株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
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その291.ひょっとして過酷な長期ロードはまだ続く?

2016-10-09 11:27:26 | 制作会社社長の憂い漫遊記
落ち着く間ってか、疲れが取れやらぬ間に、週明けは成田ロケ。
またも台風18号の接近する中、伊丹空港に向かう。
夜21時頃に近畿に最接近だから、
その6時間ほど前に東に逃げるカタチになる。
今日は移動とロケハンで、明日がロケ。
幸いにも部屋ロケなので余程の事がない限り撮影は可能だ。
今回も先週に続きラッキーウィークかもしれない。
台風を尻目に何とか伊丹空港を飛び立つ。
さすがに台風の影響で雲は厚く、着陸体制に入ってからは
ズーッと揺れている。ガタギシガタギシ。
けっこう飛行機に乗る私にとって三回目の「落ちるかも」予感。
身がすくむ30分間だったが、無事に成田空港着陸。

さて今回のカメラマンは、何かと私とかかわり合いのある小野寺君だ。
器用なのだが生き方はいたって不器用な男だ。
果たして生涯カメラマンとして生きていけるのか心配する。
かっては企業映像制作でも監督の私の回りには
5~6人のスタッフが金魚の糞のごとくついて回り、
ドキュメント系監督の私は人員削減に躍起になったものだ。
ところが昨今は、撮影機材が高性能・小型軽量化し、
それに比例して撮影スタッフも削減、ついにワンマンとなってしまった。
カメラマンは助手なし、録音マン兼照明マン兼荷物係で、
監督以上の重労働を強いられている。
しかも映像と音声の責任も課せられ、様々な知識と体力は言うに及ばず、
とてつもない忍耐力が求められるようになった。
年寄りにはもはや取材系カメラマンはできない。
監督も同様で、ドキュメント系はカメラマンと二人で
取材するようになってしまった。
こうなると監督とは名ばかりで、実態は荷物係兼運転手となる。
機材の向上で取材方法に広がりは出たが、
人にかかる負担は大きくなる一方だ。が、ギャラはむしろ下がっている。
かって私を育てた安達弘太郎プロデューサーはスタッフの単価について
「彼らは毎日働く訳ではないので単価は一般的な仕事よりも高くなる。
特殊技能であり、また打合せや考える準備期間も必要なので
日当は高くて当たり前(しかし年収は低い)」
と説明してくれ、私は納得した。
しかし今ではそのロジックは伝わりにくい。
なぜなら機材が安価になり、素人でも買えるようになった。
しかも下手をすれば時間をかけて作れる分、
素人の方がすごい作品を作ってしまう。
それでもプロはプロ。
「仕事があるだけマシ」などと嘆いてばかりおらず、
さらなる情熱と技術向上に加え、
多少の賃金闘争もしなければ干上がってしまう。
ちなみに私がこの世界に入って35年、
ギャラは下がり続けて現在底値。
横ばい時期はあったものの、ただの一度も上昇はない。
しかし責任とカロリー消費量は、上昇の一途である。
何とも痛ましい業界である。

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