歌うように語ろう

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ミニマムスコアとスケ連の五輪代表選出基準

2013年06月21日 | フィギュアスケート

6月も下旬ということで、ぼちぼち来季(7月~)の情報が出てきました。

まずはISU発表のTESミニマムスコアから。4CC、ユーロ、五輪の基準とワールドでは異なります。

<ユーロ・4CC・五輪>

男子 SP 25.00  FS 45.00

女子 SP 20.00  FS 36.00

ペア SP 20.00  FS 36.00

ID  SD 18.00  FD 28.00

<ワールド>

男子 SP 34.00  FS 63.00

女子 SP 26.00  FS 46.00

ペア SP 24.00  FS 41.00

ID  SD 28.00  FD 38.00

 

今季(2012-13)もそうでしたが、ワールドのミニマムが結構高めなんですよね。

反対に五輪は4CCやユーロと同じで低め。まあ、五輪など参加するのに意義がある代表が大半ですから(それでも出場できるだけでも

十分すごいんですけども)それでOKだと思います。むしろワールドが高すぎるような。

 

そして国内では日本スケ連から五輪他の代表選出基準が発表になりました。

とりあえず五輪代表選出基準(男女シングル)のみピックアップします。

 

オリンピック代表選手選考方法
男女シングル選考

全日本選手権終了時に、オリンピック参加有資格者の中から、以下の選考方法で決定し、フィギュア委員会へ推薦する。
① 1 人目は全日本選手権優勝者を選考する。
② 2 人目は、全日本 2 位、3 位の選手とグランプリ・ファイナルの日本人表彰台最上位者の中から選考を行う。
③ 3 人目は、②の選考から漏れた選手と、全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本人上位 3 名、
ISUシーズンベストスコアの日本人上位 3 名選手の中から選考を行う。

基本的に全日本重視であることがよくわかります。まあ、GPシリーズを重視しすぎると前半にみんなピークがきてしまって

後半で息切れということにもなりかねないので無難と言えば無難なのかもしれませんが、一つ疑問が。

トリノ、バンクーバー、そしてソチとどうしてこんなに毎回コロコロ選抜基準が変わるんですかね~。

まあ、連盟内部も派閥とかあるようなので、大人の事情とかあるんでしょうが、いずれにしてもワールドならともかく

4年に一度の五輪代表の選抜で禍根が残ることが無いよう、公正な選出がなされるようにと祈るばかりです。

特に、ずっと休まず頑張ってきた選手の努力が報われるように願ってやみません。


生きることの意味 死ぬことの答え

2013年06月06日 | 雑感

GPシリーズのアサインも出たので何か書きたいのはやまやまなのですが、ちょっと気力がわいてきませんので手始めに?雑談など。

 

実は先月に父が他界いたしました。

ここ2年ほど少しずつ老いが急速に進み、そして直近の1年ほどを寝たきりで過ごしましたのである程度覚悟は出来ていましたが、

かといってやはり本当にいなくなってしまうと感情の整理はなかなかつくものではないと今更ながら実感しております。

 

詳細はSNSではない場ですのでここでは割愛いたしますが、父のターニングポイントになった戦争と帰還後生涯追い続けた「生きることの意味」を

最期まで父は問い続け生を全うしたと私たち家族は承知しております。

 

あまりにも簡単に命が失われていく昨今、世間の子供たちも簡単に「死ね」「死んでやる」と言ってのけます。

しかし人のみならずこれだけは誰しも平等に、命は一つだけです。途中下車して再び乗り換えなどできないのです。

人生はゲームではないし、リセットボタンなどどこにもないのです。

こんな傾向は身近で人の生き死にを見ることがほとんどないゆえの想像力の欠如から来るのではないかと私は思います。

 

生きていれば格好悪いことや苦しいことなど山のようにあります。むしろ楽しいことの方が少ないと言っていいでしょう。

父も最後の一年は本当に苦しそうでした。見ているこちらも辛くなることがしばしばでした。

それでも父は最後までその生を尊厳を持って全うしました。

おそらく最期の瞬間、後悔はなかったものと信じています。

 

父を見守り、母を支えるために兄弟や甥姪も協力しました。

私たちは異母兄弟ではありますが、最後に父はより兄弟の繋がりを、家族の絆を強くしてくれたと思っています。

父は最後に生き抜くことの苦しみと誇りを私たちに見せてくれたように感じています。

 

