ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

「ビッグエデン」それは夢のような楽園だった 映画祭より

2005-07-26 01:41:41 | Weblog
「ビッグエデン」東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の感想
http://www.bigeden.com/home.html

内気な芸術家のヘンリーは田舎で付き合ってたノンケ?のスポーツマンが忘れられないでいる。

 親のいない彼を育ててくれた、お祖父さんの入院に自分の個展もすっぽかして(実は逃げて)帰る。

 ノンケと別れて以来、寄り付きもしなかった故郷ビッグエデンの街。久しぶりに戻った街は心優しい人たちのゆっくりとした時間が流れていた。

 世話焼きのおばさんが田舎であぶれている女性たちを次々紹介に来て迷惑したり、久しぶりの変化に住人たちはヘンリーに興味深々。

 それに別れたノンケにはかわいい子供がふたりも。でも離婚しててヘンリーに復縁を望んできたりと何かとドキドキ。

 そんななか、極度な人見知りの雑貨店主パイクが病気のおじさんとヘンリーのために毎日料理を作って届けてくれる。

 それは彼への愛に満ち溢れた料理の数々、どんどん腕を上げていき・・・。

 ある時、お祖父さんとパイクはヘンリーがノンケとただならぬ関係でありゲイである事が分かる。

 お祖父さんは彼の生き先を案じ、パイクは自分の想いを整理できずにいた・・・。

 そんな秘めたパイクの想いを雑貨屋に毎日たむろする常連たちが応援し、村中が応援していく。

 内気な主人公と人見知りなパイク、彼らを暖かく見守る人々。

 そこからはまさに楽園の村に、どうみてもホモフォビアそうな常連の男どもが、小さな町の大切な仲間だといった気持ちで仲間の想いを大切に応援していく。

 人と人、魂と魂の関係なんだなと思えるすばらしい街の仲間。

 死期の近いことを知っているおじさんの彼に対する言葉が素敵だった。

「何か言っておきたいことがあるのじゃないか?俺はもうすぐ死んで、向こうでお前の両親に会う。その時にお前が自分をしっかり持って生きていると伝えたいぞ」

と内気な彼に「カミングアウトをしておいで」とやさしく遠まわしに伝える場念がある。カミングアウトは自己確立ができていないと出来ない。そのことを祖父さんは心配しているのだ。

そんな不安定なことでどうする、自分をしっかり持て!主張せよ、そんなことで一人でやっていけるのか?

 そんな愛情を感じた。その愛情に応えることが孝行なことなのだとも思えるシーン。素敵だった。

 ゆっくりとした時間の流れに安らぎを感じる、本当に夢のような楽園であった。

 大人のおとぎ話・・・こんなおとぎ話も素直にいいね。

で、ノンケの彼は本当にヘテロなのかどうかは分からない中途半端な存在。女性も気になっているし…隠れゲイなのか、バイセクシャルなのか。分からなかった、見た人で想像できている人いるかな?

この映画、機会があれば是非見てほしいな~。

 BSかケーブルのチャンネルでゲイ映画特集なんかあるといいのにね、そんな機会でもないと見ること出来ない気がする。
 
 しっとり良く出来た作品なんだよね、そっと大切に包んでおきたいような、ね。

コメント
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