あっち向いてホイ! ~ 2nd season ~

虹の橋の子供たちに背中を押されて次女を迎えました。2016年7月24日、ブログ再スタートです!

初めまして!ようこそ「あっち向いてホイ!」においでくださいました



2nd seasonの「あっち向いてホイ!」は 虹の橋のたもとと我が家を7色の光で結んで
息子や娘はもちろんのことその他虹の橋メンバーとりとがお話しすることもある
”何でもアリ”な不思議なブログです。
一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします♪

宣伝のみのコメントにつきましては随時削除させていただいております。ご了承ください。




息子怒ってるのかな…

2010-12-03 19:00:00 | 息子・虹の橋へ
12月3日(金)

5時半ごろ
ボス出勤
昨日夕飯を頑張って食べたせいかお腹を壊してしまう

ボスをお見送りした後お知らせの記事をUPしておく


9時ごろ
起きて和室の障子を開ける 今日もやたらといい天気
「いつもと変わらない毎日…」
と呪文のようにボソボソ唱える言葉に
昨日あたりから
「全ては息子のため…」
が自然と加わる

おにぎりを1つ、コーンスープを一杯。
これだけがとても苦しい

娘と息子のお世話をし
いつものように息子の前に座り込んで話しかけては泣く
掃除が出来ないことを言うと
「ダンナ病気にでもする気か?」
という声が聞こえたような気がしてまた泣く

「うんうん、そうだよね…今日は、ちゃんと、やるね?」
と報告するものの体が動かない


10:40ごろ
ボスから電話
「足跡を消してしまうようでどうしても掃除が出来ない」
と泣く
でも、と付け加え、
「息子ちゃんが”ダンナ病気にする気か?”って…」
というと
「そうかあ?オレには”オマエ掃除サボる口実やろ”って聞こえるで」
と笑うボス


電話を切った後 大きく深呼吸(ため息?)してから掃除に取り掛かる
黙々と手を動かす
止めると頭が働いてしまい、泣くだけ

それでも
”最後に掃除機をかけたのは30日
「掃除機かけるね、ごめんね」
と言って真っ白なバスタオルをかけたはず…
あの時はまだ息子がここに寝てた
今は、何も、ない…
今は何もない!”

どうしても思考はそちらへ
あかんまた涙出る



朝はあんなにいい天気だったのに
12時を回る直前にいっきに雲が出てきて風が吹く
さっきボスが
「雷雨が来るから洗濯物気ぃつけや? 布団は干したらあかんで?」
と言っていた通り

息子、
「あんな?急いだ方がエエで?」
と言ってくれた気がしたので
すぐに支度を整え、娘とお散歩に出る

出るとき玄関先に向かいながら娘~、お散歩行こうと声をかける
テクテク歩いてくる娘、私の隣で止まる

リビングから
カツカツ、と2回
はっきりと爪の音
小さな小さな息子の爪の音
”どこ行くん?”
というときの息子の爪の音


「お兄ちゃん」

と大きな声で呼ぶがそれきり


「一緒に行こうか!一緒に行くよ~!」

涙ってどうして止まらないんだろう




お花屋さんの顔をまともに見たらどうしようもなくなるので避け、
少し回り道をして郵便局まで。
用事はすぐに済んだが、郵便局を出たらすぐ降りだしてきたので走って帰る

大粒の雨が叩きつけるように降ってくる
息子…
何だかんだ言っても私がまだ泣くから怒ってるのかな…
息子こういうの一番嫌いだったもんな…


振り払うように
「娘ちゃんすごいね!
お兄ちゃんの言った通りだったね!
さすが娘のお兄ちゃんだね!」
と言いながら2人で走る

「オレな?これ以上はもうでけへん」

雨は小康状態になり、時々止み、また激しく降っては小康状態になることを繰り返した

お家のそばまで来たとき
「ありがとう、もう大丈夫だよ」
と声に出して言ってしまう


私も娘も、洗濯物もびしょ濡れ。
家で落ち着く頃にはカミナリもゴロゴロ言い出した

ゴロゴロは短い時間だったけど雨と強風は続く


濡れたせいもあるけれど娘がよれよれで…
よく考えたら息子がなくなってから一度もブラッシングをしていないことに気付く
丁寧に
丁寧に
ゆっくり櫛を入れる
娘痛がってキュンキュン鳴く

