新幹線で何か軽い読み物をと思い求めた中の1冊「西の魔女が死んだ」梨木 香歩。
映画化され話題となっている小説。
いじめ、不登校、生きる力、自然との共生、スピリチュアル、など。。。内容が今の時代にマッチしている感じ。なるほどベストセラーになる筈だ。文体もとてもよみやい。
いじめをきっかけに不登校になった主人公が夏の間、西に住むおばあちゃんの元で自然に囲まれ過ごすうち生きる力を得てゆく過程を魔女修行というユニークな言葉を与えて描いている。最後にその魔女たる力もちらっと見せて読者を泣かせるあたりはさすがの描写!
読みやすい文体で深いテーマを描く梨木 香歩という作者に興味がわき、他作品も現在読書中。
それが、「裏庭」
河合隼雄さんが成長期には「秘密」を持つもので、それは時として危険と隣り合わせの事もあるような内容を、いろいろな著書でおっしゃっている。外国のファンタジーには「庭」という形でその事をうまく表現されている作品があるとも言われていた。
この「裏庭」という作品は、まさしく秘密の象徴である「庭」を描いた、うーーんと唸る程素晴らしいファンタジーだった。日本が舞台なのに外国的で、テーマも様々含まれ、時空や人も重層的な構造を持つこの複雑な物語りを読み終えるのが勿体無くて、後半からはわざとゆっくり読んでいる。
ますます梨木 香歩さんに興味を持ったので、これを読み終えたら他作品がすぐに読めるように既に次の文庫も用意している。