まだ小学校に入ったか入っていないか、よく覚えていない時のことである。
近所に大きな銭湯があった。子供達は、この銭湯が大好きである。
広い浴槽で泳ぎ、飽きれば天井近くの回転窓の紐を手繰りながら風呂場の壁をよじ登る、上手いヤツは4~5m近くもある、上の窓際までもよじ登る。
私も仲間と同じように登ったものだ。
ある日、何時ものように私はその開閉窓の紐を手繰って壁を登り始めた。どの位の高さまで登ったか覚えていないが可也の高さまで登ったのではないか?全く覚えていない。
何故なら途中で紐が切れて私は頭から落ちたのである。
落ちた所に排水側溝があり、その角に頭を打ち付けたらしい? 母の話によるとお医者さまは
「打った処が打ったところで(頭の後頭部)傷が深い、命の程は何とも言えない運がよければ助かるが余り期待は持てない」と言われて帰られたとか・・・
要は母は、お医者様から引導を渡されたようなものだ?覚悟をしなさい と・・・ 入院の話を聞いていないことは、そのまま自宅で寝かされていたようだ。
然し、私は幸運にも助かった。
今も後頭部に大きなキッポ(傷跡)がある。
以前は初めての散髪屋さんにいくと、散髪屋さんから、よく
「後ろの方は少し長め(髪)にしますか?」と尋ねられた、傷跡を隠すためである。70歳台半ばの現在は髪も白髪となり、それも殆どと言ってよいほど無い。いわば禿げ頭である。
キッポも注意しなければ判らない。
70年近い昔(昭和12~3年)の医療でよくぞ助かったものと思う。
子供は何時の時代も危険なことをする。そして大人になる。
そのような、中で 私が今日まで生きて来られたことは
「万物の神に大いに感謝しなければならない」
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