娘は”痛がり怖がり”なママと同じ
ちょっとした事で大げさに騒ぐ

ゆっくりと
娘でもなく
息子でもなく
話しかける

「そういえばさあ…
こうやって娘がキャーキャー言うたび
お兄ちゃん、ママの足元に来て見上げて…
心配そうな顔をしながら
”なあ、もう少し優しくやったって?”
”なあ、痛いんちゃう?”
”優しくしたって、って、なぁ…”
って
終わるまでずっと心配してたよね…
首を少しかしげて
”大丈夫か?娘、大丈夫か?”
って…」



何かを思い出すとき
何かを声に出すとき
涙が一緒についてくる



3時ごろ
猛烈な強風は続いているが雨が止み、日が差してくる
泣き腫らした顔で土偶のような目をしているが
お家にいるより良いだろう
気が晴れるかどうかわからないが電車で大型ショッピングモールに行くことにする



お外でワンコを見ても
チワワを見ても
泣かないよ。



息子、行ってくるね。

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過ぎてゆく日常

2010-12-03 18:00:00 | 息子・虹の橋へ
12月2日(木)
朝から本当にいい天気 12月とは思えないほどで暑いくらい 気温19℃

今日は朝からずっと息子の気配を感じない
娘も普段と変わらないように見える
「オマエ辛気臭いからイヤや」
って家に寄り付かないのだろう
今日はボスと一緒なのかな…


ボスは
「今年初めに”息子ちゃん心雑音があるね”と医者に言われたときから
あああと1.2年やなと覚悟した
でも俺の想像していたよりうんと早かったな…
そう思ったことをれいに言わなかったのは
言えばお前が気にするからや」
と言っていたことがあった

息子が最初に倒れてからわずか1ヵ月と10日
あまり長いこと苦しまず
そういう姿を見せることなく

息子はやっぱり孝行息子で
息子はやっぱりオトコマエやったと思う


倒れて以降私の事をじっと見つめることが増えた息子
その度いつも言うことは同じだった



「なあ…エエか?
オマエな?
いつかはオレを見送らなアカン立場にあるんやで?
オレが全部オマエに教えたる
しっかりよぅ見ときや?
オマエ、オレを送らなアカンのやからな?

…エエな?
大丈夫か?」



息子は私をじっと見つめ
いつもいつもこう言った


その度
その度
溢れそうになる涙や気持ちを堪え


その度
その度
息子は
「またか!ホンマに鬱陶しい女やもう知らん」
という顔をして目をそむけた



誰がそれを”うんわかった”って言える?
ねぇ息子ちゃん
誰がそれを…



荼毘に付すとき一緒に持たせようと思っていた
使い方の間違えたままのベージュのベッドと
娘とおそろいのラウンドベッド。
気持ちがとっ散らかっているとダメだねぇ、ちゃんと置いておいたのに両方とも忘れてしまって…

昨日ね、このベッドどうしようって言ったら
ダンナが”捨てたら?”って言ったの。
ママも息子がちゃ~んと虹の橋の向こうで生活できるように
いつまでも残しておいちゃいけないことはわかってるよ
だから
「気持ちの整理が済むまで置いとく」
って言ったら
「うんそうやな?(処分するのは)そのあとでもええんちゃうか?」
って言ってくれた

それからベージュのベッドをうっかり抱きしめちゃったら
息子のニオイがする気がして
小さな爪でホリホリして開けた穴が愛おしくて
泣いちゃったよ



ごめん。




小さな小さな一人がいなくなっただけなのに
ガランとして広く感じるリビング

ここを
このリビングを
悲しくなるほど細くなった腰や足を一生懸命使いながら
最後の最後まで自力で歩いていた息子

”よっこらせ”っと足を上げ
最後に使ったおトイレも
息子の頑張りのように思えてならない


リビングも
おトイレも
息子の足跡を消してしまうようで
掃除が出来ない




娘の散歩に出る
草を刈られた売れない空き地で何気なく空を見上げる
あの日と同じ雲
「息子の雲だ…」
と呟きそのままじっと見上げる
目を閉じると風の音が聞こえて また目を開ける
行こうか、と娘に声をかける
相変わらず息子はどこにもいない


