皆 様
謹賀新年
本年も宜しくお願い申し上げます。
一昨年は、
震災/原発事故に始まり、危機が連鎖するとしでしたが
昨年もまた、大変な年 であったように思います。
それを、年末の総選挙が象徴していたように思います。
比例区の《自民党と民主党の得票率の合計》は 44%弱にすぎず、
得票数でいえば、民主党は前回の33%に満たず
自民党も200万票強の減少となりました。
(逆説的な見方と思われるでしょうが)
小選挙区制が日本を救った(底割れの猶予をもらった)と言えるように思います。
我が国における
政権交代可能な政治システム確立 の 困難性 や、現実の課題 が見えてきます。
すでに、
我が国の富を創造している人々の生活はグロ-バル化しているにもかかわらず
国民国家という組織を
(国民主権の原則に基づいて)カバナンスする基盤がつくられていないという
特異な環境の中に、私たちは生きており、
社会の様々な問題が、このことに結びついて派生、深刻化しています。
こうして、私たちは
基礎工事抜きに「(政治の)促成栽培」を進めて、
大騒ぎを繰り返すことが許されない環境へと入りつつあるでしょう。
これまでの教訓から何かを学んだ人々が、
どれだけ生み出されたかによって、
これからの日本のあり方が決せられていくように思います。
2013年 混沌(カオス)を超えて?!
さて
先週末来の日本経済新聞の「経済教室」に連載されているのは
《2013 混沌(カオス)を超えて》です。
前東京大学教授の 御厨貴 氏は、その論考を、下記のように結んでいます。
かくて、既視感に満ちた「追憶」の内閣から、いかにして脱することができるのか
「戦後レジ-ム(枠組み)」からの脱却を説く安倍首相に必要なのは
いつの日にか「戦後・自民党レジ-ム」からの脱却を図る決断をすることであろう。
(2013.1.7 経済教室)
言うまでもなく、
戦後の世界秩序(戦後レジ-ム?)と
保守合同(解りやすく言えば「責任政党」の翼賛)から始まった
「戦後・自民党レジ-ム」(55年体制)は、意味が違います。
興味深い論考ではありますが、
小泉内閣後の6年間に直面した現実、これに対して、
自民党と民主党の2つの政党が舞台廻しとして果たした役割を考えるならば
もはや、戦後日本の延長に、
何を決めるも、何を実施するも、できないのは明白です。
今までは、言葉は先に、現実は(旧態依然に)取り残されたままに
(旧い奴ほど、新しい粉飾を求めたがるものです。)
これからは、
現実が先に、言葉は、現実に合わせて作られていくでなくてはなりません。
混沌(カオス)は、人の心の中に
一方、藤本隆宏 氏は、
世界がカオス化したと人が感じるとき、
カオスは(世界にではなく)人の心にあり、
特に混乱は、
工場より本社、中小企業より大企業、産業人より言論人にある …… とします。
(2013.1.8 経済教室)
1990年代以降の「冷戦後の世界競争」は、
途上国の賃金高騰で、既に、折り返し地点を迎えており
この環境変化に対応できなかった経営者、為政者、マスコミ・言論界の
産業空洞化論、ものづくり衰退論に乗ってはならない。
今は、意思決定者が「内なるカオス」を克服し、
現場/現物の原点に立ち返り、正しい長期判断をすべき時である というものです。
世界の指導者たちの足元を揺るがすもの
本日(1月9日)の V・ラインハ-ト氏(元FRB金融政策局長)は、
2013年は、ここ数年の停滞を吹き飛ばすような
《様々なチャンス》が、世界経済にもたらせるだろう。
世界の指導者がためらいつつも正しい方向に向かえば
2013年は、輝かしい《成功への移行期》となる可能性が高い とします。
米国の「財政の崖」をめぐる議会の対立、欧州債務危機や、
TPP交渉参加についての不毛な対立が示すのは、
(中国の国内は言うに及ばす)
これら、世界の指導者の足元で、
各国の国民の間に、深い分裂や亀裂が走り、指導者の意思決定を困難にしていることです。
(TPP交渉参加の前で暗礁に乗り上げる我が国は、最も課題が整理されていない一角)
言うまでもなぐ、この背後には
「1990年代以降の冷戦後の世界競争」により、
経済の分配構造が、これまでにない世界大の規模、速度で変革され
これが、各国の国内にも鋭く反映する現実です。
国境を超えて価値観を共有する人々の結びつきを!
