ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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BEATLESとピアノ

2011-05-30 15:15:09 | Weblog
THE BEATLES Remasters! /// 9. You Never Give Me Your Money - (A ROAD) - (STEREO Remastered 2009)


2009年にCDがリマスターされて音が格段に良くなり
それ以前でも音に評価の高かったアルバム「アビーロード」でさえ
更にその良さを認識できるものになった
ヘッドフォーンで何度聴いても飽きが来ない

自分の職業柄、ピアノについて書いてみようかと思う
アルバム「Let It Be」以外の(この時はブルッツナー使用なので)
ビートルズのほとんどの使用ピアノは
アビーロードスタジオ据付のピアノ(スタインウェイ)
大きさはヤマハで言うところのC6クラスのもの
奥行きが212センチ程度のものであると推測する
音的にフルコンサートでは無さそうだし
C7の227センチある音ともまた違う
ちょうどC6の音感と似ているのでそう思う

スタインウェイのNO1で212センチ
B型が211センチなので
おそらくその辺りの後継機種の大きさでは無いだろうか
フルコンサートもありだと思うけど
録音はこれぐらいが良いように個人的に思う

スタジオなのでおそらく週1か、2週に1回は
調律されてるものと思う
ビートルズはピアノを多く使うバンドだったが
たいがい狂ってる状態は聴けない
意図的にホンキートンクとして
縦型ピアノだと思うが狂わせたものを用意されてるようだけど
それは論外
ちなみに「Let it be」のピアノのコンディションも少しやばいけど

アビーロードスタジオの時はちゃんと管理されてるので
コンディションの良さにいつも感心するが
めずらしいのはこのアルバム「アビーロード」の
「ユー・ネバー・ギブ・ミー・ユア・マネー」という曲の
イントロから使われてるピアノが少し調律が危ない
おそらく調整から1週間目か2週間目なのだろう
曲の内容が「お金をくれない」とかいう内容で
自分達の経営する会社アップルが火の車という事を歌ってるので
狂い気味が内容と一致すると意図的にやったかどうかは
考えすぎかも知れないけど

しかしいつも感心するのは
音の定位とか音質とか見事にフィットしている
このオーディオ技術の過渡期に
後世に残せる音を作ってきた
エンジニア達に本当に拍手を送りたい
ジェフ・エメリックかな?
本も出てるそうだ、さっき衝動買いしてしまった~

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