夕方買い物に出る。
私の前に並んで会計をしていた80代くらいの男性が
何かレジの女性とお金のことで右往左往?
目が見えへんねん、と言いながら会計の数字を指でトントン、と軽く叩く
(さっき預けた千円で)それで(会計を)やって?
というがそれでは足りないようで
「足りません、あと107円です」
等いろいろやっていた埒が明かないようす。
やり取りを見ていて思わずくすっと笑ってしまい
男性の腕とも肩ともつかないところに手を置き、耳元で
「1107円やて、あと107円、足りません」
というと
「耳も遠くなってきてな?この字も見えへん。 …なんて??」
「アハハだ~いじょうぶや大丈夫、み~んな順番…」


”だ~いじょうぶや、大丈夫 大丈夫やで~”
ハッハッと懸命に息を整える息子に
毎日毎日言った言葉だった。


お会計が済み男性はカゴを持ち上げながら
「ありがとう、」
と言ってくれた。
「いいえぇ~!(^-^)」と明るく返した。


息子も晩年は瞳が白くなって少し見えにくかったはず。
お耳だって少し聞こえにくかったはず…
人間もワンコも、み~んな順番…

お買い物から帰ってきてトイレに入ったら
ソフトバンクのお父さんに
「今が踏ん張りどきだ」
って言われて”確かにそうかもしれないね”って笑っしまった


この記事を書いているとき鼻先に息子のお口のにおいがした
ハッキリ長く感じる
顔を舐めてる、私の顔を舐めてるんだ!
ぎゅっと抱きしめ、ありがとうと言いながらちょっと涙ぐんでしまった。



そうだよね…




息子、
息子、

息子はどこにでもいるよね



思い出せばどこにだって。





※ 血尿止まる
※ 夜9時半ごろから雨が降ったようで生ぬるい朝だった


息子の気配は1日中ほとんど感じることができなかったが
夕飯(寄せ鍋を作った)を頑張って食べている最中
「うまいか?」
と聞いてくる
思わず御骨を見る
「…うん、おいしいよ。ママ頑張って食べてるよ」
と言いながら弱々しい笑顔を向けるとニコッと笑い
「それでエエ」

今日息子を感じたのはその時だけ
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ありがとう、息子

2010-12-03 17:00:00 | 息子・虹の橋へ
12月1日(水) 続き

2時半ごろ
お散歩に出る
歩き始めてすぐたまらなくなり
「一人足りない」
「一人足りない…」
小さな小さな声で呟き、歩きながら泣いてしまう


氏神様に今日のご報告と今までのお礼を改めてし、
いつもの芝生ランへ
小さな息子一人いないだけでこんなに違うものだろうか
ボスも
「ここってこんなに広かったっけなぁ」
と言う
息子の日差しに包まれたまま、話すでもなく話さないでもなく
ただボーっと空を見上げる


ランのそこかしこに息子がいる
土曜日もここで一緒に遊んだのに

今日からはもう、いない…


何を見ても
どこを見ても
涙が溢れて止まらない



帰宅後、今日の六輝が気になって日めくりカレンダーを見る なんと大安
「やだ今日大安じゃない!」
「ああそう、息子のやりそうなことやなぁ」
「…そうだね、オレサマの出発だもんね…
全く、いつまで泣かせるつもりなんだあのオトコは!」
と言いながらキッチンで座り込み泣いてしまう


