物語は一人の女性教員が、校内で事故死したとされる娘が、実は自分のクラスの生徒に殺されたのだと生徒たちに告白するシーンから始まる。
その後、登場人物たちが各々の立場から事件に関する「告白」を連ね、ラストを迎える。
映画はどのように構成されているのか知らないけれど、小説ではとにかく一幕一幕を別々の人が自分の立場で物を語るので、かなり長いこと、女性教員の存在が脇役となってしまう。
最後にすごい存在感を示すんだけどねー。
最初から最後まで、映画の宣伝で散々煽られているような「衝撃」感はない。
ただひたすら「リアルだ」と感じた。
他人を客観的にみると突飛、滑稽、非常識と思われることでも、行動の主体となっている本人の中では全く平凡で理にかなった行動ということはままあって、複数の登場人物の独白を通して、日常的に起こりえる誤解というか、感覚の違いを体感する感じ(上手く表現できない)。
一見自分の意思で行動している人が、実は他人に動かされていたりするのもリアル。
だから、小説を読んでいるというよりは、ノンフィクションのアンソロジーを読んでいるような気分になる。
そんな風に感じる人がどれ程いるかはわかりませんが…。
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