12月1日(水) 続き
2時半ごろ
お散歩に出る
歩き始めてすぐたまらなくなり
「一人足りない」
「一人足りない…」
小さな小さな声で呟き、歩きながら泣いてしまう
氏神様に今日のご報告と今までのお礼を改めてし、
いつもの芝生ランへ
小さな息子一人いないだけでこんなに違うものだろうか
ボスも
「ここってこんなに広かったっけなぁ」
と言う
息子の日差しに包まれたまま、話すでもなく話さないでもなく
ただボーっと空を見上げる
ランのそこかしこに息子がいる
土曜日もここで一緒に遊んだのに
今日からはもう、いない…
何を見ても
どこを見ても
涙が溢れて止まらない
帰宅後、今日の六輝が気になって日めくりカレンダーを見る なんと大安
「やだ今日大安じゃない!」
「ああそう、息子のやりそうなことやなぁ」
「…そうだね、オレサマの出発だもんね…
全く、いつまで泣かせるつもりなんだあのオトコは!」
と言いながらキッチンで座り込み泣いてしまう
何をするでもなく時間が過ぎていく
時が過ぎていくのが
早いのか
遅いのか
止まっているのか
1日が
早いのか
遅いのか
止まっているのか
よくわからない
29日
息子を失った悲しみが全てで
30日には
もう動かない息子を見て
悲しみに深さと奥行きが加わって
1日には
「息子」という個体がなくなったことで
それまでの感覚は
想像以上の喪失感へと変わった
それでも時間は過ぎていく
最後の最後にわざわざ娘の前まで歩いて行って倒れたのには
きっとワケがあるに違いない
「すまん娘、あと頼む…!」
って
最後の最後まで大好きなダンナと
”アイツ”のことを案じてくれたのかもしれない
17時半ごろ
「少し何かお腹に入れよう」
とボスが言うのであるもので夕飯
息子、ママ、頑張ってご飯一膳食べたよ。
18時半ごろ
息子の遺影の写真立てを見に行く
フワフワの長い座布団をみて
「わぁ、こんなのあったら娘と息子が、…」
クリスマスのものなどを見て少し気が紛れていたのに思い出してしまう
19:40ごろ
帰宅
玄関の前まで来て鍵を開けるとき
「ああもう息子の”ワンワン”を気にしなくていいんだ
ボスに”靴脱いだ?”って確認しなくていいんだ
すぐに息子のそばに行って大丈夫?って言わなくていいんだ
抱き上げる必要も、ないんだ…」
と思ったら泣けてきた
ゆっくり家の中に入りリビングの扉を開けるボス
元気よく娘がかけてくる
ヒザに飛び乗る
息子はいない
上着をしまい、リビングでボスに抱きついて泣いてしまう
「いない…
もう、心配もさせてもらえない…」
泣いたらダメ
息子に怒られる
”まだ泣くん?”
って言われちゃう
心の中で
”泣いたらあかん、泣いたらあかん”
を繰り返しながら泣く
息子の御骨を胸に抱いて写真立ての報告をして
骨壷の上のあたりを額につけてじっとしていると視線を感じて思わず後ろを見る
息子が”まだ泣くん?”という顔で私をみている感じがする
御骨を置き、心の中で
”おいで…? おヒザにおいで…?”
と言ってみる
ふわっとした重みが太ももの横に広がり、次に縦に。
普段息子が乗ってくるときにかかる体重と同じで涙が出る
右手で顔を
左手で体を撫で…
ヒザの方に重みが移動したような気がして手を離すと
こちらを見て座っている
その感覚は突然ふわっと消えてしまうが
娘がずっとキュンキュンと鳴いていて不思議だった
パソコンに向かいこのことを書き込んでいる最中娘を見ると
まるで何かを目で追うように
右を見て左を見てじぃっと何かを追い…かと思えば
ビックリしたようにベージュのベッドを見る
これを何度となく繰り返していた
やっぱりさっきの、息子だったんだね。
娘の視線の先に愛おしい息子がいると思うとたまらなく
しばらく娘を見ていた
「娘?」
ビックリした顔でこちらを見、次に不思議そうな顔
「うん、お兄ちゃんいるんでしょう?
…いいよ、お兄ちゃんなんだから好きにさせてあげなさいね?」
その間ボスは買い足したクリスマスの飾り付けをしていて
出来たから見てごらんと声をかけてくれたので
娘と一緒に玄関先に出て行く
ようやく完成したね、と二人で見る
「息子にも見せたかった…見てるかな…」
「いや、あいつ寒いの嫌いやったからなあ、
”オレはエエ”言うてとっとと家の中入ったんちゃうかぁ?」
とボス
お風呂から出て息子の前に座っていると娘が「お願い(コマンド)」をする
30日?あたりから延々「お願い」を繰り返す娘
ボスが
「娘…何か変わったよなぁ?」
「うん、延々”お願い”ばかりする」
何か感じるものがあるのだろうと思っていたけれど
よく考えたら娘は甘ったれで昔から年がら年中私の膝の上に乗りたがり
「ママ、おヒザ、お願い(乗せて)」
と言っていたから
今までずっとお兄ちゃんに譲ってきてたんだよね
何かを感じて「お願い」していただけじゃなかったんだよね
少なからず我慢させていることはわかっていたけれど
私達が想像している以上にお兄ちゃんに配慮していたのかもしれない
ゴメン、気付いてやれてなかったね…
そういうことだったんだね…
ありがとう、やっぱり娘は優しいいい子ね
そんなことを考えていると後ろからお風呂の方に向けて何かが動く気配、ふと見る
娘、全く同じタイミングで同じように視線を動かしたので
「ね?!娘いま、ね?!お兄ちゃん通ったよね?!」
と
不思議そうな顔をして私を見、二人とも再び視線をお風呂前へ
息子あんなに元気に虹の橋を「スッタカター♪」と駆け上っていったのに
戻ってきてたんだ…
人間と同じで行きつ戻りつしながら、あちらの世界に馴染んでいくのかな…?
そう思うと何だか嬉しくなってしまい
「娘、ママが気付かないときもあるからお兄ちゃん来たら教えてね」
と言う
息子を失ってからはじめて
心の底から笑顔になれた
ボスは
「れい、俺は泣くのは今日までにする」
と言った
私もできるだけそうしようと頭では思った
心ではまだ、全然自信がない
息子ちゃん、
ママがさ、
無理に元気を装ったり
無理に明るく振舞ったり
きっとそんなことされても嬉しくないよね?
ママも、それは、きっと、しんどい。
だから
時々バカみたいに大笑いしたり
時々思い出したように号泣したり
しばらくの間は
行ったりきたりしちゃうと思うけど
でもきっと立ち直るから
虹の橋の広場から思い出したときに”チラ見”してて。
”お~、アイツ頑張っとるやないか~”
って言ってもらえるような生活、するからね。
いつか
いつか、
心もしっかり元気になれたら
”それでエエ”
って言ってね。
くすって笑って。
ね?
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