何をするでもなく時間が過ぎていく
時が過ぎていくのが
早いのか
遅いのか
止まっているのか

1日が
早いのか
遅いのか
止まっているのか

よくわからない


29日
息子を失った悲しみが全てで

30日には
もう動かない息子を見て
悲しみに深さと奥行きが加わって

1日には
「息子」という個体がなくなったことで
それまでの感覚は
想像以上の喪失感へと変わった


それでも時間は過ぎていく



最後の最後にわざわざ娘の前まで歩いて行って倒れたのには
きっとワケがあるに違いない

「すまん娘、あと頼む…!」

って
最後の最後まで大好きなダンナと
”アイツ”のことを案じてくれたのかもしれない



17時半ごろ
「少し何かお腹に入れよう」
とボスが言うのであるもので夕飯

息子、ママ、頑張ってご飯一膳食べたよ。



18時半ごろ
息子の遺影の写真立てを見に行く
フワフワの長い座布団をみて
「わぁ、こんなのあったら娘と息子が、…」
クリスマスのものなどを見て少し気が紛れていたのに思い出してしまう


19:40ごろ
帰宅 
玄関の前まで来て鍵を開けるとき
「ああもう息子の”ワンワン”を気にしなくていいんだ
ボスに”靴脱いだ?”って確認しなくていいんだ
すぐに息子のそばに行って大丈夫?って言わなくていいんだ
抱き上げる必要も、ないんだ…」
と思ったら泣けてきた

ゆっくり家の中に入りリビングの扉を開けるボス
元気よく娘がかけてくる
ヒザに飛び乗る
息子はいない


上着をしまい、リビングでボスに抱きついて泣いてしまう
「いない…
もう、心配もさせてもらえない…」

泣いたらダメ
息子に怒られる
”まだ泣くん?”
って言われちゃう

心の中で
”泣いたらあかん、泣いたらあかん”
を繰り返しながら泣く


息子の御骨を胸に抱いて写真立ての報告をして
骨壷の上のあたりを額につけてじっとしていると視線を感じて思わず後ろを見る
息子が”まだ泣くん?”という顔で私をみている感じがする
御骨を置き、心の中で
”おいで…? おヒザにおいで…?”
と言ってみる
ふわっとした重みが太ももの横に広がり、次に縦に。
普段息子が乗ってくるときにかかる体重と同じで涙が出る
右手で顔を
左手で体を撫で…
ヒザの方に重みが移動したような気がして手を離すと
こちらを見て座っている
その感覚は突然ふわっと消えてしまうが
娘がずっとキュンキュンと鳴いていて不思議だった

パソコンに向かいこのことを書き込んでいる最中娘を見ると
まるで何かを目で追うように
右を見て左を見てじぃっと何かを追い…かと思えば
ビックリしたようにベージュのベッドを見る
これを何度となく繰り返していた
やっぱりさっきの、息子だったんだね。
娘の視線の先に愛おしい息子がいると思うとたまらなく
しばらく娘を見ていた

「娘?」

ビックリした顔でこちらを見、次に不思議そうな顔

「うん、お兄ちゃんいるんでしょう? 
…いいよ、お兄ちゃんなんだから好きにさせてあげなさいね?」


その間ボスは買い足したクリスマスの飾り付けをしていて
出来たから見てごらんと声をかけてくれたので
娘と一緒に玄関先に出て行く
ようやく完成したね、と二人で見る
「息子にも見せたかった…見てるかな…」
「いや、あいつ寒いの嫌いやったからなあ、
”オレはエエ”言うてとっとと家の中入ったんちゃうかぁ?」
とボス



お風呂から出て息子の前に座っていると娘が「お願い(コマンド)」をする
30日?あたりから延々「お願い」を繰り返す娘 
ボスが
「娘…何か変わったよなぁ?」
「うん、延々”お願い”ばかりする」

何か感じるものがあるのだろうと思っていたけれど
よく考えたら娘は甘ったれで昔から年がら年中私の膝の上に乗りたがり
「ママ、おヒザ、お願い(乗せて)」
と言っていたから
今までずっとお兄ちゃんに譲ってきてたんだよね
何かを感じて「お願い」していただけじゃなかったんだよね
少なからず我慢させていることはわかっていたけれど
私達が想像している以上にお兄ちゃんに配慮していたのかもしれない
ゴメン、気付いてやれてなかったね…

