ふと、オシロスコープの帯域、実際にどれくらいあるのかを測定してみたくなった。
結論としては、オシロスコープの帯域を超える発振器が無かったので検証できないという落ち。
発振器は10MHzまでっぽい記載があったが、60MHzまで出力できるっぽいので、どれどれとおもって、まずはオシロスコープの振幅を読み取ってみた(青いプロット)。あれ?100MHz帯域のオシロだけど、50MHzで-3dBだな。
ふと発振器を見ると250MSa/sと書いてあるので、25MHzから50MHzくらいに限界がありそうだ。
FA-2という周波数カウンターで入力のdBmも表示されるのでそれを見ると、-3dBmのおちこみはやはり50MHzくらいなので、発振器側の都合での振幅低下という結論を下した。
そもそも100MHzといった周波数は空中に放射しかねない周波数なのでオシロスコープ側の入力インピーダンスが1MΩでいいのか?いや50Ωじゃないと反射するのか?
疑問は尽きない。
さて、オシロスコープの入力であるが、昔は周波数1MHzあたり1万円という相場があったように思う。100MHzで100万円である。これは多分アナログオシロのもので非常に高精度なフロントエンド回路を持っていたであろうことは想像できる。何しろブラウン管の電子ビームを曲げるのだから、ゲインなどの安定度はシビアであっただろうから。
現在のデジタルオシロは、私が買ったものでは100MHzの帯域でも3万円程度で、安価である。
フロントエンドがどうなっているのか色々しらべてみた。Keysightのエンジニアが説明しているYoutubeがあった。
アンプの部分はSiGe BiCMOSのアンプがあったり、集積化が進んでいたりと結構ワンチップでなんとかなっているような気もする。あまりリニアじゃない増幅度はデジタルでどうにでも補正できちゃう、そんなこともあったりするのかな。多少の補正は可能だけど特性悪いと位相も狂っちゃうからある程度素直なアンプだとは思うが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=o-JvRlKCOaM
https://www.youtube.com/watch?v=EaBSN6dpqP8
https://www.youtube.com/watch?v=gPQRSWcRaFg ← Attenuators and Preamps - Oscilloscope Front End Design (part 3)
https://www.youtube.com/watch?v=1sVEWzMjkBo
https://www.youtube.com/watch?v=pdbzIwelCL4
https://www.youtube.com/watch?v=DNXPpkgiCLQ
それまで雲を掴むような電気信号だったものが目で見られるんですから。
そのファンクションジェネレータは高周波上限までのゲイン保証はないと思います。
でもレベルの精度保証を超えても高い周波数まで設定できるのはホビー用の特権ですね。(^_^;)
ほとんどの高級機FGでも正弦波波だけ高い周波数が出せても、その他の波形は低い周波数しか出せません。
波形パターンのメモリーが遅いためなのかもしれません。
高周波を扱う場合、同軸ケーブルの両端のインピーダンスを合わせないと共振や定在波の影響が出ますね。
SGとオシロを同軸ケーブルで繋げるときは、オシロの入力部分に50Ωの終端抵抗を入れないと高い周波数で波形やゲインが乱れます。
特に方形波のような高調波を多く含む信号はオシロの波形を鵜呑みにしないように気をつける必要があります。
デューティー50%の方形波は奇数高調波を含むので、オシロも5倍ぐらいの帯域がないと方形波らしくに見えません。
オシロの波形を安易に絶対だと思わない覚悟も必要です。(笑)
100MHzの高調波まであるとすると、だいたい20MHz程度までならある程度の波形が見えるだろうとも思いますので、マイコンとかを相手にするくらいなら十分な性能です。