今から30年前、PR映像の主メディアは
16mmフィルムだった。
ビデオのように音は録れず、映像のみ。
撮影フィルムをポジに焼いて
監督がポジをつないで粗編集していた。
監督は何度も粗編集を繰り返し、
キッたりハッたりして形を整えていく。
基本的には捨てる作業を繰り返すが、
時々「あのカットを復活したい」と思い直すことがあり
その時はごみ箱からの大復旧作業をすることになる。
「整理とは捨てること」だが
捨てたものが恋しくなる時がある。恋愛も編集も同じだ。
監督といえど人間。
捨てたけど大丈夫?
ちゃんとつながってる?
常に冷静に自分の思い込みと闘うが、時々不安になる。
そのたびにカメラマンや助監督は召集され意見を述べさせる。
今からすれば面倒な召集だったが、
監督は当然の権利として召集し、客観的な意見を取り入れて
作品をシェープアップしていく。
私は今でもこの手法が気に入っており、
少なくとも2回は粗編集を助監督に見せて意見を聞く。
最近はスピードが求められ、
じっくり練った作品が少なくなった。
もっとも大切な粗編集にかける時間が削ぎ落とされ納期優先。
そのため社内粗編集試写は影を潜め、
完成作は見せてくれるが
途中経過を「見てくれ」ということが減った。
社長の私が
「いつの間に納品したの?」ということすらある。
さて、私の担当する基本編は、
週末にドキュメンタリー部分を完成させており、
川村チーフが編集したドラマ部分と合体させる作業が
5日朝には完了との報告を受けたので、早速見てみる。
川村チーフのドラマ部分の編集確認と、
それに私のドキュメンタリー部分が
しっくり馴染んでいるのかをチェックする。
なぜなら私が監督だからだ。
しかし川村チーフもドラマ部分を編集して
鼻イキが上がっている。
私のドキュメンタリー部分にNGを出す権利はある。
どやろか・・・
やはりドラマ部分のつなぎに一部難があった。
初めてだから仕方ないが、
台詞に併せてカットを切り替えるので
逆につながり感がない。
20箇所ほど修正指示したが、
私は指示後別件で打合せがあり、
昼一で帰社して再度見てみことに。
川村チーフはやはり筋が良い。
私の走り書きしたメモを読み説き、
ほぼ指示通りに修正している。
恐らく自分で編集しながら
違和感を感じていたのだろう。
私の指示に的確に反応している。
そればかりか、私の編集したドキュメンタリー部分に挿入した
文字の字体や級数、あしらいをドラマ部分と統一修正していた。
こういう機転が助監督には無くてはならない。
これなら秋の応用編は監督としてやれると感じた。
5日、晴れ。
いつものように愛車にまたがり出社。
私の修正指示を川村チーフが手直しして、
6日に行田監督の編集したイメージ編と基本編の
社内試写を行なうことにした。
撮影は2日間でイメージ編と基本編の
2本分をまとめて撮った。
それぞれの使い方に矛盾がないか、
意味合いに違いがないか、用語の使い方が異ならないか、
などをお互いに確認し合いたい。
プロデューサーとしては
両方共に見られる作品になっているのかが一番気がかりだ。
スポンサー試写の11日までには時間はある。
6日に社内試写をしておけば、
スポンサー試写までに手直しもできる。
6日13時。雨。社内試写スタート。
行田監督には申し訳ないが、基本編は完成したも同然。
しかし、行田監督の意見も聴きたい。
もちろん私と川村チーフと森田セカンドは、
行田監督の編集したイメージ編を初めて見る。
私はプロデューサー兼脚本担当として
イメージ編を適切に評価しなければならない。
どやろか・・・
多田的修正はあったが、心配ご無用、ええ感じでした。
基本編への助言も行田監督からもらい、
さらに良くなることは間違いなし。
この上がりなら、11日の試写はまず乗り切れるとみた。
相互のスケジュールを確認し、録音は21日に決定させた。
あと2~3日したら頭がリセットできる。
そしたらもう一度、
私一人でこっそり粗編集試写を敢行する。
それで問題なければココロの工程表に
「完了」印を押して11日のスポンサー試写に挑む。
「権藤、権藤、雨、権藤」という
大好きなフレーズ風に言えば相当ゴロは悪いが、
「社内試写、社内試写、一人試写、スポンサー試写」
16mmフィルムだった。
ビデオのように音は録れず、映像のみ。
撮影フィルムをポジに焼いて
監督がポジをつないで粗編集していた。
監督は何度も粗編集を繰り返し、
キッたりハッたりして形を整えていく。
基本的には捨てる作業を繰り返すが、
時々「あのカットを復活したい」と思い直すことがあり
その時はごみ箱からの大復旧作業をすることになる。
「整理とは捨てること」だが
捨てたものが恋しくなる時がある。恋愛も編集も同じだ。
監督といえど人間。
捨てたけど大丈夫?
