12月21日から、事業廃止した金剛バスに代わる公共交通「4市町村コミバス」の営業運行が始まりました。河南町役場近くでは早朝から準備が始まり、時々雪の舞うなか、旧金剛バスの車両とカナちゃんバスの車両が入り混じって運用につきました。<宮原裕>
(写真:南海バスの車両と近鉄バスの車両が並ぶ富田林駅南口ロータリー)
▽河南町学校給食センター前駐車場 運転手や職員がスタンバイ
12月21日午前5時30分。河南町役場近くの学校給食センター前の駐車場では、河南町職員とバス運転手が出発準備をしていました。金剛バスから買い取り白ナンバーを付け替えた車両が5台並び、うち1台はエンジンをかけ、ドアの開閉テストや車内清掃が行われていました。河南町職員によると、バスの運転手は4時過ぎから来てスタンバイしたといいます。
(写真:出発準備をするバス運転手と河南町職員)
▽多目的広場 町長らが出発式
6時すぎ、うち1台は多目的広場に移動。2台のピンク色のコミュニティバス「カナちゃんバス」の車両と緑色の旧金剛バス車両が並んで出発式が行われました。
「何とかきょう無事に出発して、(運行を)終われるように、安全運転でよろしくお願いします」と河南町の森田昌吾町長があいさつしました。
午前6時13分、河南町の職員も乗り込んで旧金剛バス車両が回送で多目的広場を出発。さくら坂循環線の運行に向かいました。
午前6時21分、今度はカナちゃんバス車両が白木線の運行に向けて千早赤阪村方面へ回送で出発します。
(写真:河南町へ回送されるカナちゃんバス車両)
▽役場前停留所 始発バスは近鉄バス
午前6時18分、河南町役場前停留所に黄色い近鉄バスの車両が姿を見せました。さくら坂3丁目バス停を出発しすでに運行についていたさくら坂循環線の始発バスです。10人を超える町民が乗車していて、富田林駅へ向かいました。
午前6時30分、河南町役場前のバス停ではあられが降り始めました。役場の職員は「融雪剤をまいた方がいいかな」と不安の声を漏らします。
その後雪に変わり、さくら坂循環線の第2便の旧金剛バス車両が到着するころにはほとんど止みました。乗客を乗せた緑色の車両は無事、富田林駅へ向かっていきました。
(写真:さくら坂循環線の始発バス)
(写真:旧金剛バス車両で運行するさくら坂循環線第2便)
▽富田林駅前は各社の車両が並びカラフルに
前日までは金剛バスの緑色の車両しか並んでいなかった、富田林駅前南口ロータリーには、黄色が基調の「近鉄バス」、オレンジがベースの「南海バス」、河南町の桜の模様の「カナちゃんバス」、富田林市を走る青い車体の「レインボーバス」などが並びカラフルな光景が広がります。報道陣やバスファンがカメラを構えるなか、次々に、7つの路線にわかれて運行が始まりました。
(写真:富田林駅前南口ロータリーに並ぶ近鉄バスとカナちゃんバスの車両 12月21日17:23撮影)
▽急ぎ衣替え 旧金剛バス車両
旧金剛バスの車両は、河南町が5台、千早赤阪村が1台を買い取って、新しい「4市町村コミバス」の一員としてこの日から営業につきました。
河南町の路線を走るバスは、車体の緑色の塗装や広告はそのまま。緑ナンバーは、白ナンバーに付け替えられています。側面後方に書かれていた「金剛バス」の日本語標記は「金剛」の2文字が黒いテープで隠され、「バス」の文字だけが残されています。
側面中ほどにあった金剛バスのトレードマーク、ひげ文字の「Kongō Bus」の欧文標記は、「Kongō」の部分に「河南町有償運送車両」という日本語表記のプレートが貼られて、河南町の車両であることがわかります。急ぎ衣替えした車両が、町内を走り始めました。
(写真左:ひげ文字のKongō部分を隠すプレート 写真右:車体側面後部の表示)
了
数年前から金剛バスにハマったマニアです。
河南町は出発式をしていたとは知りませんでした。
今回、金剛バス廃止問題で第2回以降の4市町村協議会を傍聴するなど色々と学ぶことが出来ました。
その中でも河南町が特に力を入れていることが協議会でも伝わってきました。
金剛バス時代同様、今後も継続して運行できるよう撮るだけでなく利用を続けたいと思います。