歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
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勘違いと妄想と発散の捌け口にしないでください

2015年05月07日 | フィギュアスケート

最近、残念ながらフィギュアスケートから自分の心が遠ざかりゆくのを感じます。

どうせお気に入りの選手が出てないからだろうとか揶揄されるかもしれませんが、それは違います。

家族にも笑われましたが、結局浅田真央さん休養中も私は見られる限りの試合を(TVではありますが)観戦しましたし、

情報も収集していました。

ならばなぜ心が遠ざかりゆくのかといえば、選手や関係者叩き、ひいては特定選手、特に浅田選手と羽生選手への

度を越した叩きが見受けられるからです。ことにこの二人については当人のみならずそのファンも執拗に叩かれています。

他の選手や元選手もそういった傾向はありますが、ことに酷くやられているのがこの二人とファンだと思います。

 

私は元から女子シングルが一番のお気に入りで、次に男子シングル(やアイスダンス・ペア)を見るくらいのファンでしたが

なんだか年々選手とファン叩きがエスカレートしているのを感じます。拠点が海外の羽生選手や、何をされても文句を言わない

浅田選手はいじめやすいのかもしれませんが、だからといって叩いてもいいことにはなりませんし、ファンも同様です。

 

マナーのことに絡めてファン叩きをするケースが最近とても多く見受けられますが、若い選手のファンだからマナーがなってないとは

言えません。以前にも私は書きましたが、ベテラン男子(元)選手のファンに直接迷惑をこうむったこともありますし、マナーの問題は

誰のファンかではなく、個々の問題だと以前から私は確信しています。

にもかかわらず、いまだ止むことのないファン叩き。古いケースでは「村上佳菜子選手を叩いたのは真央ファン」などと断言した

ブログも見て唖然としましたし、最近は「真央ファンの一部は安藤さんに嫉妬している。もう安藤さんは引退したのだから認めるべき」

など……。

両方とも、具体的な論拠など示されていませんし、そもそも私もそんな現象は見たこともありませんしそれぞれ被害妄想かねつ造だと

推測しています。お二方とも私のブログなど見ていないと思いますが、万一ご覧になったのならぜひとも根拠を示していただきたいものです。

 

そして上記のような選手&ファンたたきの他にもIJSおよび審判至上主義、採点に疑念を持つことすら許さない採点原理主義者と、

フェアジャッジ要望派やFPUを中心とする採点疑問派の仁義なき戦いにもほとほと見ているだけで疲れてしまったということもあります。

私なりに演技も沢山見ましたし、プロトコルなど小山ができるほど手元にあります。もちろんコミュニケーションやハンドブックも持ってますし、

異を唱える前には何度も演技もプロトコルも見てきました。その結果として、もちろんすべてではないけれど疑わしき採点はあるというのが

私のスタンスです。ただし、真っ黒だとまでは言いません。ほぼ妥当かなと理解の範疇に入る採点の方が半数以上あります。

それで私が思うのが「組織としては終わっていても、ジャッジの仕事まで全て否定することはできない」ということです。

黒ではなくグレー、それがこの一年近く私がゆるくフィギュアスケートを見てきて感じたことでした。

結局、採点競技の限界と興行志向の行き着いた現実が今のフィギュア界なのではないかと思うのです。

 

そんな中で、選手やファンを個別に叩いてみたところで何になるのでしょう?

ましてや明白な証拠や感情を退けた冷静な考察すらなく、○○は守られたのに△△は叩かれてなどと誰か別の選手が叩かれた恨みつらみを

他の選手やファンに押し付けるのは卑怯ではないですか?

報道のスタンスや環境の違いを恵まれた選手の所為にして何か変わりますか? 変わるわけないですよね?

しかし残念ながら、いまだにあらゆる方向から怨嗟の声が上がり広がっていくのを見ていると正直うんざりせざるをえません。

スポーツとしては華やかで美しい競技であるはずなのに、この醜さは一体おさまるのだろうか? 自浄作用はないのか?

