白い月

白い月

天の時

2016-10-16 14:24:41 | 心事ポエム
どうしても譲れない道

すれ違いざまに肩が触れた

流れ星を創る十三夜


回廊に射し込んで怯む懈怠 

二度とない午後の仮睡 

杜から来て 杜に還る人に

声をかけてはいけない


何を視 何を聴き 何に哭いたか

澱んだ眼差しの奥に燃えあがる

誰にも告げないで死んでゆく昏い陽炎


あれから半年、あれから三年・・・二十六年・・・

折々に得るふさわしい時の正命

今日の満月が潔く その時を告げる

告知

2016-10-02 18:45:48 | 心事ポエム
隠れ住む杜の主に

ささやかな敬意を祓い    

秋の終わりの息災の顛末を告げる


何事も見逃さない瞳を開き

重なる嘘 移り気な善意 根拠なき確信 

しかと見つめた筈だけど・・・


この部屋にはもう似合わない

緑色の椅子とパイプも解き放とうか

声を失くした山鳩の行方をも気にかかる


気を惹く病葉

日に日に積み重なる 

駆け上がる涯を目指す白い道はまぼろし。


わたしを曳いてゆく月よ

轍が一層深くなった 

ゆうべは冷たい雨が降った


心にもなく ふわふわと 

みんなが不機嫌 みんなが不寛容・・・と

うそぶく時代を 今暫し生きていよう