『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 』(講談社プラスアルファ新書)
なかなか”告発する心意気”がいい本ですね~。ただ色々と批判は
あるようですが、こういう”そもそも”論が出るのはいいことだと思います。
私は時々思うのですが、時代は刻々と変わるのに、世間やマスコミの
常識がそれについて行っていないこともある。学校を卒業した頃の社会の
教科書に書いてあったこと、まんまで時代が停止しているわけは無いはずで。
例えば、日本は”輸出依存経済”とかそうですしね。
なのでたまに常識をアップデートする活動は必要だと思われますが。
食糧自給率の問題もそうだったけかな?
農業の不思議なところは・・・思えば私が子供のときから
・後継者不足
・所得問題
・農協問題
・政治問題
と問題のポイントは出尽くしている感じでしたが、いつまでたっても問題は
指摘されつづけ、それについては変化の兆しはないんだな・・・
にもかかわらず、どうも、野菜も魚もちゃんとスーパーに出回っているんですよね。
摩訶不思議だな。
保護政策には色々と反対の声がありますが・・・どうも”ずるい!”という足の
引っ張り合いに聞こえるんですよね・・・。
保護イコール、いけないこと、ずるいこと、という発想は少し幼稚なのでは
ないかと思います。
自由貿易の旗手、アメリカでさえも、自国の農業は圧力団体の圧力に負けて
手厚い”保護政策”で世界と対抗。そして産官学の連係プレーで後進国の
人海戦術ではとても太刀打ちできないほどの生産性でインド綿を圧倒・・・。
保護が無ければやっていけない農業はつぶしてしまえ、というのは確かに
一理あるのですが(アメリカの綿農家は保護が無くてもそれなりに強い。
保護があるからさらに強い)、保護はダメ一辺倒もどうかと?
必要な場所に必要なカンフル剤があればみながラクになるというのなら、
いいのですが、そういった合理的な解説を聞いたことはないような気がしますよね・・・?
■ 農業生産額は8.5兆円
日本の場合は、ホントはどうなっているのでしょう? 一体全体?
とりあえず、この本の冒頭にある、日本の農業生産額は8.5兆円というデータ
は真実です。 ここにデータがあります。
・平成20年 農業総産出額(概算)
平成20年農業総産出額は8兆5千億円、前年に比べ2.6%増加
http://www.maff.go.jp/j/tokei/pdf/sansyutu_gaisan_09.pdf
じゃ何人でこれだけの額を叩きだしているのでしょう?
農業就業人口はこちら。平成20年は2986(1000人)。
つまり、大体300万人。そんなに農業やっている人っていたんですね。
http://www.stat.go.jp/data/nihon/g1507.htm
単純に割ると一人当たり283万円。
じゃ、この8.5兆円という数字に似ているものを探すと・・・
本田技研は8.5兆円の売上高を上げています。従業員数は17万人。
うーん、一桁違いますね。単純に言って生産性が15倍くらい良さそう。
あるいは日本のアパレル業界の市場規模が8.5兆円くらいです。
しかし、瀕死の農業と喧伝されているよりは、8.5兆というのは意外に
大きな数字だという気がします。
しかし・・・8.5兆円に300万人が従事していて、一人当たりは283万円
の生産額となると大丈夫かなという気がしますね。
でも2.6%で成長って日本のGDP伸び率と同じ。
300万人という数字にも意外に多いな、という気がしますが、人口は減少傾向。
農業の課題は”集約化”だと私は思っていたのですが、放置しても集約してゆく運命ですね・・・。もし生産高が維持できれば、ですが。
世界の優等生日本のメーカーと比べるのは可哀想ですが、それにしても
農業の生産性が低いのは、分散した小さな土地が多いなどのテクニカルな
問題はともかく、先祖の土地に人を入れるなどとてもできない、などの
視野狭窄があるからなのではないだろうか?