そういうことだったんだね…
ありがとう、やっぱり娘は優しいいい子ね


そんなことを考えていると後ろからお風呂の方に向けて何かが動く気配、ふと見る
娘、全く同じタイミングで同じように視線を動かしたので
「ね?!娘いま、ね?!お兄ちゃん通ったよね?!」

不思議そうな顔をして私を見、二人とも再び視線をお風呂前へ


息子あんなに元気に虹の橋を「スッタカター♪」と駆け上っていったのに
戻ってきてたんだ…
人間と同じで行きつ戻りつしながら、あちらの世界に馴染んでいくのかな…?
そう思うと何だか嬉しくなってしまい

「娘、ママが気付かないときもあるからお兄ちゃん来たら教えてね」
と言う


息子を失ってからはじめて
心の底から笑顔になれた


ボスは
「れい、俺は泣くのは今日までにする」
と言った

私もできるだけそうしようと頭では思った

心ではまだ、全然自信がない






息子ちゃん、
ママがさ、
無理に元気を装ったり
無理に明るく振舞ったり
きっとそんなことされても嬉しくないよね?
ママも、それは、きっと、しんどい。

だから

時々バカみたいに大笑いしたり
時々思い出したように号泣したり
しばらくの間は
行ったりきたりしちゃうと思うけど
でもきっと立ち直るから
虹の橋の広場から思い出したときに”チラ見”してて。

”お~、アイツ頑張っとるやないか~”

って言ってもらえるような生活、するからね。

いつか
いつか、


心もしっかり元気になれたら

”それでエエ”

って言ってね。




くすって笑って。



ね?






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12月1日 最後のお別れ

2010-12-03 16:00:00 | 息子・虹の橋へ
12月1日(水)

6時半ごろ起きるとボスは既に起きていて「おはよう」と
枕もとの息子の脚を撫で
「息子、おはよう…」

7時半には家を出ていないと間に合わないのであまり時間がなく
最後に息子の右側のひげを切るボス
写真を撮り、次に私も息子を抱いて写真を撮る。

息子が「あるで?」と教えてくれた段ボールを用意し
黄色いフリース、
可愛いかった緑のヒツジさんの模様のついた四角いフリース
「この緑は私気に入ってたから取っておきたい」
「息子のやろう?一緒に持たせてやったら?」
そのまま一緒に段ボールに入れてあげる

段ボールに入れるときに息子が少し鼻血を出してしまい
ボスが拭いてあげる

昨日からお腹の辺りに変色が始まってしまっていて
息子を抱いたときにお腹の辺りで折れるような格好になり
「かわいそうだからやめて」
と私


お供えしえていたお花を抱きしめ、ありがとうとお礼を言ってから
2人で段ボールに入れていく
息子とてもきれいで
とてもかわいくて
たまらない


ご飯とおやつを少量入れているときに
「オレの梨、梨、オレの…」
という声が聞こえてくるようで
「うんうんわかってるわかってる、オレの梨な?今から剥くから!」
と泣き笑い
ボスも笑う

「もう小さく小さく切らなくても
大きいままでもガツガツ食べられるでしょう?」
と言いながら
大きく切った梨を口元に置いてやる

最後の最後に犬の写真がプリントされている便箋に

「ママ、

  息子ちゃんだーいすき!
  
    忘れないでね
    忘れないでね

            れい  」


毎日毎日
撫でながら繰り返した言葉だけを書き、入れた。



喪服に着替え、仕度が出来、娘もおそろいだったお洋服を着て出発
娘と息子は後部座席。
娘、斎場に着くまでずっとごにょごにょキャーキャーしゃべっている
前に行きたいと文句を言っているだけではないように感じる

出てすぐにボスが何度も道を間違える
ナビがあっても逆方向に走って行ったりと
「ひょっとしてお兄ちゃんじゃない?」
「あ~息子か!」
「最後にちょっとイタズラしてやれ、とか…
それか少し寂しいのもあるかな…」


8時 斎場到着
息子を安置しお線香とお焼香をするが
「何であたしが息子の焼香なんかすんのよ!」
と思いとっさに投げ出しそうになるが堪える
涙が止まらない
受け入れてないわけでも理解してないわけでもないと思っていたが
まだまだ頭と心の回路がうまくつながっていないのを感じる

