軽井沢~標高1150Mの森の家とエコ農園からの便り

雄大な浅間山の南麓・千ヶ滝西区の農園で、自然の生態系保全のため化学物質を一切使用せず西洋サラダ野菜の栽培に取り組む

トスカーナパンは・・・

2010-04-12 23:47:17 | Weblog
トスカーナぱんを食べたことがあるだろうか。

フィレンツェに滞在したことがある人ならスーパーなどで売ってる定番のパンなので食べたことがあるだろう。

小麦粉と天然酵母で作られたものだが、とにかく固くてそしてどっしりしている。

最初は固くて、何じゃこの固さは・・・といった違和感があったがほどなく噛むほどにじんわり味わいがでてき次第に慣れてきた。

ワインやオリーブオイルにもバッチリだ。

日本のパンは、どちらかというとソフトなものが多くまたその類のものが好まれる。
パンは柔らかければ、ただそれだけで良しとする風潮か?

日本人の、特に児童の顎が弱くなっていると言われるが当然だ。

顎だけではない。生命力の強さに関わることだ。
ずっしりとし、重量感のあるトスカーナパンをバリバリ食べてるトスカーナ人は顎が張っていて外見だけからでも逞しく映る。

フニャフニャした幼児向けのようなパンを大人の男がそれだけ食べて食事をしたという気分になったら、その男は男としてチャンと仕事をしているんだろうかと・・・トスカーナパンをかじりながら思ってしまった。

そういう男にならないように、トスカーナっ子に負けないように、毎日、毎朝このトスカーナパンの買出しに行く。
そして赤チコリやオレンジ、ルッコラなどの野菜と一緒にガンガン食べた。

写真はフィレンツェのアパートで朝食前に、食べる前に撮ろうということで・・・パチリ!
よく見るとアーティチョークもある。



自然水

2010-04-11 22:12:14 | Weblog
理想の住環境について想いをめぐらすときに・・・

空気が良いこと、水がおいしいこと、豊かな自然が存在することなどを挙げることに、よほどのへそ曲がりでなければまず異論がないであろう。

以上の中でも、やっぱり水だと思っている。

空気が良くても、そこに豊かな自然があったとしても必ずしも水がいいとは言えない。
近くにゴルフ場や鉱山跡があったりすると・・・。

軽井沢の隣りの町に住む知人の話を聞いた。
水はまずく、緑茶などはあまり美味しく飲めないんだよ~と聞いた。

一見、田舎の田園地帯で広大なレタス畑が展開していてさぞかし水なども美味しいんだろうな思うところでだ。

農園の往復は勿論、町に買い物などに行く時も頻繁に通る林道がある。
猪はじめ野生動物にしょっちゅう出っくわす林道で一般車はほとんど通らない。

その林道にはミネラルたっぷりの自然水に授かれる箇所がある。

崖から筒で引水しているものともう一つは崖から自然に垂れ落ちてくるものとの二ヶ所。
どちらも豊かな水量だ。

朝、農園に向かう際この水をがぶ飲みし、ついでにボトルにも汲んでいく。
脳が記憶しているのであろう。飲んだとたん全身爽快になる。

ボトルの水は時には来園してくれた人にも振舞う。
一様に甘い~と。

振り返ると、イタリアのフランスに近い、そしてスイスにはもっと近いピエモンテ州ノヴァーラ県でも湧き水を飲んだことがあった。
メルカートの帰り、乗せて貰ってるヴィクトリオさんの車が夜道の農道で停まった。

農道の脇にある水栓を開け彼は飲み始めた。
美味しいから飲んでごらん・・・と彼。

美味しかった。
ここから、スイスまではほぼ1時間半くらいだとのこと。

モンブランやマッターホルンの水と浅間山の水。
山からの汚れなき水は洋の東西を問わず愛飲されている。



アートの空間

2010-04-07 20:30:38 | Weblog
寒締めの幼苗の様子は先日書いた。

その幼苗たちはその後順調に育ったのでこのほど農園に定植した。
バルバ、ロッサ・リシオリーナ、ジェンテリナなど今は10種類ほどだが、出番を待ってる野菜がいっぱいある。

定植と言っても1100Mの高標高地の農園の気温は一般地では桜開花の時期ではあってもこちらでは時には最低気温はマイナス5度以下になる。

最低気温が仮にマイナス5度とすると地表面はおよそプラス4度、つまり地表面の最低気温はマイナス9度ということになる。

だから温室育ちの苗ではとてもじゃないけれどすぐ息の根を止められてしまう。

幼苗の寒締めは脆弱さから縁を切ってもらうためなのだ。
それでもダメになってしまう苗も勿論ある。
それはそれで仕方がない。あきらめることにしている。

こうして厳冬期の軽井沢で産声を上げ、厳しくも美しい自然の中で逞しく育った野菜達が多くの高名なシェフから支持されプレートに載せられていることは一種誇りだ。

しかし、驕りなどは一切ない。                                                                    野菜のトップランナーはイタリアをはじめ世界のあちこちにいる。
これからも、世界のトップランナーを目指して更なる挑戦が続く。




