前回からずいぶん間が空いてしまいました。年度初めも何とかやり過ごし、スケジュール的には少し落ち着きつつあるのですが、
気分的にまだまだ余裕がないようです。私も修行が足りませんね。
さて、本題ですが「生観戦とTVもしくはネット配信での観戦の違い」について、今日は語ってみたいと思います。
なるべく生観戦をしている方、時々見に行く方、あるいは何らかの事情によっていつもTVもしくはネット(ストリーミングなど)観戦の方と
まちまちだと推察いたしますが、もちろんどちらがどうというわけではありません。
しかし、何度か生観戦を経験されている方はよくご存じだろうと思いますが、生観戦での演技に対する感想と、TV観戦での印象や感想は
異なることが多いと思います。
特に最近よく解説者や関係者が口にする「スピード」に関しては印象が異なることが多いです。
そして、これは放送権を持つTV局に対しての不満として私が思うことなのですが、たった4分間程度の演技中に、何度も視点をころころスイッチ
する不思議な手法、これはかなり演技の印象を左右しているように感じます。特に観戦していてさえ時に邪魔に感じるリンク真上からの可動カメラは
TVで幾度も切り替わるたびに気分が悪くなります。何度も視点が変わるのでいらだつ気分の悪さと、コロコロ視点が変わることによって物理的に
気持ちが悪くなるという意味での二重の気持ち悪さです。
言うまでもなく、フィギュアスケートは「スケート」ですから足元が勝負の競技です。上体の動きももちろん必要ですが、たとえばステップの時のエッジワークや
ジャンプの時の踏切りや着氷など、足元の技術が非常に重要であることはファンならだれしも知るところでしょう。
しかし、なぜかTVカメラが追うのは頭上からだったり、あるいは表情のアップなどの撮影手法が度々インサートされています。
しかもその頻度は、選手によって異なるので必然的に印象が異なるわけです。
ここでご参考までに定点カメラと思われる定位置からずっと演技の冒頭から最後までを映した動画をご紹介しましょう。
見やすさ、また今まで抱いていた印象との違いが分かるのではないかと思います。もちろんそれは予断をさて置いてみていただかないといけませんが。
ともあれ、能書きは不要ですね。下記URLからどうぞ。
【Speed Evolution】浅田真央、テレビで伝わらないスピードの進化【Mao Asada】
http://www.youtube.com/watch?v=P_Oqd7ALbCA
いかがでしょうか?
よく浅田選手はスピードがないなどと言われますが、それは真実ではないことがお分かり頂けると思います。
少なくとも、一蹴りでのスケートの伸びや速度は、トップスケーターとして何ら遜色がないことがご理解いただけるのではないでしょうか?
そしてそれはもちろん、他の選手でも同様にTVでは伝わりにくいスピード感や印象があることを類推して頂けるものと信じます。
当然、それぞれの選手が各々大会によって調子の良しあしがありますから、その時により速度もスケートの質もエレメンツの質も異なります。
それはもちろんどの選手も同じです。選手も人間ですからいつもパーフェクトな訳はないですよね。ベストやベターがあるように、ワーストが
出てしまう時もあります。
TVでの放映の他に、動画でいつでも選手の演技を楽しめる、それは快適かつ便利でありがたいことではあります。
もちろん私もその恩恵にあずかっている一人ではありますが、必ずしも動画から受ける印象がすべてではないということは心に留めておく方が良いのでは
ないかと私は思います。
余談ながら、座った席の位置によっても又印象が異なるので、その辺もまた加味しておくと一層「実際にジャッジに判定されるであろう演技」に近い印象を
思い描くことができるのではないかと考えるのです。
一度でも生観戦あるいはアイスショーでの生鑑賞を経験されている方には今さらかもしれませんが、自分の中での印象の違いをまとめる意味でも一度記事に
しておきたかったので、語ってみた次第です。
それぞれのご事情があるでしょうし、また会場のキャパシティの問題もありますのでいつもどなたにでもお勧めできることではありませんが、やはり生観戦
(あるいは生鑑賞)ならではの醍醐味は個人的に大変大きいと思います。
私にも私的な事情により頻々と観戦もしくは鑑賞できない理由があるのでごくまれにはなってしまいますが、是非ともまた会場に足を運んで実際の演技に
触れてみたいと強く願っております。