と思います。
外野が食料政策を述べるより、農家の人たちに世界のほかの農家を
視察にでも行ってもらうのがいいのかも、なんて思ってしまいますね。
なかなか”告発する心意気”がいい本ですね~。ただ色々と批判は
あるようですが、こういう”そもそも”論が出るのはいいことだと思います。
私は時々思うのですが、時代は刻々と変わるのに、世間やマスコミの
常識がそれについて行っていないこともある。学校を卒業した頃の社会の
教科書に書いてあったこと、まんまで時代が停止しているわけは無いはずで。
例えば、日本は”輸出依存経済”とかそうですしね。
なのでたまに常識をアップデートする活動は必要だと思われますが。
食糧自給率の問題もそうだったけかな?
農業の不思議なところは・・・思えば私が子供のときから
・後継者不足
・所得問題
・農協問題
・政治問題
と問題のポイントは出尽くしている感じでしたが、いつまでたっても問題は
指摘されつづけ、それについては変化の兆しはないんだな・・・
にもかかわらず、どうも、野菜も魚もちゃんとスーパーに出回っているんですよね。
摩訶不思議だな。
保護政策には色々と反対の声がありますが・・・どうも”ずるい!”という足の
引っ張り合いに聞こえるんですよね・・・。
保護イコール、いけないこと、ずるいこと、という発想は少し幼稚なのでは
ないかと思います。
自由貿易の旗手、アメリカでさえも、自国の農業は圧力団体の圧力に負けて
手厚い”保護政策”で世界と対抗。そして産官学の連係プレーで後進国の
人海戦術ではとても太刀打ちできないほどの生産性でインド綿を圧倒・・・。
保護が無ければやっていけない農業はつぶしてしまえ、というのは確かに
一理あるのですが(アメリカの綿農家は保護が無くてもそれなりに強い。
保護があるからさらに強い)、保護はダメ一辺倒もどうかと?
必要な場所に必要なカンフル剤があればみながラクになるというのなら、
いいのですが、そういった合理的な解説を聞いたことはないような気がしますよね・・・?
■ 農業生産額は8.5兆円
日本の場合は、ホントはどうなっているのでしょう? 一体全体?
とりあえず、この本の冒頭にある、日本の農業生産額は8.5兆円というデータ
は真実です。 ここにデータがあります。
・平成20年 農業総産出額(概算)
平成20年農業総産出額は8兆5千億円、前年に比べ2.6%増加
http://www.maff.go.jp/j/tokei/pdf/sansyutu_gaisan_09.pdf
じゃ何人でこれだけの額を叩きだしているのでしょう?
農業就業人口はこちら。平成20年は2986(1000人)。
つまり、大体300万人。そんなに農業やっている人っていたんですね。
http://www.stat.go.jp/data/nihon/g1507.htm
単純に割ると一人当たり283万円。
じゃ、この8.5兆円という数字に似ているものを探すと・・・
本田技研は8.5兆円の売上高を上げています。従業員数は17万人。
うーん、一桁違いますね。単純に言って生産性が15倍くらい良さそう。
あるいは日本のアパレル業界の市場規模が8.5兆円くらいです。
しかし、瀕死の農業と喧伝されているよりは、8.5兆というのは意外に
大きな数字だという気がします。
しかし・・・8.5兆円に300万人が従事していて、一人当たりは283万円
の生産額となると大丈夫かなという気がしますね。
でも2.6%で成長って日本のGDP伸び率と同じ。
300万人という数字にも意外に多いな、という気がしますが、人口は減少傾向。
農業の課題は”集約化”だと私は思っていたのですが、放置しても集約してゆく運命ですね・・・。もし生産高が維持できれば、ですが。
世界の優等生日本のメーカーと比べるのは可哀想ですが、それにしても
農業の生産性が低いのは、分散した小さな土地が多いなどのテクニカルな
問題はともかく、先祖の土地に人を入れるなどとてもできない、などの
視野狭窄があるからなのではないだろうか?
と思います。
外野が食料政策を述べるより、農家の人たちに世界のほかの農家を
視察にでも行ってもらうのがいいのかも、なんて思ってしまいますね。