるようにしておかないといけない。質問する方も同じである。厳しいが、議員たるもの、そのくらいは勉強しておくべき。

 どちらが良いかは、議員とは何かに関係する。議員はたくさんいるので、いわば専門店であるとすると、興味のない政策について、意見を言わなければいけない(2)は、趣旨が違うということになる。他方、議員は経営者であると考えると、得手不得手はあっても、会社(自治体)経営の全体に、きちんと意見が言えるようでなければならないということになる。(2)こそが、正しいということになる。

 グループ方式は、議会報告会などグループでやっているので、思ったほど違和感が少ないのではないか。もちろんグループによって当たりはずれがあるが、これは仕方がない。災い転じて福となすである。

 2.全員が一堂に会してやる方式。
 円形劇場方式が考えられる。市の政策課題を全員で議論する。リーダーシップをとる人、何も発言できない人、周りの観客には、いろいろな様子が見えると思う。難点は、円形劇場というあつらえが難しいこと、議員候補者の人となりは垣間見れるが、政策実現能力などは、分からないだろう。

 書きながら、考えている状態なので、思い付き程度だという批判は、甘受する。そのうえで、こうすればという提案を出してもらいたい。まだまだ、ありそうである。

 

 

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