中学3年の子がプロの詩を盗んで
コンテストで優勝してたそうで
そのオリジナルの詩があったので読んだ
確かに凄い詩だわ、中学では書けんよね
人はみな同じような生き方をしてるのかもな~
以下転写
「穴」 Kazu.
なにをそんなに怯えているのか
ここはわたし以外には誰もいないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵は満月 月の光が満ちているというのに
幼子の覚束ない行進のように
わたしは背を押されて躓く囚人の列にいた
罪状は知らされず
理不尽な拘束のまま
わたしには穴を掘る罰が科せられていた
だから今日一日 穴を掘った
(明日もまた一日中 穴を掘らねばならぬ)
なぜ穴を掘ることがわたしを甦生させるのか
その穴と刑との因果関係を量ろうとするのだ
が
わたしの声は声にはならず伸吟するばかりで
そして自分が発した声ではない声を耳にして
いっそう後悔するのであった
それはわたしがわたしを生かす唯一の道が
罰としての穴を掘り続けることでしかない
ことを自覚するからであった
なにをそんなに怯えているのか
ここには穴を掘るための道具がないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵月明かりに影だけは醒めているというのに
夜中
どこからかまた伸吟する声に目覚めた
日中の喧騒に掻き消されていたものが
夜のしじまに浮かびあがってきたものか
なにかがどこかで傷ついている
もしかしたら
昼間わたしに掘られた穴が
深いところで病んでいて
ひっそりと泣いていたのかもしれない
遠い日
下校時に君と別れたいつもの街角に
今日 掘削機のメスが走り
喪服の女 禿頭の僧侶
野良犬にいたるのでが一様に躓いていた
あの日もちょうど
穴は今日のように掘られていて
君とわたしは一緒にその深淵を覗いていた
君はわたしよりいつも満月のように明るくて
一瞬
わたしは君を突き落としたい衝動に駆られていた
(あの日からずっとわたしの内の深いところに穴がある)
なにをそんなに怯えているのか
なにをそんなに憂いているのか
昨日 君の訃報を知った
コンテストで優勝してたそうで
そのオリジナルの詩があったので読んだ
確かに凄い詩だわ、中学では書けんよね
人はみな同じような生き方をしてるのかもな~
以下転写
「穴」 Kazu.
なにをそんなに怯えているのか
ここはわたし以外には誰もいないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵は満月 月の光が満ちているというのに
幼子の覚束ない行進のように
わたしは背を押されて躓く囚人の列にいた
罪状は知らされず
理不尽な拘束のまま
わたしには穴を掘る罰が科せられていた
だから今日一日 穴を掘った
(明日もまた一日中 穴を掘らねばならぬ)
なぜ穴を掘ることがわたしを甦生させるのか
その穴と刑との因果関係を量ろうとするのだ
が
わたしの声は声にはならず伸吟するばかりで
そして自分が発した声ではない声を耳にして
いっそう後悔するのであった
それはわたしがわたしを生かす唯一の道が
罰としての穴を掘り続けることでしかない
ことを自覚するからであった
なにをそんなに怯えているのか
ここには穴を掘るための道具がないというのに
なにをそんなに憂いているのか
今宵月明かりに影だけは醒めているというのに
夜中
どこからかまた伸吟する声に目覚めた
日中の喧騒に掻き消されていたものが
夜のしじまに浮かびあがってきたものか
なにかがどこかで傷ついている
もしかしたら
昼間わたしに掘られた穴が
深いところで病んでいて
ひっそりと泣いていたのかもしれない
遠い日
下校時に君と別れたいつもの街角に
今日 掘削機のメスが走り
喪服の女 禿頭の僧侶
野良犬にいたるのでが一様に躓いていた
あの日もちょうど
穴は今日のように掘られていて
君とわたしは一緒にその深淵を覗いていた
君はわたしよりいつも満月のように明るくて
一瞬
わたしは君を突き落としたい衝動に駆られていた
(あの日からずっとわたしの内の深いところに穴がある)
なにをそんなに怯えているのか
なにをそんなに憂いているのか
昨日 君の訃報を知った