 

残念ですが、まだしばらくは収まりそうもないというのが私の悲観的な考えです。

幸か不幸か、来春まで娘の受験サポートと仕事で忙しいので競技会場にもアイスショーにも出向くことはありません。

その間にもう少し、距離を保ちながらフィギュアスケートの行く先とそれを取り巻く皆さんを見守っていきたいと思います。

また戻ってくるのか来ないのか、私にもわかりません。しかし20年以上も見てきたフィギュアスケートを嫌いにはなりたくないですし、

ファンの皆様もスタンスの違いはあれど、少なくとも一人は好きなスケーターがいるでしょうし、それよりもっと多くの競技ファンも

いるはずだと信じています。

 

スケーターがフィギュア(図形)を描く氷に唾やどす黒い穢れがこれ以上まき散らかされませんように。

そして根拠なき叩きがもっと減りますように。

そう祈りつつ私はもう一歩フィギュアからしばらく遠ざかることにします。

 

 

今後も不定期亀更新になりますが、当分の間フィギュアについての記事は書かないことといたします。

次はおそらく観劇の感想記事になると思います。

 

それでは皆様お元気で。ごきげんよう。

 

 


盲目信者とモラルハザード

2014年08月30日 | フィギュアスケート

ツイッターでちょこっとつぶやくだけにとどめておきたいネタだったのですが、危惧したとおりに問題の本質から目をそらし、

四方八方を攻撃しまくる困った人も出てきたのでやむなく?記事にしたいと思います。

とはいえ、渦中の人物を面白おかしく語るのが目的ではありませんので今更ですがアルファベットで伏字にしておきます。

(まあホントに無意味な気がしますが、一部のカミツキガメのような方々への対策です)

 

件の文春マターですが、私はこの事件のみならずここまで起きた様々な事件や疑惑を考察するに、日本スケート連盟(ISUもですが)は

とうにモラル崩壊でどうにもならない伽藍堂組織になっていると痛感しています。

いや、伽藍堂ならまだましかもしれませんが、各々の派閥争いや利害関係が交錯し、もはや選手のための団体とはおよそ言えないのではないでしょうか。

 

渦中のT選手ファンはひたすら話題が人々から忘れられ沈静化を望んでいる方が多いようですが、心中はお察しすれどもそれでは問題の本質は

全く解決されないままであろうと思いますし、加害者たる当事者も真の意味で反省などしないでしょう。口先だけのあるいはポーズだけの謝罪なら

サルでもできますよね。このままならいつまた被害者が出てもおかしくないでしょうし、またおそらく出るでしょう。

 

以前体罰問題の時にも思いましたが、連盟の人々もスケート関係者(選手、コーチなど)も世間の常識からはかなりかけ離れた独自の常識の中で

生きているように見えます。

現在の教育現場のように廊下に立たせただけで体罰とまで直結するのは行き過ぎかもしれませんが、体罰や暴言が当たり前であったり(しかも

他の指導者がそれを擁護したり)あげくにパワハラ・セクハラを堂々と行ったあげくに「相手は気にしていない。うちでは当たり前」と嘯くのは

少なくとも文部科学省の指導下にある団体として著しく問題があると断ぜざるを得ません。

また、私が恐れるのは加害者一人のみを処分し(まあそれすらなさそうですけど)他の見逃した面々は口をつぐんで知らんぷりで無罪放免という

意識の低さ、世間の一般常識やモラルとかけ離れた有様が続行し、深化していくのではないかということです。

 

このような記述をすると被害者とされるT選手のファンに猛抗議されるかもしれませんが、もはや彼(と加害者)だけの問題ではないと私は思うのです。

せめて上層部や役員に数名でもおかしなことはおかしいと声を上げる志を持った人材がいれば救いもありましたが、それは期待できないことが

今回の事件で明るみになりました。

 

前述のとおり、もはや事は一人の被害者だけの問題を逸しています。まだ連盟所属の若い選手が全国にたくさんいるにもかかわらず、問題の

本質――すなわち「モラル意識の著しい低下(あるいは欠損)」に着眼し、連盟の人事を刷新すべきではないかと私は考えます。

単刀直入に言うと、日本スケート連盟の解体および外部からの人材受け入れをすべきだと思います。

 

本来私は「~すべき」という強く口調は好みませんし、正直に言うならば本当は使いたくない言葉です。強硬で押しつけがましさを感じる言葉で

あるからです。しかしそれでもあえて使うのは、事態が非常に深刻かつ重大であると考えるからです。

今回はたまたま被害者が成人でしたが、次に似たような事案が未成年で起こらないとだれが断言できましょうか? また、再発しないとだれが

言えるでしょうか?

 

問題は「セクハラ・パワハラ」ではなく「モラルハラスメント」にこそあります。世間の非常識とも疑わず狭い井戸の中でぬくぬくとしている

場合ではありません。また、特定選手だけを守ればいいという問題ではもはやないのではないですか?