自由、民主主義、市場経済は、言うまでもなく、国境を超える価値観です。
世界経済のグロ-バル化(国境を超えた一体化)は
経済上の再分配のプロセスと並行し、
このことを世界大の規模で、認識していくプロセスにならざるを得ません。
こうした時期、
他方で、ナショナリズム(一国主義)をめぐる軋轢が高まらざう得ないのも
当然のことです。
昨年、領土問題をめぐる軋轢と反日デモの渦中、
訪問させていただいた中国/大連で、心を通じ合わせた現地の中小企業経営者との
年末、年始のやり取りは
「夜明け前が一番暗い …… トンネルの向こうには《別の風景》が広がる」となりました。
現状を冷静に認識し、変革する真の力を!
さて、本年は、下記の言葉が人々の心にしみる年となるのでしょうか?
神よ、
変えることのできくないものを冷静に受け止める心を
変えることのできるものを変革していく勇気を
そして、この二つを識別する智恵を
私たちにお与え下さい。
(ラインホルト・ニ-バ-)
私たちに問われているのは、
すぐには変えることのできないものを正しく認識し
(この期におよんで)
「急がば回れ」という最も困難な道を歩んでいく
(戦略的な)意志であるように思います。
(この文章は、1月9日に書いたものですが
1月10日の日経新聞「経済教室」欄は、細谷雄一 氏の 下記 となっておりました。
「共通利益」、国際秩序の鍵に
地域安定、成長の条件 / 日本はル-ル確立 主導を )
グロ-バルコミッション 田中基茂
東京都大田区山王 4-19-6 4F
TEL 5746-3041 FAX 5746-3081
gc-t@ac.auone-net.jp
謹賀新年
本年も宜しくお願い申し上げます。
一昨年は、
震災/原発事故に始まり、危機が連鎖するとしでしたが
昨年もまた、大変な年 であったように思います。
それを、年末の総選挙が象徴していたように思います。
比例区の《自民党と民主党の得票率の合計》は 44%弱にすぎず、
得票数でいえば、民主党は前回の33%に満たず
自民党も200万票強の減少となりました。
(逆説的な見方と思われるでしょうが)
小選挙区制が日本を救った(底割れの猶予をもらった)と言えるように思います。
我が国における
政権交代可能な政治システム確立 の 困難性 や、現実の課題 が見えてきます。
すでに、
我が国の富を創造している人々の生活はグロ-バル化しているにもかかわらず
国民国家という組織を
(国民主権の原則に基づいて)カバナンスする基盤がつくられていないという
特異な環境の中に、私たちは生きており、
社会の様々な問題が、このことに結びついて派生、深刻化しています。
こうして、私たちは
基礎工事抜きに「(政治の)促成栽培」を進めて、
大騒ぎを繰り返すことが許されない環境へと入りつつあるでしょう。
これまでの教訓から何かを学んだ人々が、
どれだけ生み出されたかによって、
これからの日本のあり方が決せられていくように思います。
2013年 混沌(カオス)を超えて?!
