春の日の花と輝く

中小企業で働く女性の日記です。
ぼんやり子づくり→治療開始→なんとか出産

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妊婦に「おめでとう」と言わない理由

2015年02月21日 20時55分37秒 | 日記
昔から近しい人が妊娠した時に思わず「おめでとう」と言うと、後で母から「まだ『おめでとう』じゃないから言っちゃダメ」と言われてきました。

だからそういうものだと思っていたのですが、自分が他の人に妊娠を告げると、十中八九「おめでとう」と言われるのでなんだかモヤモヤしていました。

今は安定期に入ったのでまだいいですが、つわりが辛くて妊娠初期に仕方が無く報告した会社の上司に「おめでとう」と言われた時は本当に複雑な気分になりました。

一応不妊治療もしていたし、つわりが始まったころの週数では不確定要素が多いという事を強く感じていたので。

でもここまでいろんな人が「おめでとう」と言うからにはそっちの方が普通なのではないかと思えてきました。

母はなんであそこまでかたくなだったのかなと疑問に思う事さえありました。

そういえば、母は子どもが生まれた人にもすぐには「おめでとう」と言いません。

新生児はどんな問題を抱えているかわかりませんからね…。

妊婦に対しては「おめでとう」と言っても、出産祝いは遅めにした方が良いと思っている人は多いので、こちらの方は割と一般的な認識なのかもしれません。

で、私は思い出したのですが、母の第一子は生後20日くらいで天に召されているのです。

私が生まれた時から、私の家には仏壇がありました。

結婚してから気づいたのですけど、平均的な新婚二人暮らしの家には仏壇って無いんですよ。

誰かが亡くなるまでは。

思えばその小さな仏壇には、私の姉となるはずだった第一子の位牌しか納められていなかったのです。

当時は、というか最近までは、母が新生児のために仏壇を買ったことも、毎年姉の命日にお墓参りをしていることも、なんとなく「やりすぎ」なような気がしていました(批判的な意味では無く、単に不思議に思っていました)。

でも今なら理解ができます。

毎日大きくなっていくお腹の中身に対する思いは日に日に大きくなっていきます。

「たった20日間」と思っていた母と彼女の関係は、実に一年近く続いていたものでした。

姉が生まれた時から弱かったのか、突然命が尽きたのかはわかりませんが、生まれてから寄り添った20日間は忘れられないだろうと思います。

本当に妊娠・出産と言うのは生まれてくるまでは、そして生まれてきてからも何があるかわからないものです。

それを身をもって体験している母は、子どもが生まれてしばらく経つまではかたくなに「おめでとう」と言わないのでしょう。

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