このあとすぐに出棺
こちらです、と言われるがすぐに立ち上がれない
ボスが息子を抱く
「…れい、行くで」
と声をかけられようやく立ち上がる

頭を手前に向けるように言われたのでボスがそのように置き
2人で息子の顔を撫でる
二人とも嗚咽
「いっぱいいっぱい、いろんなところ行った?
みんなのところ、行った?
もう大丈夫?」
言いながら息子の右手先を撫でる
冷たくなったけど柔らかな肉球…
かわいい
愛おしい
愛おしくてたまらない


息子の体を撫でていたボスが手を離したのですかさず握り
「手、息子ちゃんの手…」
と言って握らせ
「この小さい手でいっぱい、…」
あとは言葉にならない


窓が閉まる瞬間胸が締め付けられる
「息子ちゃん、ありがとう、ありがとう」
というのが精一杯
直後火がつけられ、”ボッ”と言う音を聞いて
すごくイヤで
すごくイヤで
号泣しながらロビーへ戻ってしまった


ロビーでたくさんのノートを見ているボス
ときどき堪えきれず泣いている

「何か書いたら?息子の記録が残るやろ?」
と言われるがそんな気分にはなれない



ベンチの隣りにひざ掛けを敷き、娘を置き
ふと
思い出したように
ノートに書き始める

「2010年12月1日 8:17
今日はスッキリよく晴れた秋晴れの朝です
みんなで息子が来るのを待っています
12歳9ヶ月。あと3ヶ月で13歳でした。
かっこよくて…
性格も生きざまも本当にかっこよくて…
人間みたいな犬でした。
犬だけど、人格者でした。

「ダンナは息子のことが大好きやで!一番大事なんやで!」
”…ホンマ?”
「ママも娘も息子のことが大好きや!大事やで!」
”…ホンマに?”
あの日の最後の会話、憶えていてください。

息子!ママは息子のことがだーいすき!
          忘れないでね
          忘れないでね」

そんなことを泣きながら書いた。


8:40
「お待たせしました、まだ熱いですがお骨上げなさいますか?」
気の入っていない声で 消え入りそうな小さな声で
「はい、…」
と返事をし、外にいたボスを呼ぶ


どうぞ、と言われ恐る恐る歩きだす
どれだけ小さくなってしまったのだろう
見るのが怖い
恐ろしい



目に入ってきた想像以上に小さな息子
慟哭









息子、ただの一度も振り向かず
お尻を向けてテテテテテ…と歩き出し

「おおきに!」

と言い終わるか終わらないかの内に


スッタカター♪


と元気よく全速力で虹の橋を駆け上がっていきました。







なんだろう、

なんでかな、


息子が常に笑顔で走り回っている姿しか見えない
自由で
嬉しくて
しかたがない様子の息子

憎たらしいほどの満面の笑顔で
悲しさが倍増してしまう

しかも亡くなってからよくしゃべる
矢継ぎ早にいろんなことを話しかけてくれているような気がする
ボスも同じように感じているとのこと



帰り道息子を両手でしっかり
大事に大事にぎゅっと胸に抱きしめていたこと以外
あまりよく覚えていない



9時半ごろ
帰宅
息子のために開けた場所に息子を座らせたあと
2人で喪服を脱ぎ、近くのコンビニへ行きました。
「全然食欲ないんやけどなぁ」
というボス
「私もないよ?でも食べな息子に怒られるで」
2人で同じ言葉を言い合いながら支えあう





息子?
ママね。
息子に恥をかかせたくないんだ。

”いつまでもメソメソ泣いてる、あれがお前の飼い主か?”
って
息子が笑われることだけはしないでおきたいんだ。
だって息子ちゃんはいつでもカッコよかったもんね?