守られるべきは、サポートを受けるべきはすべての選手ではないでしょうか? 本来会長以下、スタッフは選手を支えるいわば黒子に徹する

志を持たずして、どうして選手にベストパフォーマンスを期待できるでしょうか?

満足なサポートもせず歪なムラ意識の中で好き勝手しても選手が勝手に育ってメダルを獲得してきてくれると思っているとしたら思い上がりも

はなはだしいですし、ましてや「スターは自分たちが作れる」に至っては噴飯ものの勘違いです。選手は鵜飼の鵜ではありません。

 

トリノ五輪からソチ五輪までのおよそ8年ほどの間、日本のスケート界はフィギュアを中心に空前の盛り上がりと実績を見せましたが、その功績は

主に選手にあるのであって、スタッフをふんぞり返らせたくて選手は健闘してきたわけではありません。また、その人気を支えてきたファンも

連盟の人々や関係者を儲けさせるために会場に足を運んだわけではありません。ひとえに選手あってのことです。

 

傷がもっと浅ければ「襟を正せ」で済んだかもしれません。しかし事ここに至っては、もはや組織の一新にしか期待できるものはないと私は考察します。

異論・反論はあるでしょうが、清濁併せ呑みながらも様々な選手が生まれ引退していった年月を思うにつけ、私は憤りとむなしさと共に上記のように

考え、ひたすら祈るのみです。

全ての選手が正当にサポートされ、守られますようにと。


勝ち馬乗りと自称良識派の欺瞞について考える

2014年07月26日 | フィギュアスケート

THE ICEなど各種アイスショーやイベントで盛り上がっている時にこんな記事もどうかと思いますが、ちょっと最近本当に妙な空気を感じるので

(特にフィギュアファン界隈で)少し思うところを書いておきたいと思います。

 

私は参加していませんが、いろんなブログを見に行くときに「ブログ村」経由で行くことが良くあります。

お気に入りのブログはブックマークしてありますので、時々見ようかなと思う頻度で見るブログはそのサイトを利用しているのですが、

いつの頃からかファンを自称しつつも特定の選手について叩きスレスレの言いたい放題ないわゆる「ファンなりすまし」なブロガーが

増えたなと感じます。

最初から〇〇は嫌いですと謳っていればその選手のファンはそのブログを避けるでしょうが、あたかもファンサイトであるかのように自己紹介しておいて

中身は自称辛口の批評ばかりでは看板に偽りありだなと感じます。

まあ、私の場合はそういったところは以降なるべく避けるようにしていますが、自覚があるのかないのか(本当は確信犯だと思いますが)

いまだに釣りよろしくファンを騙り挙句に特定選手のファン叩きをしている人は正直良識を疑います。

ところがそういうブロガーさんは自分を良識派だと思っているらしいですね。全くもって自分の姿こそ見えにくいものだと思います。

ああこれは、私を含めての一般論ですが(ただし私は自分が良識派とは主張しませんけども)

 

そして上記について更に突っ込んで書くならば、いつからか浅田真央選手を筆頭に、選手に対して好き勝手に言いたい放題で構わないと

思っている方が増えているのではないかと懸念しています。

もちろん我が国では言論の自由が(ある程度は)保障されておりますし、誰しも自分の意見や信条を主張する権利もあります。

しかしそれと同時に、常に周囲への配慮や特に個人に対して物申すときは細心の注意が必要ではないかと私は考えています。

フィギュアスケートの試合やショーがたくさん放送されるようになり、様々な人の注目を集めるようになったことはいいことでも

あるでしょうが、一方で誰彼かまわず毒をまき散らしても構わないと勘違いする人も出てきてしまったのは残念なことだと思います。

上記のキーワードで特定ブロガーを想定される方がいらっしゃるかもしれませんが、特定の方を批判しているのではなく、その

「風潮」について私は懸念を示しているのでそこは誤解無きようにお願いします。

 

昨今の露出の多さでつい失念されがちですが、トップスケーターたちのほとんどがアマチュアであり、また学生である選手も多いです。

そのような若い人たちを捕まえて、些末な一言や一挙一動をあげつらい、衣装から何からネチネチと姑根性丸出しで語ることが

彼らの応援に繋がるでしょうか? あるいは本気でアドバイスになると思うのでしょうか?

