エミヤ〔殺〕がカルデアに来た話
FGOでとうとう衛宮切嗣とその妻アイリスフィールが英霊として登場しました。
この調子でアチャ子ことイリヤも公式で英霊として登場させれば完ぺきだと確信します。
さて、今回のSSはホテルごと爆破解体する方の英霊とその息子を題材としたSSです。
このSSが投稿されているピクシブでも既にエミヤ(アサシン)を主題とした小説が投稿されています。
息子の方の英霊エミヤとの接触する話が多くあり、
大多数は「英霊エミヤ(アサシン)は養子はいなかった」という前提の話が多いですが、
このSSは養子である衛宮士郎との面識があること前提設定の話で短編ですがそした設定が好きな人にはおススメします。
「士郎、ひどい魔術焼けじゃないか」
「不器用だったんだ。オレ、まともな魔術はからっきしだっただろ」
まるで少年のように笑いながら、エミヤは濡れた頬を拭う。
「本当に正義の味方を選んでしまったんだね」
「うん」
「僕を恨んでいるかい。士郎を正義の味方へと走らせてしまった僕を」
その言葉は同じ抑止力として世界に使役される者ゆえの、重く厚い響きを孕んでいた。
エミヤはゆっくりとかぶりを振る。
「言っただろう、爺さんの夢はオレが叶えてやるって」
本当はやり直しなど何度望んだかわからない。
エミヤシロウがこの守護者として結末を受け入れることは、未来永劫ないだろう。
それでも自身の信念は間違ってなどいなかったと、
どれだけの歳月を経ようとそう断言できるよう、
譲れぬものを賭けた戦いがあったのだ。
記憶の彼方、荒野の丘で剣戟が響く。
「オレはこの結果を後悔してはいない」
余計な心労を掛けぬようにと、
言い切ったその言葉には半分だけ嘘があった。
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