おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


長興山 稲葉一族の墓と樹叢を歩く

2021年12月04日 23時34分00秒 | 小田原のいろいろ
長興山は紹太寺の山号である。
紹太寺から徒歩10分くらいの山中に小田原市指定天然記念物のしだれ桜があり「長興山のしだれ桜」として近隣で有名なので、寺の名より長興山という山号の方がよく知られている。

(画像は紹太寺ウェブサイトより)
紹太寺は小田原藩主稲葉正則が寛文9(1669)にこの地に建てた一族の菩提寺で、七堂伽藍を備え、黄檗宗では関東一と言われた。

残念ながら幕末の火災でほとんどの建物は失われたが、
大伽藍のあったところは現在そのまま畑になってるし、一族の墓石も位置もそのままだし、おまけに開山の鉄牛和尚ゆかりの樹叢も昔ながらの姿を留めている。

長興山といえばしだれ桜しか知らない方達がほとんどだろうが、実は桜の季節以外も十分に散策の楽しめる自然と歴史に溢れた場所なのである。



寺を出てすぐのところにある「母の里石段公苑」入り口の階段。
稲葉一族の墓地や樹叢やしだれ桜含む長興山敷地の総称らしい。
この母というのは稲葉氏出身の春日局のこと。


階段はつらい。上から振り返ると怖い。



第二の階段。
ほんとつらい。こんな感じで全部で300段以上。
最近なるべく階段避けてたのに久しぶりに一気にやってしまった感。
これじゃ膝痛治らないよね。



階段の途中に石地蔵跡。




ここには池があった。橋は昔のままの姿で残ってる。


主要伽藍跡

たぶんここは禅堂があったあたりじゃないかと。 



伽藍跡は畑になってる。いつか発掘調査してほしい。


最後の階段。
この先が稲葉一族の墓。




階段の手前、このあたりに立っていた木の名を記した刻銘石。
左の瓔珞桜というのがしだれ桜のこと。


荘厳な空気に気持ちが引き締まる
この右手には御霊屋の建物があった。





春日局の墓(供養塔)は中央の大きな五輪塔。
これらの石塔は平成26年に倒木により崩れ修復に3年かかってしまい、その間は立ち入り禁止となっていた。



墓を出て樹叢へ向かう。
次々と刻銘石が現れる。





ここから500メートル登ったところに牛臥石がある。
私は何年か前に一度チャレンジしたのだけど急な沢道で途中道なき道になったり、疲れ切ってしまい挫折して戻った。
この日ももちろん行かない。というか行けない。



鉄牛和尚の寿塔。
ごめんなさい。今日はもう階段無理なので下から手を合わせた。





写真では伝えきれないこの素敵な雰囲気。






帰り道はしだれ桜の前の道路を下った。

樹齢350年を越えるしだれ桜はこの季節に見るといかにも老木といった具合で痛々しく寂しげ。

これからもどうか元気で美しい花を咲かせ続けてほしい。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。