選手に直接ダメ出しをしないだけまだ害は薄いかもしれませんが(信じがたいことに選手にダメ出しの手紙を出す手合いも存在

するようです。以前やんわりと某選手が示唆していましたので)かといってさながら選手のコーチか親でもあるかのように上からの

物言いをする方には私は懐疑心を抱かずにはいられません。

疑問に思う心は自由ですが、たとえコメントに残らなくてもブログは不特定多数の方が見るものです。言いたいことを封じる必要はありませんが、

読者に不快な思いをさせない心配りは必要ですし、同時に選手たちへの敬意も忘れてはならないと私は考えます。

それこそノービスやジュニアの選手などは私の娘と同年代かそれ以下のことも多いですが、真摯に一つの事に打ち込む姿や時にその

心情を何気なく吐露した言葉にはいくつになっても学ばされることが多いです。

Webの向こうでひょっとしたら選手本人が自分の文章を読むかもしれないと考えた時、少しでも呵責を感じることのないように書こう。

これは私の信条です。まあ、他の方には押し付けられませんが、賛同して下さる方が多いといいなとは思います。

 

ところで、だいぶ前から噴飯ものだと思っているところなのですが、採点は正しくジャッジは神様のようにすばらしくて…(面倒なので以下略。

いわゆるキムチ派と呼ばれる方々のことですよ)な信仰をお持ちの皆様は一様に採点に疑問を持つ人(私もそのクチなんでしょうね)に対し

陰謀論者というレッテルを貼るのが大好きなようですね。そしてさらに言うなれば陰謀論者は特定選手のファンばかりだと思っているようです。

 

私に言わせれば、そういった方々は思考停止した盲目的採点信者ではないかと思うのですが(笑)

採点に疑問を持つのはなにも特定の選手のファンに限ったことではないですし、外国のフィギュアファンや関係者など多岐にわたります。

そういった方々がみんなそろいもそろって特定選手のファンだとしたらそりゃびっくりですよねー。事実、国籍も立場もまちまちですし、

誰が贔屓だとかそんなことを超えて、おかしなものにおかしいと主張しているだけであってそれ以外の共通点はたいてい無いです。

強いて言うならフィギュアスケートファンという当たり前の前提位ですね。ファンだからこそ、見た目と大幅に乖離した採点や複雑な

プロトコルにも向き合うわけですから。

俗に「政治と宗教と球団(野球)は話題にするな」という教訓じみた言葉もありますが、まずはキムチ派…もとい採点マンセー派の皆様も

採点に疑問を呈されたからと言っていちいちカッカして疑念を抱く人たちを攻撃したりせずに、彼らが心から納得できるような論拠を

示してみてはいかがでしょうか?

そんな義務はないと言われたらそれまでですが、信条・信仰の自由がある以上相手に片っ端からレッテルを貼って攻撃してばかりでは

ますます疑問を抱く多くの方々とは溝が開くばかりだと思いますよ。

あとついでに言わせてもらうならば、多くのメダルホルダーの選手に対してまで上から目線で物申すならばそれこそ慎重にかつ正確でなければ

全くもって信憑性がありません。ほんの数秒の荒い動画で見たことにまでダメ出ししている信者の親玉様を見ていましたら(これじゃ納得させて

もらえるはずがないわ…)とがっかりしたことも併せて綴っておきます(笑)

まあ、A選手はあれも駄目これも駄目だけどB選手に関しては全てスルーという点だけでも華麗なるダブルスタンダートすぎて問題外ですけどね。

 

あ、ちなみに最後の方はご立派な専門家様のようですので一般個人(ファンサイトやブロガー)とは別扱いで私なりに辛口で言わせて頂きました。

もっともこのようなブログなどご覧にならないでしょうし、たとえご覧になったところでレッテルを貼って終わりでしょうから痛くもかゆくもないでしょう。

ですから手加減無用と判断しましたので悪しからず。(一応お名前だけは伏せておきましたけどね^^)

 

以上


解説者の品格

2014年04月24日 | フィギュアスケート

お久しぶりでございます。

そろそろのんびり更新を再開しようかと思いつつ、いくつかのテーマについて最近は簡単なメモを取っていました。

それでこのテーマからというのもなんですが、まあ私の思うところを簡単にさらっとまとめてみようかなと思います。

一時期の品格ブームに乗っかろうというわけではないですが、来季以降解説者の入れ替わりがあるかもしれませんのでその前にね。

それというのも、このところ続く国内外トップ選手の引退や休養、また荒川さんの産休(?)などもあり変動があるかなと思った次第です。

 

さて皆様、フィギュアの放送を見るにあたった解説者に求めるものはいったいなんでしょうか?