視線を世界に転じれば、紛争は絶えることなく罪もない人々が数多く亡くなっています。

父はまだ医療と介護を受け、家族に看取られ息を引き取ったのですから恵まれている方でしょう。

だからといって悲しみが簡単に癒えるわけではないですが、身近な人の死にまた対峙した時に、その人生に思いをいたし

今一度命とは何かと自らに問いかけ自分も生を全うしなければ、見送っていった命に恥ずかしいことだと思うのです。

 

いつか私が最期を迎える時に、自分に恥ずかしくないように。日々を真摯に生き抜きたいと思った次第です。


2012-2013シーズンのまとめと五輪シーズンへの展望(男女シングル編)

2013年06月01日 | フィギュアスケート

前回エントリーからかなり時間が空いてしまいましたが、男女シングルについても上位陣についてまとめと私的展望を

語ってみたいと思います。

まずは男子から、選手ごとに今季の傾向と所見、そして来季の展望という流れで参ります。

 

(羽生結弦選手)

*SPで顕著だが、特に前半から安定した好演が続いたためPCSも安定して高めに出た。

 4Tの確率は高いが、3Lzが不安定なのが懸念事項に見受けられる。演技後半のスタミナ問題は少しずつ改善されつつ

あるのではなかろうか?

 4Sに関してはもう少しだと思われるので、とにかく実戦練習あるのみかと。ソチに間に合うかはわからないが、

技術的に大きな問題点はあまり見受けられない。むしろ、怪我や体調不良などのコンディション調整が彼の場合最大の

問題点であろう。

 怪我やぜんそくなどの大きな体調不良さえ抑えられれば、五輪でも活躍は期待できるのでは?うまくいけば

表彰台も夢ではない。十分可能性はあるだろう。

 ただ、日本スケ連が二枚看板で行くのかあるいは高橋羽生両選手のどちらかにプッシュを絞るのかによって

展開は大きく違ってくる。

 いずれにしてもスケ連には多くを期待できないであろうことは賛同いただける方の方が多いかと考える。

 

(高橋大輔選手)

*シーズン前半も必ずしも絶好調ではなかったが、後半の失速がかなり懸念される。

まずは4Tの成功確率の低さ、また3Aも必ずしも確率が高くないことでTESが十分稼げないのが痛い。

シーズン途中からのSP変更など、試行錯誤の後は見受けられるがまずは現状の男子トップ陣においては

4Tを最低でも1回(できれば2回)はクリアに決めたいところだろう。現状は正直厳しいように見受けられる。

逆にスピンなど他のエレメンツではあまり心配はしていないが、しいて言うなら体力が落ち始めているのではないかと

いう懸念も否めない。もしこれが私の見当違いならばよいのだが、事実ならば再び表彰台は厳しいかもしれない。

いずれにしても本人が納得できる有終の美を飾って欲しい。

 

(ハビエル・フェルナンデス選手)

*2種の4回転を武器に調子がどんどん上がってきているように見受けられる。なかなかミスなしでまとめられることが

少なく、崩れるときは豪快だったので昨季まではどうかと思ったが、今季は波はあっても大きく沈むこともなく、4Sの確率も悪くない。

3Aもほぼ決められるのでTESでの点数獲得は大きな武器だろう。あとは更なるブラッシュアップをはかれば、欧州選手権覇者として

ソチの表彰台の一隅を占めることも現実的なこととして考えられそうだ。

 

(パトリック・チャン選手)

*2012-2013シーズンは不安定気味ではあったが、更なる伸び幅として表現力に磨きをかけようとした過程におけるやむなき

ステップだったのかもしれない。

とはいえ、クリスティコーチと決別して以降4Tはそこそこの確率で決めるものの、3Aは依然として不安定で3Lzも怪しくなっているのは

不安定要素ではある。

2013ワールドでは辛くも逃げきって連覇を果たしたが、現状では他の選手との差はあまりなくなってきているように思える。

ソチでは表彰台を逃す確率はまずなさそうだが、ミスの多さによっては金を逃す可能性もありうると見る。

五輪シーズンには今季のプロを片方持ち越しと聞くので、とにかくミスを抑えて先行逃げ切りを狙う戦略と推測する。

 

 

以下は女子。

(浅田真央選手)

*ジャンプのみならずスケーティングまで含めた抜本的見直しはここに来て仕上げの段階に入って定着しつつある、そう実感させる

シーズンだったと思われる。6戦5勝は堂々たる結果だ。

しかし3Fや3Lo(2Lo)が回転不足を取られやすいことなど課題ももちろんある。だが、総合力について抜群の強さもあり、後は

腰痛が悪化しないことなど体調管理とピーク調整さえできれば心配はないだろう。

集大成のシーズンとして、ジャンプ構成を今後はいじらずひたすら滑り込んでいくのではないだろうか。ここ数年、2月の戦績及び内容が

良いので、ソチでは期待したい。

 

(村上佳菜子選手)

*序盤は昨季の不調を引きずり気味に見えたが、シーズン後半に向けしり上がりに調子がよくなっていったのが今後を期待させる材料になった。

そろそろ体型変化も落ち着きつつあるのではないだろうか? 

