技術屋として昭和40年頃か地方に赴任し、ある特殊作業の為の特殊作業台(直径10mの円形)の強度試験をしていた。
作業台に荷重替りに鉄筋を段階毎に数百キロづつ載荷して何トンまで可能か極限実験をした。
作業台の安全積載荷重の設計は50トンだった。
設計荷重を超えると荷重は細分化して載せる。
作業台の偏荷重と変形を考え F=1,5として構造設計をした。
計測は最初から台の下に1/100 ミリのダイアル・ゲージを設置して裁荷毎と時間の経過毎に台の梁の撓み量を計測する。
ゲージの数値は作業台の外に設置したレベルで見て数値を読み記録紙に書き入れる。
2人が4時間毎に交代して24時間計測した。勿論、計測時はただジ~トして時間の経過を待っている訳ではない。積載状態の変化、作業台の下部の変形の異常等終始観察する。そして予定の時間が来れば梁の撓みの測定をして記録するのである。
深夜、私の番になった時は既に積載荷重は100トンを超えていた。
この時点での撓み量は裁荷に関係なく時間の経過と共にドンドン増加していた。
計測時間が来てレベルを覗くとダイアル・ゲージの計測針が約30度くらい傾いていた、其れを垂直に直すべく私は無造作に作業台の下のゲージに行きゲージの針を垂直に直して外に出た。
正に私が外に出るのを待っていたかのように一大音響と共に作業台は百数十トンの鉄筋に押し潰された。
振り返ると其処にはただの鉄筋の山があった。ほんの数秒の差であった。
又、誰か知らない幽冥の方に助けられた・・・
一期工事 終了後に私は何事も無かった如く本店に無事に帰る。
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