見る側が初心者か、あるいは知識を持ったフィギュアファンかによっておそらく求めるものは違うだろうと思います。

また当然同じく知識を持ったファン同士であっても意見は異なる可能性もあります。テレビ放送にどこまで期待しているかにも

よりますしね。

ちなみに私の場合は演技中にだらだらとしゃべりすぎないこと、選手によってあからさまな温度差(好悪の差)を出さないこと、

またすべての選手に対し愛情と敬意を持っていてほしいこと。こんな感じでしょうか。

 

率直に言って、このような希望に応えてくれる解説者は国内には少ないと言わざるを得ません。特に女子解説においては

自分(解説者)の好悪の情があからさまに出る方が何人もいらっしゃるのが非常に残念だと思います。

確かに彼女らも元選手として現役の選手たちにいろいろ思うところはあるのかもしれませんが、自宅でソファーにひっくり返って

ブツブツ言っているわけではなくそれこそプロとして報酬を得て実況席に着き語るのですから、感情を垂れ流したりいい加減なことを言われては

見る側はたまったものではありません。

とにかく最低限、冷静になるべく自分の好き嫌いはさて置いて目の前の演技について聞きやすい解説をお願いしたいところです。

もちろん技術的な解説も必要ではありますが、聞いていて不快な解説なら会場音のみを私は迷わず選択します(可能な時のみですが)

 

多くのファンの方がそうしていらっしゃると思いますが、私もお気に入りの演技をまた見たい時は海外実況の動画を見ることにしています。

残念ながら国内解説で何度も視聴に耐えうる解説は極めて稀なのが実情であると言わざるを得ません。

海外の実況では日本の熱心なフィギュアファンに対してもよく言及がありますが、そういった人々のニーズに日本の解説や放送はどこまで

応えようとしているのか、この数年疑問に思うばかりです。

わざわざ字幕付きの解説を聞きながら海外の放送の動画を(日本で放送があったにもかかわらず)見た方が快適だというのは誠に残念だと思います。


ソチ五輪フィギュアについて、およびISUとIOCへの三行半

2014年03月02日 | フィギュアスケート

もうソチ五輪が終わって1週間以上経つわけですが、何とも気分の悪いオリンピックでした。

羽生選手の金メダルについては素直に快挙として素晴らしいと思いますし、順位に異存はありませんがご本人が一番おっしゃっているように

「悔しい金メダル」だったと思います。しかし羽生選手の場合19歳という若い年齢にして頂点にたどり着いたことに甘んじず、その内容に

冷静に自省してさらなる高みを目指している姿勢は非常に頼もしく思います。今後、おそらく日本のフィギュア界を引っ張っていく存在として

健康に気を付け頑張って欲しいと思います。

チャン選手はFSの途中まで十分金メダルの可能性があったと思いますが、あれだけのミスが出てしまうとさすがに金には届きませんでした。

とても悔しい思いをしているでしょうが、世界選手権には来ない予定と聞きます。理由は分かりませんが残念です。

そして個人的に驚いたのがデニス・テン選手がFSでまとめてきたことでしょうか。今季、あまり体調不良でほとんど試合に出ていなかったにも

関わらず、オリンピックでしっかり調整してきたのはすごいことだと思います。ただ、羽生・チャン両選手と違って団体戦には出ていませんので、

個人戦にそれだけ照準を合わせられたというメリットもあったのではないでしょうか。

町田選手は個人的に大健闘したと思っています。団体戦の際には連盟役員に心無いことを言われたという話も聞きますが、ワールド未体験で

五輪5位入賞は上出来ではないでしょうか。

高橋選手は結局、本番まで足の具合が治らないままだったようですが…、いろいろ試行錯誤した上でも精一杯の演技だったのだろうと思います。

個人的にはSPはともかくFSのビートルズメドレーはいまだにぴんとこないままなのですが(個人の趣味の問題ですので悪しからず)ワールドでは

少しでも良い状態で臨めるといいですね。それでも6位入賞は彼の意地を示したと思います。お疲れ様でした。

 

