ほんとうにおだやかなひざしがそそがれていることだよ。
部屋にさすひざしは天使のようで。私の心は穏やかになる。
思い出したんだ、春に話していた会話、煙草が似合う地元の彼の言葉。
「好きになったらどうしようもなくなるんだよ。」
私はふうんと聞いていた。実感としてはなかったしだからよくわからなかった。
でも今はそれがはっきりわかる。痛いほどに。本当に恋の溜め息は止まらず
物思いに耽る。おおげさでなしにほんとうに堪らない。絶望ではないのだ。
どうしようと思うわけではないのだ。ただ感じ想うのだ。君。
今日は同期の誕生日会が放課後あるよ。あの子も来ることだよ。
借りた本を返さなければ。返したらほんとうになにかが終わる気がして
こわい。嗚呼。演奏会誘う勇気がないよ。もう大変だよ。とんでもなく
もう狂おしいことだよ。こんなに本気に真摯に想うなんて考えもしなかった。