UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十二話part2

2025-01-19 18:26:22 | 日記
「なにあれ?」
 
 小頭はギコギコとちゃりを漕ぎながらそういった。廃村が見えて来た段階で鬼たち二人はなんか厳しい顔をしてたけど、廃村に近づくと小頭とおばあちゃん……育代にもそれが認識できたみたいだ。
 
「魔が育ってるな」
「どうやらあそこには魔が好む怨嗟があるみたい」
 
 そんな事を鬼たちはいってる。小頭は後ろで二人乗りしてる育代をみる。
 
「あの村は、呪われるからね」
「そんな場所に私達を連れて行ったの?」
 
 それはどうなの? と思った野々野小頭だ。だってわざわざ呪われてる場所に連れていく? そんなのはテンションがぶちあがってる若い連中がやることだよね? 肝試しとか、小頭くらいの男子たちも好きそうな遊びだ。
 中学、高校、大学生とかさ。けど育代の中身はおばあちゃんだったわけで、もうそんなのはとっくに卒業してるはず。それにおばあちゃんにとっては小頭も足軽もかわいい孫だ。
 そんなかわいい孫を危険な場所に? おばあちゃんにしてはおかしなことだと小頭は思った。
 
「そうね……浅はかだったわ。ちょっと取っておきたい物があったの。あの時は見つけれなかったけどね。それに私にとっては呪いって危険なものじゃなかったし」
 
 そういうおばあちゃん。いや今は育代……か。育代はあの場所で育って、きっと呪いと近い位置で接してきたんだろう。だから呪いを今の人達と同じようには受け取ってないのかもしれない。
 呪いは小頭たちには邪のようなイメージが言葉的に強いが、育代にとってはそうじゃないんだろう。
 
 ごふぅぅぅぅぅぅぅ――
 
「それよりもあれ……どうするの?」
 
 小頭はそれを指さす。なにせ村には大きな……まるで鏡モチを何弾も重ねたような腹をした不気味なやつが、まるで温泉につかる様に、のぼせるような顔をして村に居座ってるんだ。なかなかに大きいそいつは村を包むようにそこに居座ってる。
 そして周囲の木をベキポキとつかんで折っては、口までもっていって、ぼりぼりと食ってた。
 どうみてもやばい奴じゃん……と小頭は思ったよ。けど、そんな小頭の思いとは裏腹に、鬼たちは動揺なんてしてない。
 
「任せて」
 
 そんな鬼女の言葉と共に、二人は並走してた小頭たちをおいて、一気に突き進んだ。そして更に勢いをまして、二人して、村に居座ってるそのブヨンブヨンのお腹の化け物に文字通り風穴をあけてしまった。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 159

2025-01-19 18:11:41 | 日記
 ただ直してるだけじゃない。合わせてるだけじゃない。だってこのままただ直してしまうと、システムに従って、再び私達を襲ってくるだろう。そんなのは元の木阿弥である。 
 だからそんな風にはさせることはできない。より内部に、より深く……私はただ親切心でこいつを直しているわけじゃない。直す過程で、ここのシステムに侵入してるのだ。
 
(アイ……ちょっとアイ! 反応しなさい!)
 
 私はアイに語り掛ける。なかなか反応しないから、ちょっと強めな語気になってしまうよ。そうやって何回か呼びかけてると、ようやく反応が返ってきた。
 
(すみません。ちょっと夢中になってました)
(はぁ……全く。それで、それだけ夢中だったんだから、解析は出来たんだよね?)
 
 私はアイにそう尋ねる。アイには先に私がここに来るまでのデータとログを渡しておいた。一応私もここに来るまでにシステム中枢に侵入しようとしてみたんだよ? けど流石に時代背景がこっちが最新だとしても、天才によって独自のカスタマイズをされたこの船のセキュリティをペーペーである私が正攻法で突破する……というのは流石に無理があった。
 なにせシステムへの造詣? というのかな? そういう基礎から全く深さが違うからね。私はあくまでもマニュアルと脳の拡張という荒業で知識を叩き込んでるって感じである。
 ようは詰め込み教育みたいな? でも、そもそもがあの世界で生まれた人は、きっとちゃんとした教育カリキュラムで色んなテクノロジーに触れてきたはずだ。それこそ幼少期からちゃんとした知識の下地とかを作ってただろう。
 
 でも私にはそんなのないからね。ただ詰め込んで詰め込んで、基礎を固めてる感じ。それに比べてこの船の主は基礎から応用へと発展して、進化……まで行ってるんじゃないだろうか? それこそ天才……なんだし。
 
 そうなると、まだまだ基礎の私ではよくわからない部分は多い。なのでそこでアイである。アイは元々G-01のアシスタントAIだ。AIといっても、ほぼ人格とかありそうな……そんな感じだし、自身で考え、自分の考えとかもってる。
 てか、G-01から切り離して肉体を与えたくらいから、それは顕著になってる気がする。G-01に縛られてたしがらみ……それがなくなったのが大きいのかもね。
 アイは元から私よりも圧倒的な知識があるんだから、この不可思議なシステムに興味を持ってくれると思ってたよ。
 
(まだまだ30%といったところですけど、同時に進めていくしかないわね)
(そうそう、とりあえずこの輪っかを通してこの船のシステムの中枢……ユグドラシルシステムへとアクセスするわよ)
(了解です)
 
 私達は今は静かに、けどもう一つの戦いに興じてる。