「お風呂が沸いているよ・・・」台所からの凄まじい怒鳴り声である。
TVが鳴っている所為か?
アレでは向こう三軒両隣にも聞こえるのでは?と心配になる。
と、まあ、戦時中ではあるまいし?
これは少々言い過ぎかな?何しろ我輩の難聴は生半可でない。
カミさんも仕方なく怒鳴るのであろう。
この声を聞いても普段は中々風呂に入らぬ私が今日は大人しく直ぐに湯殿(?)に行く。
「あら、今日は素直なのね」私が居間を立ち風呂場に行く姿を見て驚いたような声をだす。
「時にはな・・・。言うことを聞いておかないと後が怖い・・・」
「それに今晩の晩御飯のおかずに俺の好きな牡蠣フライが出たからな・・・」
牡蠣の季節も、もう終わりに近い・・・・。
「今日のような寒い日の夕食に牡蠣フライは堪らないよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
浴槽の湯で身体を洗うべく湯を身体に掛けると足がヒリッとした。
無神経な私は別に気にもしないで、また、湯を被る。
またもや足がヒリッ ヒリッとする。
何んでだろう?と足を見るとなんと、足に幅5分、長さ2寸ばかりの引っかき傷があり、血が滲み出ている。
手のひらで擦ると赤い色が手に付いて流れている。
アリャ、又か?そのまま身体をさっと拭き洗面所に出てテッシュ・ペーパーで暫く傷を押さえる。
が、止まらない。
どうもならん!未だ居間を立ち上がって3分と経ってない。
洗面所に戻り台所のカミさんに怒鳴る!
「ダメだ。また、血が出ている」
「何処から?」
「足だよ」
「なんで・・?」
「どうも、浮腫んだ足が痒くて爪を立てたらしい?」
「傷になっていたんだ」
「あんたは、もっと気を付けないとダメだよ!」
「それでなくても皮膚が弱いのだから・・・」
「蚊に刺されても腫れ上がるようなんだからね」
「私には想像も付かないよ!その肌の弱さは・・・」
「私なんか、いくら蚊に刺されてもなんともないよ」なんで血が出たくらいで、こんなに機関銃のようにカミさんから口(攻)撃されなければいけないんだ?
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ステントを装着して以来の薬の効き目は凄いね。
血液サラ・サラもいいが、このように血が簡単に出ては?
しかも止まらないのも困る。
アレから、もう3ヶ月は過ぎているのに・・・。
そうは言っても心臓の血管に装着した“ステント”に血小板が固まり付着して血液の流れが塞がっては命にかかわる。
心臓の血管の大きさは2ミリ前後とか?
其処に金属のメッシュの筒を入れたのだからな。
この筒も薬が塗布してあり3ヶ月は持つと云われている。
その3ヶ月は数日前に過ぎた。
ここ(心臓血管)が詰まってはね 私の寿命もハイこれまァ~で~よ~ォとなる。
足から少しばかり血が出るのは仕方ないか?
今日は少し遅いお昼で家に帰ってから、つい、ビールを2~3杯飲んだのが身体に響いたのかな?
そう言いながら、そうだ!晩酌に焼酎も飲んでいたのだ。
それで、いい気分になり軽い晩ご飯の後の薬を飲むのを忘れていた。
薬箱の中に残っている夜の薬を見ながら、飲むか?飲むまいか?
今夜は、忘れたことにして飲まないでおこうか迷っていた。
カミさんが「何を考えているのよ?」と側で言う。
「うん、夜の薬を飲もうか?飲むまいか?どうしようか?迷っている」
「どうして迷っているの?」
「今、薬の箱をみたら夜の処の薬があるのだ。どうも飲むのを忘れたらしい?」
「何を言ってるのよ~ 飲まないでどうするの!」の一喝を食らって薬を飲んだ。
これが先ほどの入浴の前の出来事であった。
これでまた、血が止まらなくなるのかな?という思いがつい、薬を飲むことを、躊躇わすのかも?
そこで薬を無意識のうちに、なんとなく飲まないでいるのかも?
浮腫んだ足からの出血で、お風呂は諦めた。
今日のように寒い日は入浴が一番というのに・・・。
外気温はお昼に見たときは7度だった。
先ほどカミさんが洗濯物を仕舞う時に庭の木に吊るしてある寒暖計を見てもらうと、なんと13度(午後6時ごろ)あった。
それでも寒さは物凄い!
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