私がこの業界に入ったころはフィルムが主流で、
スタッフはほぼ男性だった。
しばらくしてビデオが登場すると
ビデオ制作会社が雨後の筍のごとく出現し、価格競争に突入する。
と同時に低賃金、長時間労働が蔓延し、業界は完全ブラック化。
一生涯をかける仕事ではないと
安定を求める男どもは業界に見切りをつけ、
替わって現場にはモノ作りに燃える女性スタッフが台頭してきた。
さすがに肉体労働の撮影部や照明部は男性スタッフだったが
(今では撮影部も照明部も女性が多くなっている)
制作助手や演出助手に女性スタッフが混じり始めた。
私は25才から主にPR映像で約10年間フリーで演出をしたが、その間
助監督やプロデューサー補に制作会社の女性スタッフがついている。
その子達がやがてフリーになり、
何人かが女流監督としてデビューした。
私もシリーズ物の共同演出でこれまで3人の女流監督と仕事をしている。
(今でPR映像業界、は男も女もフリーの演出はほぼゼロ)
一般社会では「女だてらに」「女のくせに」という
女性に対する枕言葉が当たり前だった時代だったが、
私の育った業界ではその枕言葉を聞いた記憶がない。
要は仕事ができるか、できないか、体力があるか、ないかは
個人の力量であり、性別は関係ないという世界だったからだろう。
それでも現場は圧倒的な男所帯だった。
シリーズ物の作品に、男性2名、女性1名の共同演出を企てた
当時のプロデューサーは「女性ならでは」と打上げで宣ったが
当時の私には理解できなかった。
確かに映像の中に挿入するイラストやCGでは
女性のタッチが如実に出るが
現場を仕切る演出に男も女もない!と
当時の私は思っていた。
まぁライバル心でムキになっていたからだが。
(実際は微妙に違いは出るが、全員女性スタッフなら如実に出る)
フリーから10年後、会社を興してみると、人件費が重くのしかかり
情けないが男性を雇う勇気も財力もなく、女性を採用した。
しかし頼りにしていた社員番号1番に寿退社されて始めて
「こりゃマズい」と社員番号3番で男性を採用した。
少し落ち着いた頃、社員番号5番で女性を採用したが、
今度は社員番号3番と社内結婚でまたも寿退社。
以降女性の採用は控え、男性のみとした。
男性にとって結婚は励みになるが
女性にとって結婚はほとんどの場合、退社を意味する。
もちろん結婚相手にもよるが、
我が国の賢母による「一人っ子政策」下で育った男子は
「結婚したら子供を産んで家庭に入る」をヨシとしてる。
結婚しても継続して働いてくれれば良いものを・・・
零細企業にとって採用は悩みだ。
女性が社内に入ると空気が和むが、
それだけの理由で採用するほど余裕はない。
起業して約25年。男性社員がみな成長し、
一人で差配できるようになってきたので、
再度女性を採用するならと今だと、考えていたが
1年で寿退社されたらタマッタものではない。大損害だ。
しかし5年も経って戦力となった頃に寿退社されたら、
もっとタマッタものではない。後釜は零細企業にはいない。
それでも男所帯だからこそ「女性ならでは」に期待する。
しかし、あくまでも男性社員に張り合うだけのチカラをつけた
女性社員に成長して始めて
「女性ならでは」を発揮してもらえるのであり、
それまでに寿退社されたのでは、絵に書いた餅。
男性社員は結婚を機に益々気力が充実するが、
女性社員はあっさり退職する。
「結婚しても続けるか?」と聞くまでもない。
続けてくれればよいものをと思うが、考えてみれば採用時に
そういう一途な女性を選んでいるからかもしれない。
仕事に一途な女性は恋愛にも一途。
だからか我が社を寿退社した女性は皆さん、
いいおかあちゃんに成長している。
昨年、本当に久方ぶりの女性を採用した。
モノづくりの職能集団の
零細企業にとって寿退社の危険がある女性の採用は
大きな声では言えないが差し控えたいというのが本音だ。
