常々思っていた疑問で、ジャッジにまつわる疑問を今日はまとめて書き出してみようと思います。これでもすべてではないですが(あまりにも最近の採点システムおよび運用には穴がありすぎます)改善できるのではないかと思うことだけいくつかピックアップします。
*ジャッジ席の分割
会場で観戦される方以外でも、TV観戦される方なら皆様ご存じの通り、ジャッジ席は一列に並んでいます。まさに「横並び」なわけですが、9人ほどのジャッジの席がロングサイド片方にだけ固まっていることに、前から疑問を持っていました。まあ設営の関係上、またシステムなどの都合上一か所にまとめる方が好都合だというのも分かるのですが、半分反対のロングサイドに移動してもらうことはできないのでしょうか?
なぜかと言えば、選手によってリンクの使い方やジャンプの位置が違うから。これに尽きます。後に述べますが、ジャッジ用のカメラは聞き及ぶところ1台だそうなので(それこそ無駄に多いマスコミのカメラを利用させてもらえればいくらでも有効活用できると思うのですが、それはともかく)するとジャンプの位置によっては、ジャッジから遠くエッジはもちろん回転の不足具合も大変判別しづらいことになります。
本来であれば、「疑わしきは選手の利益になるように」という原則がルールブック(コミュニケーションだったかな?)上で明文化されているのですから、むしろ甘いくらいでちょうどいいと思うのですけれども、DGやURを取るのが三度の飯より好きなんじゃないかと思われるコーラーもいるので、それならばよりしっかりとジャッジの目が行き届きやすいように並んでいただく手もあるのではないだろうかと思った次第です。まあそれも、ジャッジの皆様が意図的ではなく見た演技をそのまま評価して下さることを期待しての案ですが。
そして場合によっては、URやDG指示をしたコーラーにジャッジから「いや、あれは足りていた」(もしくは認定のままのジャンプに「足りていなかった」)とジャッジから情報のフィードバックがなされるとより精度が上がるように思います。まあ、普通のジャッジとコントローラーでは資格要件が異なる段階でこのプランは難しいとは思います。ただ、ジャッジ列の2分割位ならできるのではないかと思うのですが、無理でしょうかね?
*カメラ台数の増設
いくらなんでもジャッジの判定用のカメラが1台だけというのは不足にもほどがあると思います。今のカメラは高性能とはいえ、角度によってはジャンプの入りや着氷の足元まで明白に追うのは難しいでしょう。せめて各コーナーに1台ずつ、合計4台は要ると思うのは私だけでしょうか?
そんな費用は捻出できないという声が聞こえてきそうですが、前述の通り放送権を持つ放送局がそれこそ何台もカメラを持ち込んでくるではありませんか。そのうち3台ほどを臨時で提供させればいいのです。それを放送権獲得の条件にすれば(もちろんカメラマン付きで)、各コーナー4台設置も可能だと思います。
*OAC(ジャッジ査定委員会)の発言力の強化と委員のスキル向上
OACは技術委員会と呼ぶ方もいれば、ジャッジ査定委員会とも称されますが、今一つその全貌や発言力のほどがはっきりしません。
ジャッジの中にはかつて好成績を残した元選手も存在しますが、ほとんどは現状の選手たちのような技術など持ち合わせなかった方々、または未経験者です。もちろん技術は進歩してきているので、30年前の選手に4回転など無理だったのは承知の上ですが、一流選手の矜持を持った方とそうでない方の目というものはやはり違います。「凡人が天才に勝てるシステムが望ましい」などというおかしな発言がまかり通る(そしてジャッジの誰かが表だってそれを批判することもない)のは明らかにおかしい状態ではないかと強く感じます。
現状でも、採点監査の人員は割り振られているようですが、それが同じくジャッジから選抜されるのでは率直に言ってあまり監査の意味はないでしょう。公正さには少なくともあまり期待できそうにありませんよね。
より公正で厳しく専門性の高い「ジャッジ監視員」がOACから強い発言力を持って派遣されるようにならないものでしょうか? また、通常のジャッジのような試験とは別個に、試合実績も一定の基準を設け、それに満たない者(もちろん未経験者は問題外で除去)は少なくとも監査委員としてOACには入れないようにすれば良いと思います。
優れた競技者としての実績を持つ元選手は、ショースケーターやコーチなどに転身される方が多いので余計に今のジャッジ事情が今一つなのかもしれませんが、ジャッジが出すプロトコルがすべてなのであれば尚のこと、より優れた技術を判別する目が必要です。それには少なくとも、未経験者や拙劣な技術のまま競技人生を終えた方よりも矜持を持った元一流選手が多く審査席に坐するべきだと私は思います。
いずれも素人の素朴な疑問というか「こうすればいいのに」という勝手な言いぐさではありますが、すべては選手の不利に働かず、公平公正に採点されるようになるにはどう改善すべきか考えて上での意見ととらえていただけると嬉しく思います。