相変わらず2Aの抜け癖が直らないが、他にはスピンも安定して得点できており、序盤はその斬新さから心配されたSPでのステップから始まる

演技も後半に連れてまとめていったところを見ても五輪シーズンは更なる安定も期待できそうである。3連続がほとんどミスなしなのもよい。

本当にアクセルと仲良くできればさらに一歩前進できそうだ。ソチにはまず行けるだろうし、入賞も期待できるのではないだろうか。

 

(鈴木明子選手)

*国内では評価が高いが、海外の国際試合ではあまり評価は高くない。特にPCSを見比べれば顕著である。

 3LZが不安定だが、3Fも不安定でFSにミスが多く弱いのが気にかかる。ことにシーズン後半の出来がよくなかったのが懸念事項だ。

 年齢的にもそろそろ厳しくなってくる頃なので、技術面もだが体力面が心配である。エッジはルッツフリップともフラット傾向にあるので、

 コーラーによってはまた両方でeの可能性もある。

 彼女も五輪シーズンが集大成とのことなので、最後に納得の演技で〆られることを祈る。

 

(アシュリーワグナー選手)

*全米を2連覇し、GPシリーズでも2勝するなど今季も安定した結果を出せたが、難易度はプレシーズンにも上げられないままだった。

セカンド3Tはおそらく断念して五輪に挑むのではないだろうか。ソチで表彰台は厳しいかもしれないが、出場すれば入賞は固そうだ。

彼女についてはソチ五輪後の去就は不明だが、ゴールド選手など国内の若手の台頭の中でも切磋琢磨して健闘してもらいたい。

 

(アデリナ・ソトニコワ選手)

*昨季よりは安定に向かいつつある萌芽がみられたシーズンだったように思う。エッジ矯正をしたのか、今度は3Fが不安定なのが

懸念事項か。ロシアの連盟は彼女を押したい意向がずっと見えるが、ジャッジは今一つ評価を渋っているようだ。カナダやドイツの

嗜好とは外れることもあるのだろうか。

良い選手であることに疑いの余地はないが、プレシーズンに結果を残せなかった前提条件を鑑みるに、地元ソチでのメダル獲得は

極めて困難だろう。むしろ次のピョンチャン五輪ごろにはトップ選手に成長しそうな大器と思われる。2014-2015以降の活躍に

大いに期待したい。むろん前倒しで活躍でも大いに結構なので注目したい選手の一人だ。

 

(カロリナ・コストナー選手)

*今季は出場試合が少なかったが、転倒の確率が異様に高かった。以前から転倒しやすい選手だったが、ジャンプ構成を下げても

まだ転倒は避けられないことが多い。スケーティングなど素晴らしいものを持ってはいるが、PCSなどかなり高いなと感じた。

今季の結果から見ても、救済しようのない崩れ方でもしない限り彼女はソチで初めてのオリンピックメダルを獲得しそうな気配ではある。

 

(キム・ヨナ選手)

*彼女については何をやっても高得点が出る傾向にあるので、ソチでもメダルはすでに織り込み済みだろうと思われる。

正直、彼女を賞賛する一番の売りとして言われる「表現力」はFSのレ・ミゼラブルを見てもさっぱり不明だが(ミュージカルの

レミゼは何度か観たが、あれがコゼットとは言われるまで全くわからなかった。聞いてもどの辺がコゼットか不明のままだが)

いろんな意味で別枠の選手らしいのでその演技内容については好悪の域を超えて語るべきものがない。

 

 

以上、男女とも特に有力選手(?)のみピックアップして今期から来期への展望を語りましたが、むろんこの他の選手たちの活躍にも大いに期待したい

と思います。

バンクーバー五輪以降も引退せずに活躍してきた選手が多かっただけに、ソチ五輪を機に引退する選手が多くなりそうです。だからこそ、それぞれの

選手にとってのベストが五輪に来るように、彼らが笑顔でリンクから降りられるように願ってやみません。

そして、正当かつなるべく多くのファンが納得できるジャッジングを強く望みたいと思います。

 

 

以上。