以前富山で仕事をした折に
「県内の優秀な男性は皆東京の企業に就職する。
優秀な人となると断然女性だ。だからウチは女性が幹部になっている」
と聞いたことがある。確かに大阪という都会でも
最近は何だか男性よりも女性の方がパワーがある。
傾向として男性は甘っちょろい夢で将来を語るが
女性はズバッと直球で攻めてくる。
「女性ならでは」を社内の風として取り入れたい私にとって
女性社員の採用は企業の成熟期への挑戦と考えている。
実際に採用してみると、
男所帯に花が咲いたようで社内の空気も上々だが如何せん若い。
これも偏見かもしれないが、総じて女性の方が勝ち気で
やる気旺盛で、頭が良いが、他人を意識しすぎる傾向にある。
「バカにされたくない」という思いが強く、
それを表情や態度に出してしまう。
ベテラン監督からすると「物の考え方が若い」となる。
ただしいい面もある。それは「怖いもの知らず」。
必ず打たれる時がくる。大きく動けば動くほど大きく打たれる。
それまでは持ち前の頑張り屋をフル動員してくれればよい。
今頑張れば打たれた時のダメージも少なくなる。
まずは仕事を覚えることだと期待していた矢先の年も押し迫った頃
なんと「結婚します。寿です」と告げられる。
オイオイ、採用して一年も経ってないよ。
またも寿退社の悲劇が当社を襲う。
今回は彼女と同じ頃に男性社員も採用していたし
彼もまた優秀なので、後釜採用を慌ててすることもないが
「女性ならでは」を発揮してもらう前の寿退社はつくづくツライ。
弊社の成熟企業へのチャレンジはまたも頓挫した。
さて次の採用はどうしたものか?懲りずに女性を採用するか?
男所帯を貫くか?
でも採用はします。もちろん女性も大歓迎!男も頑張れ!
ぜひ面接応募ください。
※本文の一部に「男女雇用均等法」的には問題あり発言ですが
採用に苦しむ零細企業社長の呟きでもあります。
スタッフはほぼ男性だった。
しばらくしてビデオが登場すると
ビデオ制作会社が雨後の筍のごとく出現し、価格競争に突入する。
と同時に低賃金、長時間労働が蔓延し、業界は完全ブラック化。
一生涯をかける仕事ではないと
安定を求める男どもは業界に見切りをつけ、
替わって現場にはモノ作りに燃える女性スタッフが台頭してきた。
さすがに肉体労働の撮影部や照明部は男性スタッフだったが
(今では撮影部も照明部も女性が多くなっている)
制作助手や演出助手に女性スタッフが混じり始めた。
私は25才から主にPR映像で約10年間フリーで演出をしたが、その間
助監督やプロデューサー補に制作会社の女性スタッフがついている。
その子達がやがてフリーになり、
何人かが女流監督としてデビューした。
私もシリーズ物の共同演出でこれまで3人の女流監督と仕事をしている。
(今でPR映像業界、は男も女もフリーの演出はほぼゼロ)
一般社会では「女だてらに」「女のくせに」という
女性に対する枕言葉が当たり前だった時代だったが、
私の育った業界ではその枕言葉を聞いた記憶がない。
要は仕事ができるか、できないか、体力があるか、ないかは
個人の力量であり、性別は関係ないという世界だったからだろう。
それでも現場は圧倒的な男所帯だった。
シリーズ物の作品に、男性2名、女性1名の共同演出を企てた
当時のプロデューサーは「女性ならでは」と打上げで宣ったが
当時の私には理解できなかった。
確かに映像の中に挿入するイラストやCGでは
女性のタッチが如実に出るが
現場を仕切る演出に男も女もない!と
当時の私は思っていた。
まぁライバル心でムキになっていたからだが。
(実際は微妙に違いは出るが、全員女性スタッフなら如実に出る)
フリーから10年後、会社を興してみると、人件費が重くのしかかり
情けないが男性を雇う勇気も財力もなく、女性を採用した。
しかし頼りにしていた社員番号1番に寿退社されて始めて