さて
先週末来の日本経済新聞の「経済教室」に連載されているのは
《2013 混沌(カオス)を超えて》です。
前東京大学教授の 御厨貴 氏は、その論考を、下記のように結んでいます。
かくて、既視感に満ちた「追憶」の内閣から、いかにして脱することができるのか
「戦後レジ-ム(枠組み)」からの脱却を説く安倍首相に必要なのは
いつの日にか「戦後・自民党レジ-ム」からの脱却を図る決断をすることであろう。
(2013.1.7 経済教室)
言うまでもなく、
戦後の世界秩序(戦後レジ-ム?)と
保守合同(解りやすく言えば「責任政党」の翼賛)から始まった
「戦後・自民党レジ-ム」(55年体制)は、意味が違います。
興味深い論考ではありますが、
小泉内閣後の6年間に直面した現実、これに対して、
自民党と民主党の2つの政党が舞台廻しとして果たした役割を考えるならば
もはや、戦後日本の延長に、
何を決めるも、何を実施するも、できないのは明白です。
今までは、言葉は先に、現実は(旧態依然に)取り残されたままに
(旧い奴ほど、新しい粉飾を求めたがるものです。)
これからは、
現実が先に、言葉は、現実に合わせて作られていくでなくてはなりません。
混沌(カオス)は、人の心の中に
一方、藤本隆宏 氏は、
世界がカオス化したと人が感じるとき、
カオスは(世界にではなく)人の心にあり、
特に混乱は、
工場より本社、中小企業より大企業、産業人より言論人にある …… とします。
(2013.1.8 経済教室)
1990年代以降の「冷戦後の世界競争」は、
途上国の賃金高騰で、既に、折り返し地点を迎えており
この環境変化に対応できなかった経営者、為政者、マスコミ・言論界の
産業空洞化論、ものづくり衰退論に乗ってはならない。
今は、意思決定者が「内なるカオス」を克服し、
現場/現物の原点に立ち返り、正しい長期判断をすべき時である というものです。
世界の指導者たちの足元を揺るがすもの
本日(1月9日)の V・ラインハ-ト氏(元FRB金融政策局長)は、
2013年は、ここ数年の停滞を吹き飛ばすような
《様々なチャンス》が、世界経済にもたらせるだろう。
世界の指導者がためらいつつも正しい方向に向かえば
2013年は、輝かしい《成功への移行期》となる可能性が高い とします。
米国の「財政の崖」をめぐる議会の対立、欧州債務危機や、
TPP交渉参加についての不毛な対立が示すのは、
(中国の国内は言うに及ばす)
これら、世界の指導者の足元で、
各国の国民の間に、深い分裂や亀裂が走り、指導者の意思決定を困難にしていることです。
(TPP交渉参加の前で暗礁に乗り上げる我が国は、最も課題が整理されていない一角)
言うまでもなぐ、この背後には
「1990年代以降の冷戦後の世界競争」により、
経済の分配構造が、これまでにない世界大の規模、速度で変革され
これが、各国の国内にも鋭く反映する現実です。
国境を超えて価値観を共有する人々の結びつきを!
自由、民主主義、市場経済は、言うまでもなく、国境を超える価値観です。
世界経済のグロ-バル化(国境を超えた一体化)は
経済上の再分配のプロセスと並行し、
このことを世界大の規模で、認識していくプロセスにならざるを得ません。
こうした時期、
他方で、ナショナリズム(一国主義)をめぐる軋轢が高まらざう得ないのも
当然のことです。
昨年、領土問題をめぐる軋轢と反日デモの渦中、
訪問させていただいた中国/大連で、心を通じ合わせた現地の中小企業経営者との
年末、年始のやり取りは
「夜明け前が一番暗い …… トンネルの向こうには《別の風景》が広がる」となりました。
現状を冷静に認識し、変革する真の力を!
さて、本年は、下記の言葉が人々の心にしみる年となるのでしょうか?
神よ、
変えることのできくないものを冷静に受け止める心を
変えることのできるものを変革していく勇気を
そして、この二つを識別する智恵を
私たちにお与え下さい。
(ラインホルト・ニ-バ-)
私たちに問われているのは、
すぐには変えることのできないものを正しく認識し
(この期におよんで)
「急がば回れ」という最も困難な道を歩んでいく
(戦略的な)意志であるように思います。
(この文章は、1月9日に書いたものですが
1月10日の日経新聞「経済教室」欄は、細谷雄一 氏の 下記 となっておりました。
「共通利益」、国際秩序の鍵に
地域安定、成長の条件 / 日本はル-ル確立 主導を )
グロ-バルコミッション 田中基茂
東京都大田区山王 4-19-6 4F
TEL 5746-3041 FAX 5746-3081
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