だから今日、ちゃんとおにぎりとサンドウィッチを食べたよ。
野菜ジュースも飲んだよ。
ボスも頑張って、パン食べてスープ飲んだよ…

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11月30日 続き

2010-12-03 15:00:00 | 息子・虹の橋へ
11月30日(火)

相変わらず血尿止まらず


15時ごろ
ボス帰宅
「これね、…」
と言いながら洋服を出し、午前中のことを説明し
「だから、洗濯するの、やめたよ」
と言うと
ボス泣き笑いしながら私の頭を撫で
「う~んそうかそうかぁ~」


その後ネットで霊園を調べ始め、私はその間に娘とお散歩に行くことにする
行く前にトイレ また血尿
「お前精神的にやられてるんやろ 倒れないように気ぃつけろよ?
息子に笑われるで」
散歩に向かう前に息子を撫で
「お兄ちゃんお散歩行ってくるね?一緒に行くか?
…あかん、こうやって撫でてるとなんぼでも涙が出てくんねん」
と言うとボスも堪えきれず涙


帰宅すると比較的近くにあるよさそうな場所を見つけたボス
「プレハブみたいなところだったら嫌だから下見に行こう」
と言い、娘も連れて下見に行く
近所に住むボスの友人に電話で聞くと
わかりにくい場所なので案内してくれるとのこと
途中でお宅により、一緒に車で向かうことになる


17:15ごろ
駐車場で階上の人に会う
息子のことをお知らせするボス
ペキニーズと一緒に生活し、見送った経験がある方なので一緒に涙ぐんでくれ
「息子ちゃん亡くなったん…」
そのあとの会話は泣き崩れてしまって覚えていない


18:10
斎場に到着
受付が10分前までだったらしく帰ってしまったと代理の人が教えてくれる
中を見学することはできますとのことで見せてもらう
入った瞬間、ここならいいかなと思えるところだった
息子の「オレ、ここはイヤや」という声も聞こえてこない
パンフレットを受け取るボス
すぐに電話をし、明日の予定を聞くと
「明日もご連絡いただいているので早い時間しか空いていません」
続けてボス
「何時ごろでしたら空いてますか?」
「そうですね… … 8時くらいでしたら」

電話口から漏れ聞こえてくる声
8時という時間だけハッキリ聞こえた
もう数時間しかない
あと数時間しか

あと数時間しか残っていないんだ
あと、数時間…?
息子を撫でることも見ることも出来なくなる?
出来なくなる?

出来ない?

泣き崩れる



「私燃したくない」
「…え?何て?」
「私息子ちゃん燃したくない…こんな、こんなに小さくなっちゃうのやだよ」


他の皆さんのお骨を見て
立っていられなかった


18時半すぎ
3人で食事をしに行く
お腹は空いているが全く食欲がない
いただきます、と呟きおにぎりを一口
食べるつもりなんてなかったのに何故かサツマイモの天ぷらが1つ
一口食べる
甘くてとてもおいしい
こんなにおいしいサツマイモ、息子に食べさせてやりたいと思ったらまた泣けた
ハンカチで目頭を押さえていると
息子、脳裏に出てきて私の目の前にちょこんと座り
いつものように少しお手手を外側に向け
大きな目で

「また泣くん?」

続けて今度はくすっと笑った顔で




「見送ってや!
しっかり食べて、しっかり見送ってや!」





泣きながら食べる
食事をほとんど摂っていないので胃が小さくなっており
とても苦しかったが泣きながら食べる




「それでエエ」




またくすっと笑った顔で言われ、泣きながら食べる

「イモな?オレが食べたかってん!」



帰りの車の中では頑張って詰め込んで食べたことと
8時、という時間が悲しくて気分が悪くなる
お友達を送って自宅に向かう途中ボスが察して
「気分悪いか?」
うなずく



夜お風呂に入り、9時半頃から遺影に使う写真を選別
「複数入れられる写真立て、買おうな?むっちゃ可愛いやつな(^-^)」
とボス

夢に2回出てきたことを話すと
「そういう(安置している)状態で出てきたならまだあっちへは行ってへんな
その辺ウロウロしとるやろ」
私もそう思う



明日7時半ごろ家を出る
今夜は息子を和室へ

娘、和室のすぐそばへ


22時半ごろ
一緒に就寝

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