ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

252年前の訴訟問題

2011-07-13 17:19:56 | 森林鉄道物語
 宝暦9年11月(1759)のことです。土佐藩は田野浦の岡徳左衛門から御用銀400貫目を、年1割5分の利息、期限1年間、で御留山の木材を担保にすることで調達するのです。
 しかしながら、土佐藩は宝暦10年と翌11年に利銀を払ったのみで以後支払うことが出来ずにいたのです。

銀400貫目とは66,666両にもなる大金です。岡家にしても安易に調達できたはずはないのです。今の金額で50億円を越える額かと思います。

 そこで藩は岡家に対し、安永3年(1773)に元利銀の支払いに代えて期限内の伐採権が与えられたのですが、岡家側の都合でそうすることはしなかったと言うか、出来なかったのです。

 確かに土佐藩は御用銀の調達の為、山を抵当に入れていたのですし、完済することが出来なかったのですが、明治4年にはその状態のまま藩籍奉還となったことから、訴訟問題が発生してしまったのです。

 大正3年2月23日(1914)に原告岡嘉文の敗訴となりました。岡家は元利金合わせて1064貫目360匁の権利を失う事になりました。伐採をしなかったのは岡家の都合だとされたのです。裁判所は、山の所有権を移転することではないとしたのです。

155年後の決着でした。

 国有林か民有林かで争われた安芸郡馬路村明所山(あきしょやま)訴訟問題で国側が勝訴となり、昭和4年から魚梁瀬森林鉄道の奈半利川線の工事が始まったのです。途中何年間かの空白を繰り返し、昭和17年11月に奈半利~釈迦ヶ生間が開通、安田川線と合流して、合計84Kmもの循環鉄道が完成したのです。 

 勝手な解釈かと思いますが、この訴訟問題がなければ、魚梁瀬森林鉄道は奈半利川線から先に建設されたのではないかと考えています。なぜなら逆勾配の場所がなくなるからです。

 野根山街道の岩佐の関所で騒動がおきたのは宝暦11年(1761年)5月21日とされています。岡家が土佐藩に資金調達をした2年後のことです。

 参勤交代で土佐へ帰路についていた藩主(8代豊敷トヨノブ)が、5月17日に甲浦について18日・19日に野根山街道を越える準備をしていたのですが、幕府の巡検使が高知からの帰路、奈半利から向かっている旨の連絡を受けるのです。

 一国の殿様も公儀の監察官には一目置いていたというか、遠慮して急遽、幕府の巡検使に道を譲って山越えを諦め、灘廻りとしたのです。海岸を廻って、砂浜や磯を通行したのですが困ったのはやはり一般民衆でした。殿様が急に来るのですし、何より何百人もの行列が押し寄せてくるのです。道普請はもとより接待まで大騒ぎであったことでしょう。賦役が重なると地域住民は負担が大変だったのです。

 全国の大名家では、藩財政の悪化に四苦八苦していたのです。当然ですが、藩の財政が悪化すれば、一般民衆への税負担は厳しくなっていたのです。不平不満が蓄積されて、先行き不安な状態になったのです。

 そうした状況も幕末に向かう大きな流れを生み出す基となっていったと考えています。

 こうした時代に資金調達をして、幕末を経て明治にも出来ずに、さらに大正になってはじめて決着がついたものの、さて岡家はどうしたのか。どうなったのか興味があるところです。
 さらに、どうした理由で木材の伐採をしなかったのだろうか。

 調べてみましょう。その岡家の住宅は、今も高知県安芸郡田野町にあります。

 「岡御殿」として多くの観光客を迎えているのです。


にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 高知県情報へにほんブログ村

山の中の音楽会

2011-07-13 15:52:03 | ちょっといい話。
 今年の11月8日(火)に開催することになった「山の中の音楽会」の打ち合わせのために奈半利中学校に行って来ました。

 お会いしたのは校長さんと音楽担当の先生でした。

 去年までは、当方が勝手に提案をして、学生さん方には楽しんでいただくだけにしていたのですが、今年から音楽担当の先生が変わったことで、学校側の対応が変わってくれたのです。



 もうずいぶんと久方ぶりの中学校でした。
 体育館には太極拳の練習にお邪魔していたのですが、校舎のほうには入る機会がなかったのです。

 今回の協議結果ですが、子供達も演奏に参加することになりました。楽器はリコーダーです。
 私からの提案で、私がソプラノを連れてくること。子供達と競演する曲数を3~4曲とする事になりました。

 リコーダーの伴奏でソプラノが歌う演奏会となります。
 みんなで合唱できる楽しい音楽会にしましょう。

 この山の音楽会はもう7~8回になるんじゃあないかな。
 こんな楽しそうなのは初めてです。

にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 高知県情報へ
にほんブログ村

室戸ジオパーク

2011-07-13 14:20:37 | Vision East
審査が始まったそうですよ。

世界ジオパークネットワーク(GGN)への加盟を目指して活動をしてきた室戸ジオパークを現地審査をするために専門家2名が来高したそうです

 室戸ジオパークは、高知県東部の室戸市全域を範囲とし、世界で最も詳しい研究がなされ、プレートテクトニクス理論を陸上で初めて実証した四万十帯付加体地質などの地質遺産を見ることができる場所なのです。また空海が修行をした御厨人窟や四国八十八ヶ所の巡礼地等もあり、土佐漆喰の白壁・水切り瓦などが特徴的な吉良川町の重要伝統的建造物群などの歴史文化遺産にも接することができる場所だけに、期待しましょう。



 自然にあるものと、人間が生み出した生活文化が融合しており、かつ継続的な維持管理が保証されている場所として評価されようとしているのです。



 確かに室戸の岬にある岩石群は特徴があって印象深いものだけに、室戸が取り組んできたこれまでの努力がキチンと評価されるよう、手を合わせていましょう。


にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 高知県情報へにほんブログ村