ペア・アイスダンスは織り込み通りというかほとんどの方が予想した通りの金メダリストが誕生しましたが、アイスダンス3位とペア2位にもロシア勢は

ちょっとロシアが頑張りすぎたような気がします。特にアイスダンスは個人的にはフランスのペシャブルがとても良かっただけに非常にもやもやしました。

 

女子は当初の下馬評を大きく覆す結果となりましたが、こちらもロシアの作戦勝ちなのかなと思いました。

ソトニコワ選手のPCSには正直納得のいかないものがありますが、もともと彼女は粗削りながらもオールラウンダータイプでジャンプが決まればスピンなども

いいので、率直に言ってキムさんが金よりはまだ納得がいきます。ただ、コストナー選手がもう少し構成が上だったら彼女が優勝だったようにも思えてなりません。

そのコストナー選手は、トリノ・バンクーバーと五輪にはずっと力が出せず悔しい思いをしてきたことと思います。今回銅メダルではありますが、彼女の笑顔を

見ていて本当に幸せそうに見えました。彼女のように最後に報われる結末はなかなかないですが(メダルを手にできるのはごく一部の選手のみですから)

真摯にスケートに向き合ってきた彼女に最後にご褒美が与えられたことはよかったと思います。

日本女子勢は浅田選手を筆頭に不本意な結果となってしまったのがとても残念でした。特に浅田選手のSPは誰しも予想のつかない状態で、朝から

沈んだ気分のまま翌日のFSを迎えた方も多かったと思います。もちろん、私もその一人でした。

しかし、とてつもなく大きなプレッシャーをはねのけ、歴史に残る素晴らしい演技をした浅田選手は本当に素晴らしかったと思います。

浅田選手はFSではノープレッシャーだったと安藤元選手は言っていたそうですが、それは大きな誤解というより、想像力の著しい欠如としか言えません。

浅田選手は帰国後のインタビューで「(SP後は)日本に帰れないかもしれないと思った」と語っています。

事実、FSの当日練習にあらわれた彼女の顔色は悪く、まるで抜け殻のようで心配する声が至る所で聞かれました。私もFSの演技を実際見終えるまで、

SPの再現になりはしないか、彼女の心が折れて戻らないのではないかと危惧しました。

しかし、浅田選手は見事に自分に打ち勝ち、そればかりか6種8トリプルを織り込んだ上にスピンステップでもオールLV4でステップやコレオシークエンスでは

ロシアの観客をも巻き込む素晴らしい演技を成し遂げました。ジャンプばかりでなく、細やかな表現や力強いステップなど、演技全体が申し分のない出来だったと

思います。PCSが上位3選手のみならず5位のリプニツカヤ選手以下にまで抑えられたのは全く納得のいかないものです。5コンポーネンツはいずれも9点台を

出すべき演技だったと私は思っています。

順位自体はSPでの大きな出遅れがあまりにも響きすぎましたので表彰台に届かなかったのは仕方なかったと思いますが、FSでは1位の採点がなされるべき

演技だったと私は確信しています。SP16位からのFS3位、総合6位は彼女にとって不本意でしょうがその素晴らしいFSはメダリストにも劣らぬ賞賛に値します。

鈴木選手は足の調子が良くない中での本番でしたが、彼女なりに最大限頑張ったのだろうと思います。前回と同じ8位でしたが、2大会連続の入賞は村主選手、

浅田選手、そして鈴木選手の3人だけです。(女子)胸を張っていい結果だと思います。

村上選手は個人戦だけでしたが、それが雰囲気をつかむのには間に合わなかったのでしょうか。最後まで本来の彼女らしさを出せないままだったようにも

思えます。山田コーチは今季限りで勇退の意思を示されていますが、村上選手は今後どうするのか懸念されます。できれば新境地を切り開き、新たなコーチのもとで

今後も頑張ってもらいたいと思います。

 

全体的にロシアスケ連も、ISUもIOCもやりたい放題の結果に正直不満が残る部分も大きいです。特にPCSの出し方については男女シングルは特に納得が

いきませんが、残念ながらこのまま改善は見られないだろうなと今回感じました。

ただ、ロシア女子に関しては終了後のロシアVS韓国の騒ぎの流れを見ても、さいたまワールドではまた違ったメンバーが表彰台に上がる可能性もあるかなと

推測しています。

願わくば日本女子に、特に浅田選手・鈴木選手には後顧の憂いのない演技をしてほしいと強く願っています。

もちろん男子、ペア、アイスダンス勢にも健闘を祈っています。

 

以上