今年二度目の来園者は・・・

2010-04-03 23:38:42 | Weblog
今年はじめて来園された方は、「シェ草間」の草間シェフ。

先週の火曜日午後に管理機の燃料を買いに出かけ農園に戻る途中、車の後をついてくる車があった。
草間シェフの車だった。

「農園に来たけれど、いなかったので・・・」と。

前から、4月になったら農園にいきますよとの約束だったので、その日とりあえず農園の現状視察ということで見えたのであった。

夕方に届ける予定のサラダ野菜を、シェフ自ら持ち帰りになった。

今日は、旧ゴルフ通りの名門ホテル「K」の方達が見えた。
Yシェフ、コンシェルジュの方それにKさん、Mさんという若き女性スタッフ2名の4名で・・・。

Yシェフはもちろん農園に何度か見えてるし、昨年の長野朝日放送のテレビ取材はYシェフの紹介だったし、放映の際もご一緒させてもらった。

昨年秋のことだがホテルKでイタリアのピエモンテから見えた友人のワインソムリエ奥山理恵さんと一緒にクレープを頂いた。

そのクレープを作っていただいた方が、今回はじめ見えたコンシェルジュの方だった。
そのクレープは我ら3名の目の前で・・・、見事な手さばきだった。

そして本当に美味しかった。
クレープはこんなに美味しいものなのかと思った。

今回の主たる来園目的は、ハーブ&ハーブティーに関わることだったので妻に対応してもらった。

女性スタッフの皆さんは、芽吹き始めたハーブのコーナーを巡りながら熱心に説明や話に聞き入り、ときにメモを取ったりしていた。

少し冷たい風が吹いてはいたが、空は晴れ上がっていた。
最後に皆さんで農園のあちこちをめぐり真っ赤な芽のルバーブ、越冬して芽を出した赤や緑のチコリを見てもらったり、芽吹きのオレガノやシブレットを試食してもらった。

とくに、毎年同じ箇所に自生しているアップルミントは、まだ小指の爪ほどの小さなものだがその芳香は素晴らしいものなので・・・

皆さんに嗅いでもらった。

まだまだ赤ちゃんなのにアップルの強い香りと甘さが、皆さんを特に魅了したようだった。

西行法師の・・・

2010-04-02 23:50:50 | Weblog
桜の季節になると・・・

西行法師の

「願わくば花の下にて春死なん、その如月の望月の頃」の句が頭に浮かぶ。
この句は、西行さんの句集「山家集」に収められているもので、あまりにも有名なので日本人なら誰でも知っている和歌だ。

桜といえば西行さん、西行さんといえば桜と言えるほど西行さんは桜を愛したようだ。
花を題にした句が多い中で、桜はとくに多いそうだ。

西行さんは咲き誇る花そのものというより花は散るところにこそ真の姿があるのだと。
そこを詠みたかったのではないだろうか。

そのあたりの私の大好きなその歌をもう一つ。

「あくがるる心はさても山桜、散りなんのちや身にかへらん」

森の家に住み、凛として森にある山桜に接することが多い自分としてはこの句に共感して止まないものがある。

山桜を恋し続けわが身を忘れていたが、花が散ってはじめてわが身に返ったということだろう。

山桜を心底愛し、そして願いのとおり「その如月の望月の頃」に生涯を終えた。

12世紀、平安末期から鎌倉時代に生きた武士・僧侶・歌人の西行法師は幸せな人だったんだ。

写真は、東京千代田区千鳥が淵の桜。

イタリア北部ピエモンテのメルカートは・・・

2010-04-01 22:58:01 | Weblog
ピエモンテに滞在した時、ヴィクトリオさんの案内で彼の車で奥山理恵さんも一緒にメルカートに連れて行ってもらった。

まず、その大きさに驚いた。
端から端まで身透しがきかない位の大きさだ

そういえば、ヴィクトリオさんが最初に入った駐車場は何千台駐車できるかな、と思えるほどの広大なスペース。

しかし、彼は駐車場がいっぱいであることをすぐ察知し直ちに方向転換し別の場所に。
地元のことを知悉している人でなければ知りえない駐車場へ。

軽井沢にも地元のTスーパー、Mスーパーなどがあり、夏場などはかなり混みあう。
Tスーパーは軽井沢では比較的大きく駐車スペースも広く品数も多いので別荘客には都合のよいスーパーだ。

しかし、ピエモンテのそれはTスーパーの4~5倍は軽くあるほどのスケールだ。

店のスケールだけではない。日本のスーパーのようにチマチマ狭苦しくなく広々とそしてどっしりしたレジコーナー、素敵なデザインの照明器具、アートのある床の敷設などなど・・・
小憎らしいほどの配慮だ。イタリアはやっぱり芸術の国。

たかがスーパーというなかれ。

されどスーパーなんだ。
日本のスーパーに入って感動したことなど一度もないのにイタリアのスーパーでは・・・。