「こりゃマズい」と社員番号3番で男性を採用した。
少し落ち着いた頃、社員番号5番で女性を採用したが、
今度は社員番号3番と社内結婚でまたも寿退社。
以降女性の採用は控え、男性のみとした。
男性にとって結婚は励みになるが
女性にとって結婚はほとんどの場合、退社を意味する。
もちろん結婚相手にもよるが、
我が国の賢母による「一人っ子政策」下で育った男子は
「結婚したら子供を産んで家庭に入る」をヨシとしてる。
結婚しても継続して働いてくれれば良いものを・・・
零細企業にとって採用は悩みだ。
女性が社内に入ると空気が和むが、
それだけの理由で採用するほど余裕はない。
起業して約25年。男性社員がみな成長し、
一人で差配できるようになってきたので、
再度女性を採用するならと今だと、考えていたが
1年で寿退社されたらタマッタものではない。大損害だ。
しかし5年も経って戦力となった頃に寿退社されたら、
もっとタマッタものではない。後釜は零細企業にはいない。
それでも男所帯だからこそ「女性ならでは」に期待する。
しかし、あくまでも男性社員に張り合うだけのチカラをつけた
女性社員に成長して始めて
「女性ならでは」を発揮してもらえるのであり、
それまでに寿退社されたのでは、絵に書いた餅。
男性社員は結婚を機に益々気力が充実するが、
女性社員はあっさり退職する。
「結婚しても続けるか?」と聞くまでもない。
続けてくれればよいものをと思うが、考えてみれば採用時に
そういう一途な女性を選んでいるからかもしれない。
仕事に一途な女性は恋愛にも一途。
だからか我が社を寿退社した女性は皆さん、
いいおかあちゃんに成長している。
昨年、本当に久方ぶりの女性を採用した。
モノづくりの職能集団の
零細企業にとって寿退社の危険がある女性の採用は
大きな声では言えないが差し控えたいというのが本音だ。
以前富山で仕事をした折に
「県内の優秀な男性は皆東京の企業に就職する。
優秀な人となると断然女性だ。だからウチは女性が幹部になっている」
と聞いたことがある。確かに大阪という都会でも
最近は何だか男性よりも女性の方がパワーがある。
傾向として男性は甘っちょろい夢で将来を語るが
女性はズバッと直球で攻めてくる。
「女性ならでは」を社内の風として取り入れたい私にとって
女性社員の採用は企業の成熟期への挑戦と考えている。
実際に採用してみると、
男所帯に花が咲いたようで社内の空気も上々だが如何せん若い。
これも偏見かもしれないが、総じて女性の方が勝ち気で
やる気旺盛で、頭が良いが、他人を意識しすぎる傾向にある。
「バカにされたくない」という思いが強く、
それを表情や態度に出してしまう。
ベテラン監督からすると「物の考え方が若い」となる。
ただしいい面もある。それは「怖いもの知らず」。
必ず打たれる時がくる。大きく動けば動くほど大きく打たれる。
それまでは持ち前の頑張り屋をフル動員してくれればよい。
今頑張れば打たれた時のダメージも少なくなる。
まずは仕事を覚えることだと期待していた矢先の年も押し迫った頃
なんと「結婚します。寿です」と告げられる。
オイオイ、採用して一年も経ってないよ。
またも寿退社の悲劇が当社を襲う。
今回は彼女と同じ頃に男性社員も採用していたし
彼もまた優秀なので、後釜採用を慌ててすることもないが
「女性ならでは」を発揮してもらう前の寿退社はつくづくツライ。
弊社の成熟企業へのチャレンジはまたも頓挫した。
さて次の採用はどうしたものか?懲りずに女性を採用するか?
男所帯を貫くか?
でも採用はします。もちろん女性も大歓迎!男も頑張れ!
ぜひ面接応募ください。
※本文の一部に「男女雇用均等法」的には問題あり発言ですが
採用に苦しむ零細企業社長の呟きでもあります。
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