ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

檻の中の家。

2010-05-18 07:53:13 | 建造物入門
 古民家が檻の中に入ってしまいました。解体するらしく、すでに重機やら設備が準備されております。

 どうしても古くなれば、そして利用しなければ、こうした事態になってしまうのです。仕方なしといったところですね。もう随分と利用していなかったのですが、かつては料亭として営業をしていたそうです。ただ昔のことで、料亭として営業していたことは、私も記憶がありません。東の一角だけは居酒屋さんとして営業をしておりましたから、私も随分とお世話になりました。その居酒屋さんも近くに店舗を作りましたから、お役ごめんになったのです。



 堂々たる家で、2段の水切り瓦があります。また料亭を営業していた頃の名残でしょうか、玄関の重厚さは他を圧しております。
 建設するときには何ヶ月も架かったのでしょうが、壊すとなると10日ほど。
 あっけないことです。
 家としては、傾き始め、屋根にも草が生えて軒まで傷んでおりましたから、・・。

 予想される南海地震の問題などを考えると、事前に解体するといった判断が下されたようです。
 少しずつ、かつての風景がなくなっております。
 かつてこの通りには旅館や料亭・飲食店が立ち並んで、金融機関が3店そろっていたのです。賑わっていたのです。その「証し」が又一つ消えることになりました。
 
 こうした事態は高知県東部地域のみならず、全国のまちまちでおきていることでしょう。
 これから元気な街を造ることで、少しでも古民家を残すことが出来たら、いいと思うのですが、未だ無力です。



何か新しい試みが始まることに期待しましょう。
 何か。あるかな?