関西の旅行から帰着して1週間が経った。記憶を頼りに旅行記を続ける。最初に訪れたのは法隆寺。我が家の前に住んでおられたお嬢さんが嫁がれて法隆寺の近くに住んでおられたので久しぶりに再会。車で送り迎えをしていただいた。僕の時と同じで修学旅行の学生の群れの中を歩く。とにかく広い。もう一度見たかった仏像百済観音に再会。やはり独特の雰囲気があり一度見たら忘れ難い。造られたのは飛鳥時代7世紀前半~中期、作者は不明。名称から朝鮮半島から伝わったものかと思ってしまうが日本産の楠木で造られており日本で制作されたものと考えられている由。近世から明治時代までは虚空蔵菩薩と称されていた。容貌が日本人離れしているせいか朝鮮風な観音様だな~てなことで百済観音を称されるようになったそうだ。
NHK大河ドラマ「光る君へ」の興味から読み始めたが、いつも児童向けの本しか読んでいない僕には全5巻を読破するのは骨が折れた。詠まれている和歌には現代語の訳がついているものの一応和歌については原文も目を通さなければ読み進めないのでとっても疲れた。この本は後に紫式部と呼ばれる香子の物語と源氏物語が同時並行的に進んで行く構成となっている。源氏物語の話の筋はいくつかの現代語訳で承知していたが54帖書き進むその時点、時点の香子の心持が慮れてとても面白かった。テレビを見た後か事前の一読をお薦めしたい。ドラマがもっとたのしめるでしょう。全5巻はかなりの文字数量となるので覚悟されたし。
千年読み継がれる物語は、かくして生まれた――
帚木文学の集大成にして最高到達点の長編小説〈全五巻〉
父や祖母の薫陶を受けて育った香子(紫式部)は、「いつの日か、『蜻蛉日記』を超えるものを書いてほしい」という早世した姉の想いを胸に、物語への素養を深めていく。夫との短い結婚生活、家族とともに向かった越前での暮らし……その中で、香子はまったく新しい物語を紡いでいく。香子の人生とともに、1巻では『源氏物語』「桐壺」~「末摘花」の帖についても描き出した、著者渾身の長編小説。
著者について
1947年、福岡県生まれ。精神科医、医学博士。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学ぶ。