金剛バスの事業廃止決定が波紋を広げるなか、路線バスの運行継続の対応を話し合う河南町、富田林市など4市町村による協議会の初会合が、10月5日に開かれました。「東山(芸大前)」バス停を通る「阪南線」など5つの路線の維持を目指す方針を打ち出しました。<大坪千成>
(写真:路線バスの運行継続の対応を話し合う協議会の初会合 2023年10月5日午後、河南町白木かなんぴあで)
富田林市、太子町、河南町、千早赤阪村で路線バスを運行する金剛自動車株式会社は、運転手不足などを理由に今年の12月20日でバス事業を廃止すると9月11日に発表。大阪芸大でも、「スクールバスのない日曜や夜間は歩くしかない状況になってしまう」「大学近くの河南町から(交通の便の良い)場所に引っ越す」という声が上がるなど、地元では不安が広がっていました。これを受けて、各市町村の担当者や、バス会社や運輸局の関係者などが集まり、今後の対応を協議する1回目の会合が、10月5日、河南町の「かなんぴあ」で開かれました。
会議の冒頭では、金剛バス事業を廃止することに対し、金剛自動車の白江暢孝社長が「ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ありません」と謝罪しました。
協議会では、各路線の乗車者数などを参考にして、まず通勤や通学などで利用客の多い5つの路線を維持することを目指して、近隣で運行路線を持つ「近鉄バス」や「南海バス」に運行の協力を求める案が示されました。地元自治体が運行費用を出し合い、コミュニティバスの運行を2社に委託することを検討する方針です。
5つの路線は、喜志循環線、阪南線、さくら坂循環線、千早線、東條線。大阪芸大下の「東山(芸大前)」バス停を通る「阪南線」を含んでいます。
(画像:2023年10月7日現在の金剛バス路線図。金剛自動車公式サイトより。)
ほかの路線については引き続き協議し、来月の11月中旬には運行方針を決めたいとしています。
富田林市の松田貴仁副市長は「金剛バスの路線廃止は非常事態だ」として、「一度に路線を回復するのはなかなかに難しいかもしれないが、順次回復していけるようにみんなで力を合わせていきたい」と話していました。
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▽「金剛バス廃止に不安の声 芸大生7割超が『影響ある』」(2023年10月03日)https://blog.goo.ne.jp/oua_journal/e/32b5e1a74f68ae9bf1d280b9addb9b76
▽「金剛バス12月20日で事業廃止 河南町は富田林市などと対応協議へ」(2023年9月11日)https://blog.goo.ne.jp/oua_journal/e/70956d2c12013fe94992332d55e1e676
(写真下:喜志駅前の金剛バス 2023年9月13日撮影)
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