「おい!俺の耳を何処にやったのだ!」
「知らないわよ~、触ったこともないよ!」
カミさんが途端に怒り出した。
どうも私の聞き方が悪いらしい?(さもありなん!)
まァ 仕方のないことだがね。
見当たらないのは私の補聴器だから・・・
カミさんは何時も何か探す時は自分に言へと私に言っている為に、ついカミさんに怒鳴る癖が付いたらしい。
そこで、私は補聴器ばかり入れている袋を机の上に開け中のものを全て出し、一つ一つ探し始める。
然し見つからない。
困った。
なにせ補聴器がないとTVの声は全く理解できない。
補聴器をつけても理解できるのは半分くらいだから・・・・
カミさんの出番である。
探し物は実に上手い!カミさんの探し方を見ていると、探し方が私と違うようだ。
先ず私が既に探した物を再び丁寧に片付けながら探している。
私は其処は、もう探して無かったのにと思いながら側で眺めている。
「おい、其処は探したぞ」と言っても我関せずで私の声など全く無視されている。
もう私の出る幕はない。
カミさんには構わず私は新聞を読み始める。
暫くして何時ものように
「あったわよ、ほらッ」と小さな補聴器を渡される。
補聴器です
一体、何処で見つけたのだろう?
以前、考古学者で「ゴッドハンド」と言われた化石を見つけることにかけては日本一と称された方が居られたが、
正にカミさんの「手」いや目かも知れないが「ゴット・ハンド」の持ち主だ。
考古学者は後に仕掛けが露呈して失脚したがカミさんはそのような誤魔化しではない。
カミさんは何事も丁寧で根気がよい所為かな?
私は、どうも気が短く大雑把である為のようだ。
補聴器も私は 箱型、耳に差込む型、と それぞれ数個持っているが、常日頃、使うのは差込み型である。
普通は外す時は寝る時くらいだが、何かに熱中している時に耳の奥に痒みを感じて(?)ホントに無意識のうちに外して、つい、そのまま考え事に耽ることがある。
囲碁の詰め碁などがそうである。
そのような時に、よく何処に補聴器を置いたか分からなくなる。
詰め碁が解けた時は意外にちゃんと置いたところを覚えている。
実に都合のよいことである。
でも、解けない場合には覚えていなく大騒動になることが多い。
私のツンボ(放送禁止用語である)にはカミさんも近頃は慣れてきたようだ。私が
「おい 無いぞ!」と怒鳴っても怒ることは余り無いが唐突に怒鳴ると流石に頭に来るらしい。
カミさんは何か見つからない時は
「何々が見当たらないが・・・」と聞いて呉れというようになった。
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