松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆なぜ外国人は民生委員になれないのか(4)

2019-05-24 | 1.研究活動

 民生委員協力員という制度があるが、こちらは国籍要件はない。

 相模原市の選任要件を見ると次のようになっている。

【協力員の適格要件(要綱第4条)】
() 社会奉仕の精神に富み、人格識見ともに高く、生活経験が豊富で、常識があり、社会福祉の活動に理解と熱意がある者
() 原則として、民生委員の活動範囲内の地域に居住し、その地域の実情をよく知ってい るだけではなく、地域の住民が気軽に相談に行けるような者
(
) 生活が安定しており、健康であって、協力員活動に必要な時間を割くことができる者
() 個人の人格を尊重し、人種、信条、性別、社会的門地によって、差別的な取扱いをすることなく職務を行うことができ、個人の生活上、精神上、肉体上の秘密を守ることが できる者

 要するに、大事なのは、福祉の担い手にふさわしい、きちんとした人であって、そういういう人にやってもらいたいということである。当たり前のことが書いてある。

 おそらく、この検討のときに、民生委員の選定条件と比較する表をつくっているが、そのなかで、こちらは、国籍は関係ないねという議論になっていったのだと推測される。

 その際には、民生委員は特別職非常勤公務員であるが、こちらは、公務員ではない民間ボランティアという気楽さもあったろう。

 ただ、外国人が公務員になれるかどうかは、国の見解でも、公権力を行使するかどうかであるので、民生委員は、公権力を行使するものではないので、公務員だからどうということではない。判断の気楽さはあったかもしれないが、仕事の内容で見ると、民生委員も協力員も違いがない。

 ここで論じているのは、外国人が民生委員になれないという、入り口論で、最初から、入り口を狭めて、福祉の担い手にふさわしい外国人を、みすみす逃すのは、愚の骨頂ではないかというものである。

 今のところ、大きなニーズがないために、問題は顕在化していないが、外国人の定住化がすすみ、こなれてくれば、早晩出てくる問題である。

 ともかく、最初から、ダメというやり方は、私の好みにも合わないし、いい人を逃すやり方でもったいない。応募人員が多いほど、いい人を選べるという単純な話である。

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