ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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明けましておめでとうございます

2018-01-08 01:12:11 | Weblog

本年もどうぞよろしくお願いします

 

年始早々ですが、ちょっと専門的な「お話し」です

先日ピアノのタッチと音に関してお客様より質問があったので

その「話し」の一部を書いてみたいと思います

 

ピアノは鍵盤の深さが約10mmから10.5mmか、もう少し0.1か0.2深く浅く出来るかも知れませんが

まぁだいたいその範囲内が鍵盤の深さ

 

ピアノの弦を叩くハンマーの稼働距離が46~48か、もうこれも0.2mmぐらい前後できるかも

という事は1対5ぐらいと単純に考えると鍵盤を弾くと中身がそれだけ動くのかと思いますよね

でも、実際はそこに、鍵盤の動きを多めに、少し余った分を付ける必要があるのです

これをアフタータッチと呼びます

この量をコントロールする事を我々は心掛けています

 

この量が多いと、「ちょっと締りの無いダルいような」タッチに感じ

反対に少ないと「あれ?これ満足感に乏しい」と感じるタッチになります

鍵盤のフェルトが磨り減ってくると、左右のガタツキでロスが生じます

それで、このアフタータッチの量がバラツキます

そうなると、古いピアノ感が出てきてしまいます。

 

そこで先日鍵盤についているフェルトの交換修理を致しましたところ

お客様はそのタッチの変化に驚かれ

「ピアノが新しくなったみたい」と喜んで頂けました

 

作業時間は少し掛かるので、3日ほどピアノが弾けなくなりますが

比較的安価な修理で効果が絶大

 

なぜ、そんなに生れ変わったかのように感じたかというと

この「アフタータッチを揃える事が出来るようになったから」という説明を致しました

でもそれだけではない「秘密の隠し味」もあったりするのですが

 

ピアノを弾くとき指が何を感じるか

触れた瞬間に抵抗とか沈んでゆくフィーリングを感じ、押してゆく途中でダンパーの重みを感じ

そして弦に当たる前に逃げるロスを感じ、バックチェックに受けられるキャッチを感じ

それらをどのタイミングでどういう風に感じるように仕上げるかが我々の楽しい作業でもあったりします

 

今年もいっぱいピアノを心地良く直したいです。がんばろっと


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