大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
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ぼんやりとした憧れ(石岡瑛子さん)

2021年01月24日 | 個人的なエッセイ
みなさま こんにちは!
創作の姿勢を再発見したいため、思っていることをつらつら書き連ねています。
きょうは、アートディレクターの石岡瑛子さんについてです。

石岡さんは私が若い頃の世界的に著名な日本人でした。私が若い頃と言えば高度経済成長のピリオドを打つバブル景気の頃で、斬新な表現者がさまざま出てきていました。石岡さんは、美大生ならば知っておくべき一人でした。
しかし私はそのころ、自分で生活費と学費を稼ぐ苦学生だったので、そんな風潮に背をむけて、大学も必要最低限しか行かず、アルバイトに明け暮れていました。石岡さんのこともお名前しか認識していませんでした。

今日、テレビの日曜美術館で石岡さんのことを少し知りました。
まず感動したのが、ご自身の歴史を絵本にしていたことでした。カラフルで美しい絵本でした。必ず世界のおいしいものを食べに行きたい、と結ばれていたように記憶しています。
高校生のときということですが、人の目が気になる年齢のときに、素直に自分自身を語り、夢を語り、それが優れた作品にもなっていることに感銘をうけました。

衣装デザインも多くてがけ、どれもすばらしいものでした。コッポラ監督の映画「ドラキュラ」の衣装デザインもされていたようです。好きな映画なので、うれしい発見でした。ニューヨークを拠点に活動されていたことも、うれしかったです。今からこの人に憧れよう、と思いました(笑)。

なぜかニューヨークに憧れています。一度も行ったことはないし、くわしくも知らないし、どこに何があって誰がいるのか調べたこともありません。学生の頃は広告文化の最盛期(やはりピリオド)で、広告といえばニューヨークという記憶もあったこと、ジャズやアートの街だったことなど断片的に入ってくる情報で、なんとなく好きなのです。
洗練と、自由。そして人間的な温かさがあるのではないかと。さまざまな人の営みのなかで、築かれたものがあるのではないかと。
テロや分断などがあるたび、もう昔のニューヨーク(アメリカ)ではないという声も聞きます。でも私は昔を知らないので、いいのです。こんなふうに書くと、もっと現実を知れと怒られそうですが、ぼんやりと憧れたままの状態がいいな。

きょうは、石岡瑛子さんとニューヨークを、ひとつながりの憧れとして心におさめました。石岡さんのことも、これ以上は知らないでおこうと思います。石岡さんのエッセンス(私の中の勝手な)として、私の中で妄想としてふくらんで、いつか現実の作品として実をつけてくれたらいいな。

明日は、やはり私の若い頃から活躍されている、サックス奏者の渡辺貞夫(貞雄さんを訂正)さんについて、書いてみます。