還り見れば酔生夢死か?

80歳代の聾人でネットの話題を書いています。足が悪いので家で得ることが出来るネット情報と私自身の唯我独尊の偏向文です。

あやまちの判断?

2009-10-17 04:31:37 | カミさん
あやまちの判断?

カミさんから

「あんた これは“過ちだと知ってやる過ち”と、“知らずにやる過ち”では、どちらが悪質だと思う?」と聞かれた。

「そりゃ~悪いと知ってやる過ちだな!」

「知らないでする過ちは仕方ないだろう?」と得々と答えた。

「ダメね~ェ」

「悪いと知ってやる過ちは歯止めが利くがね、知らないでやる過ちは歯止めが効かないのよ~ゥね!切がないの!」

「分かる!ゥ?」

「ほ・ほう~。なるほど・・・・」

これはカミさんが長く勤めていた税理事務所の所長さんの言葉らしい?

どうも帳簿の記入で悪いと知りながらする節税?仕分け記入、と、全くそうとは思わないで仕分けして記入することをさすようだ。

悪いことを知りながら、そうするのは“もうこれ以上はだめだ!”とおのずから、その時点で止めるが、そうでないと、とめどなく続き発覚した時には大変な事件となる。

最も最近は、それを知りながらも平気で“バレモト“でする輩(ヤカラ)も増えたとか?

何しろ税金の時効は5年だそうだからか?それ以前は不問である。

そういえば、我輩も現役のころコレは余り褒められたことではないが?このくらいは・・・と結構 コスト・ダウンと言う、うたい文句で設計仕様書に“同等品”と記載してある物は全て単価の安いもので施工したことがあるが、仕様書に記載してある性能については同じレベルとしたな~

(見かけの数字だけだったかも?)つまり、決められた性能範囲の品物ではあったが?

でも、その建物は既に建て替えられて今はないので安心してもいるが・・・。

薬で言うならば、指し向き“ゼネリック製薬”と言うところか?

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そこで、現役時代の、ある現場でのことを思い出した。

我輩の部署で計算した地下山留めのシート・パイルの長さであるが、地盤が悪く掘削深度が3mであるのにシート・パイルの根入れが計算の結果6mとなった。

* 建物の平面が広く、その都合で頭の切り梁を張ることが出来なく自立としたためである。
* 当初はアース・アンカーを計画していたが、それぞれ幾多かの工法の工費の比較検討を行い予算の関係でアース・アンカー工法は取りやめたのだった。

従って仮設設計のシート・パイルの全長は9mになった。

それでも床付け時にはパイルの根本を支持するために急ぎハバ2mの仮設コンクリート・スラブの施工も入れたものだ。
(ヒービングの防止?も含めて?効果のほどは?気休めだったかも?)

所長はそれで工事の実行予算を作成して担当課長に提出したのだ。

ところが、その現場は、もともとが赤字覚悟の現場ゆえ担当課長は3mしか掘らないのに床付けから6mも地下にパイルを入れる必要はないと判断し根入の長さを1m削った。(勿論 計算外の政治的?判断である)

そして、その上の部長に、その予算書が回り、3m掘るのに5mも根入れは必要ないとして、また根入れ長さを1m 削ってしまった。

合計2m削られてシート・パイルの長さは7mとなり、工事は始まった。

暫くして我輩のところに

「至急 現場に来てくれないか?」と直接 我輩に電話連絡が入ったのだ。

なにやら逼迫している。

「どうしたんだ?」と聞いても何も言わない。

「兎に角 至急来てくれ!」と言う。

差し向けられた車に乗り現場に行くと、なんとシート・パイルが少し倒れている。

「おい! これは?」と・・・その有様を見て我輩は絶句した。

そして、そこで前述の仔細を知ったのだ。

そのままでは山留めが倒れて大惨事になる。

このままパイルの傾げが進行するとパイルの座屈もありうる。

「兎に角 現状では危険だ!掘りあげた土をシート・パイルの根元に至急 戻すことだ」

「山留め周囲にシートを張り雨水の浸入も防げ!」等・・・その他 気が付く点は全て指示して当座の処置を促した。

「それから?」と聞く・・・

「オレに聞くより(長さを)削った奴に聞け!」と、そのまま現場から帰ったことがある。

担当課長も部長も我輩のところには何も言ってこなかった。

改めて9mのシート・パイルで施工しなおしたとのことであった。

損害は莫大なものとなった。

その再施工の指導は我輩の部署の者が内緒で指導に当たっていた。

ほんの一言 相談してくれれば良かったことだが?

考えれば普段から、そのような相談には一切乗らなかった我輩の日頃の頑(カタク)なな態度で

「あいつには何を言っても無駄だ!」と言うことと

「あいつはいつも設計が大袈裟(安全率を大きくする)すぎる」と言う背景もあったのかも?

大いに反省したものだ。

それにしても土の怖さ、いや事情を“知らぬことは恐ろしい!”

すこしでも基礎知識があれば、このようなことは生じない・・・と当時は思ったものだ。

沢山の現場経験を踏んだ経験が “このくらいでやったことがある“と言う感覚だったのだろう?

日本全国その場所、その場所で地盤の構成は異なり工法もそれなりの工法が選ばれる。

特に埋立地(軟らかい砂地がおおい)や深いシルト層や水位が高いのは怖い。

大まかではあるが前者はボイリング、後者はパイピング等が事故の原因となりやすい。

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30数年前に起こった沖縄の那覇での山留め倒潰事故のときは翌朝 直ぐに現地に飛んだ。

飛行機の中で我輩の座席の近くで工事関係者か?役所の方か?事故の内容の話が聞こえた。

これは人身事故がなかったのは幸いだった。

この事故の復旧処置の敏速さには驚いたものだ。陥没した道路も即座に復旧され、

地下で作業していた重機も山留めも一切合切そのまま埋め戻されたのだ。

現地で働く当社社員の案内で工事現場の様子を見て歩く、また現地で仕入れた情報も聞き、本社に帰社した後も資料を送ってもらう。

それら資料と現地で撮影した写真を元にして帰社後その山留めの土圧力計算を試算してみた。

これら技術部に報告した資料の控えは一切退社時に廃棄した。

尚 山止め壁はPIP? だったと憶えているが?ハテサテ?

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沖縄の工事事故 ↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%89%E6%B5%B7%E3%83%93%E3%83%AB%E9%99%A5%E6%B2%A1%E4%BA%8B%E6%95%85


 





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