記憶に残るほどに難儀した生徒さんは
スキー教室としてお越しの東京・K高校2年生280人の一人でした。
今回の担当も初心者女子班9名でしたが、3泊4日という
余裕のある日程でしたので、腹を据えて彼女に対応出来ました。
1日目午後:雪
2日目:晴れ
3日目:曇り後雪
4日目午前:雪
いわゆる運動能力が低いことを俗に「運動音痴」と呼びますが
なぜ発生するのか、正確なところは知りません。
ただ運動能力そのものは「反復練習して得られる技術」と言われますから
身体を動かすことを何らかの理由で怠った結果なのでしょう。
この運動能力に大きく関わる神経系の成長は
生まれてから5歳頃までで80%に達し、12歳でほぼ完成に至るそうで
具体的には5~8歳は「基本的な運動動作が身につく時期」
9~12歳の年代は「運動能力が飛躍的に向上する時期」とされます。
つまり、一生に一度の12歳までに、脳でイメージした動きを身体で
表現できるようにしておかないと運動音痴に陥る可能性が高いそうです。
今回のYさんも「運動は嫌い!」とはばかることなく口にする17歳まで
すでに育っていて、身体の各パーツを動かすには
どこの筋肉を使うのかがそもそも分からないらしいのです。
結局、3日目午前中まではほとんど彼女に掛かりっきりという結果に。
最終的には天狗コース3.2㌔のごく一部の斜面のみ
ストックを使った逆ボーゲンで補助し、本人が
「楽しい~!先生、ありがとう!」と言ってくれるまでになりました。
それにしてもこの彼女、しっかりした挨拶が出来るとともに
半べそをかきながらも頑張れる姿勢は、これまでの運動音痴には
一人もいなかったタイプです。
12歳までどんな生活を送って来たのか、個人的な興味は尽きません・・・ 。