ちゃんとつながってる?
常に冷静に自分の思い込みと闘うが、時々不安になる。
そのたびにカメラマンや助監督は召集され意見を述べさせる。
今からすれば面倒な召集だったが、
監督は当然の権利として召集し、客観的な意見を取り入れて
作品をシェープアップしていく。
私は今でもこの手法が気に入っており、
少なくとも2回は粗編集を助監督に見せて意見を聞く。
最近はスピードが求められ、
じっくり練った作品が少なくなった。
もっとも大切な粗編集にかける時間が削ぎ落とされ納期優先。
そのため社内粗編集試写は影を潜め、
完成作は見せてくれるが
途中経過を「見てくれ」ということが減った。
社長の私が
「いつの間に納品したの?」ということすらある。
さて、私の担当する基本編は、
週末にドキュメンタリー部分を完成させており、
川村チーフが編集したドラマ部分と合体させる作業が
5日朝には完了との報告を受けたので、早速見てみる。
川村チーフのドラマ部分の編集確認と、
それに私のドキュメンタリー部分が
しっくり馴染んでいるのかをチェックする。
なぜなら私が監督だからだ。
しかし川村チーフもドラマ部分を編集して
鼻イキが上がっている。
私のドキュメンタリー部分にNGを出す権利はある。
どやろか・・・
やはりドラマ部分のつなぎに一部難があった。
初めてだから仕方ないが、
台詞に併せてカットを切り替えるので
逆につながり感がない。
20箇所ほど修正指示したが、
私は指示後別件で打合せがあり、
昼一で帰社して再度見てみことに。
川村チーフはやはり筋が良い。
私の走り書きしたメモを読み説き、
ほぼ指示通りに修正している。
恐らく自分で編集しながら
違和感を感じていたのだろう。
私の指示に的確に反応している。
そればかりか、私の編集したドキュメンタリー部分に挿入した
文字の字体や級数、あしらいをドラマ部分と統一修正していた。
こういう機転が助監督には無くてはならない。
これなら秋の応用編は監督としてやれると感じた。
5日、晴れ。
いつものように愛車にまたがり出社。
私の修正指示を川村チーフが手直しして、
6日に行田監督の編集したイメージ編と基本編の
社内試写を行なうことにした。
撮影は2日間でイメージ編と基本編の
2本分をまとめて撮った。
それぞれの使い方に矛盾がないか、
意味合いに違いがないか、用語の使い方が異ならないか、
などをお互いに確認し合いたい。
プロデューサーとしては
両方共に見られる作品になっているのかが一番気がかりだ。
スポンサー試写の11日までには時間はある。
6日に社内試写をしておけば、
スポンサー試写までに手直しもできる。
6日13時。雨。社内試写スタート。
行田監督には申し訳ないが、基本編は完成したも同然。
しかし、行田監督の意見も聴きたい。
もちろん私と川村チーフと森田セカンドは、
行田監督の編集したイメージ編を初めて見る。
私はプロデューサー兼脚本担当として
イメージ編を適切に評価しなければならない。
どやろか・・・
多田的修正はあったが、心配ご無用、ええ感じでした。
基本編への助言も行田監督からもらい、
さらに良くなることは間違いなし。
この上がりなら、11日の試写はまず乗り切れるとみた。
相互のスケジュールを確認し、録音は21日に決定させた。
あと2~3日したら頭がリセットできる。
そしたらもう一度、
私一人でこっそり粗編集試写を敢行する。
それで問題なければココロの工程表に
「完了」印を押して11日のスポンサー試写に挑む。
「権藤、権藤、雨、権藤」という
大好きなフレーズ風に言えば相当ゴロは悪いが、
「社内試写、社内試写、一人試写、スポンサー試写」
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