UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十三話part2

2025-01-27 18:56:01 | 日記
「あぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
 
 頭頂部がはげ散らかしてる海坊主が巨大な拳を海へと打ち付ける。それによって海水が大きくせりあがった。それによって鬼たちは海坊主を見失う。そして次の瞬間、せりあがった水のカーテンの向こうから現れた拳によって、鬼男がふきとばされる。水面を一回跳ねて、そして砂浜に「ドゴオオオオン!」と埋まる。
 
「あわわ……」
 
 降り注ぐ砂と共に、小頭は恐恐としてた。でも……
 
「まだだ!」
 
 砂から一気に鬼男は元気に出てきた。一体あいつら、ダメージという概念があるのかよくわからない野々野小頭だ。まあそもそもがあんな巨大な存在の拳に当たったら、普通の人間なら、ダメージなんて考える前にぺしゃんこになってしまうだろう。つまりは『死』だ。それが普通だと思う。でも、鬼は想像以上に頑丈らしい。体の大きさはこの星の人間よりも一回り大きいか? くらいだが、やっぱり別の世界の存在だけあって、細胞の構成とかが違うのかもしれない。
 
 海坊主は十メートルくらいはあるんじゃないだろうかと思えるが、それに対して鬼たちは高く見積もって2メートルくらいである。その差はかなりある。それだけあると、相手にならなくてもおかしくないが、鬼たちの攻撃は確実に海坊主にダメージを蓄積してる。鬼男は海の水面を走りながら戦場に戻ろうとしてるが、鬼女はその間も海坊主と肉弾戦をしてるのだ。さっきまでは二対一で数的有利があった。一対一になると、正面での戦いになる。小細工はしずらいだろう。そうなると大きな海坊主がそのパワーで押しきれるんじゃないのか? とか思えるだろう。
 
 それにもしかしたら海坊主もそれらを狙ってたのかもしれない。二対一は厄介だったから一人を吹き飛ばしてる間にどっちかを倒す……そんプランだった可能性は高い。けど……それは既に崩れようとしてる。なにせ……
 
「そんなものかぁぁぁぁぁぁ!!」
 
 拳と拳がぶつかる。鬼女の拳の数倍の大きさの海坊主の拳とぶつかりあったら、普通は小さな法の鬼女の拳なんて通用しないんじゃないのか? と思うだろう。けど後方によろめくのは海坊主の方だった。打ち勝ってる? 数倍の大きさなのに?
 
「滅茶苦茶ねあの子」
 
 そんな風に幾代が言う。そう、鬼女も決してダメージがないわけじゃない。むしろ正面切っての一対一になった時から、その体にはダメージが刻まれてる。それでも……鬼女は笑ってるのだ。どれだけボロボロにされようが、鬼女は笑って戦ってる。だからまるで全然大丈夫なように幾代にも小頭にも見えてるのだ。けど決して全然大丈夫……なんて事はないだろう。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 165

2025-01-27 18:51:22 | 日記
「禁忌ってなんですか?」
 
 私はそんな風に目の前の彼にそう聞いてた。それには意味なんてないかもしれないと思いつつも、私には聞かずにはいられなかったのだ。だって自分を禁忌とか言われたら……ね。
 それは気にするな……というほうが難しい事じゃないだろうか? そもそもが私は自分の事を何もしらない。マニュアルの中には私の情報はないのだ。不自然な程にね。確かにG-01の事はとても詳しく……詳しすぎるという風な程にある。けどそれを動かしてる私の事には一切触れられてないからね。なんとなく私がG-01の稼働には必要なんだろうってことはわかる。
 だって私という存在がいらないのであれば、G-01はそれこそアイみたいなAIで動かした方がきっと効率がいい。なにせアイみたいなAIなら命令には忠実だろうし、どんな無茶な命令だって躊躇なく実行することができるだろう。
 
 でもなぜかG-01にはそんな忠実なAIではなく、感情がある私が乗せられてる。それに意味がない……なんてことがあるだろうか? 嫌ない!! といえるよね。
 だってG-01を作った人達は世界をも渡る超技術……もっと言えばスーパーテクノロジーをもった人々なのだ。それに疑いようはない。つまりは皆が天才で超優秀な人々だといえるだろう。
 
 そんな人たちが理由もなく、こんな凄いロボットをどこぞの誰かにたくすだろうか? 託すとしたら、そこに理由がないわけがない。私は私の事をなにもしらない。うっすら前の記憶はあるけど……それだけ。それだって実際、本当に以前の……前世の記憶なのかはわからない。
 もしかしたらそれだってG-01を作った方々にインストールをされたものっていう可能性がないわけじゃないからね。
 
 そこにきてこの「禁忌」というワード。私は自分が何なのか気になって仕方ない。そもそも私は括りでは「人間」ではないのだ。限りなく私の体は人体のそれだ。けど、私は『プチュオクミ』と呼称されてる。
 
『君は、君自身を知りたいと思ってるのだろう……』
 
 まさか普通に返ってくるとは……どうやら今見えてる『彼』はただ事前残した録画されたデータ……という訳じゃないみたいだ。これなら色々と話せるかもしれない。
 私はとりあえずコクコクと「しりたいしりたい」を表現して見せた。
 
『そうか。だが、それは重要じゃない。既になされた事はなかったことにはできない。君には既に君があり、それが安定してるのならば、知る必要なんてない。それに全ての事実はいずれわかるときが来るだろう。
 それまで必要なのは、成長をし続けることだ。歩みを止めるな。そうすればきっと、ある程度の所にたどり着く』
「そこは目標まで行けるとか言わないんだ……」
 
 なんかちょっと現実的で嫌だな……とか思った。