今日は何を残し 何を捨てる?
何も見ていない風の気まぐれも
すがすがしい沈黙をも許すのは
眩しく光る お前の順心
まがまがしい 警告音、電子音を消す。
ひたすら教えを乞う求道の童子の旅は遥か
わたしはあなたの同行者になりたい
ひとり海から生まれ ひとり海に死ぬ
出自を窺う人魚の恋物語読みながら
澄んだ空き地に開く朱い花を想う
見抜かれていた 下手な言い訳
傍に居て欲しいだけの老女の真昼
居心地の悪さはいつまで続くの?
闘争の連鎖に終わりは無い
鬱々と晴れぬ瞳の痛み抱えて
キリンとするそぞろ歩き。
(いずれ誰も居なくなる)
寄り添うひよどりの叫び声と
丸窓に張り付いた蔓草の葉に気を紛らせているのです。
《それは謎です 当分は眼を使ってはいけません》
何が無くとも・・ しかし眼は・・・。
玉ねぎ、セロリを薄くスライス
烏賊を軽くゆでて冷やし
黄色と赤のパプリカ入りの甘酢漬け
わたしは毎日そればかり食べている
あなたが目を閉じている間に
彼方の国の空飛ぶ棺が毀れて
雲間を抜け乍ら たくさんの人が落ちてきました
地下トンネルを蛇のように這い 吹き飛ばした弾丸が
生きものや建物から魂を抜き取りました
時ならぬ雹が一面を白く煙らせ 地を叩き
人も樹も鳥も虫も押し黙らせ、眠らせました。
《一刻も早く疲れた目を治さねばなりません
暗闇でメールを打つのを止めて下さい》
寡黙なキリンの深い吐息は聴こえる。
耳朶を通した丸い輪飾りが揺れるのも見える。
果てしも無い草叢をゆっくり歩ける。
これで良しとしよう
引き裂かれた夏の日の寂光よ。
何が無くとも・・ しかし眼は・・・。
玉ねぎ、セロリを薄くスライス
烏賊を軽くゆでて冷やし
黄色と赤のパプリカ入りの甘酢漬け
わたしは毎日そればかり食べている
あなたが目を閉じている間に
彼方の国の空飛ぶ棺が毀れて
雲間を抜け乍ら たくさんの人が落ちてきました
地下トンネルを蛇のように這い 吹き飛ばした弾丸が
生きものや建物から魂を抜き取りました
時ならぬ雹が一面を白く煙らせ 地を叩き
人も樹も鳥も虫も押し黙らせ、眠らせました。
《一刻も早く疲れた目を治さねばなりません
暗闇でメールを打つのを止めて下さい》
寡黙なキリンの深い吐息は聴こえる。
耳朶を通した丸い輪飾りが揺れるのも見える。
果てしも無い草叢をゆっくり歩ける。
これで良しとしよう
引き裂かれた夏の日の寂光よ。
わたしの街を逸れていった巨大台風
途切れた雲間に嵌めこまれた
大きな黄色い月。
この一年で一人が旅立ち
一人が寡婦になる
音もなく忍び寄る鈴の音が聞こえる
跳躍する猫
視線の先で竦んでいる幼鳥
病葉がふりしだく午後はモノクロ。
なりゆきまかせが常態
雨も風も猛暑も嫌・・・
まさぐるこころの潮時の法悦にひたる
漂う人の波に溺れ乍ら
あなたの姿を探していた。
渡しそびれた伝言がある
途切れた雲間に嵌めこまれた
大きな黄色い月。
この一年で一人が旅立ち
一人が寡婦になる
音もなく忍び寄る鈴の音が聞こえる
跳躍する猫
視線の先で竦んでいる幼鳥
病葉がふりしだく午後はモノクロ。
なりゆきまかせが常態
雨も風も猛暑も嫌・・・
まさぐるこころの潮時の法悦にひたる
漂う人の波に溺れ乍ら
あなたの姿を探していた。
渡しそびれた伝言がある
只事でない
いきなり眼が 痛み 瞼が塞がる
心筋が震え 血が逆流する
子が生まれた話はめったに聞かぬのに
子に先立たれた老夫婦 一人逝く幼児の悲話に泣く
緑葉が食い尽くされた気味の悪さ
塔を巻き込む偏西風が駆け抜け
唐突に地が沈み込み 灯りが消える
歩道に溢れる水の元凶はゲリラ雨
無人のビル群の沈黙の無為
どこまでも灰色一色の空に鳥は居ない
魚はみな死んだ異国の河。
空涙する泣き男
笑う旅人
鬱を病む人魚
骨折の薔薇
演じる着ぐるみ
ガラス玉のような七月の月・・・・。
浸しつつ 満たし
溢れつつ 毀れる
消えゆく幻の船に乗るわたし。
いきなり眼が 痛み 瞼が塞がる
心筋が震え 血が逆流する
子が生まれた話はめったに聞かぬのに
子に先立たれた老夫婦 一人逝く幼児の悲話に泣く
緑葉が食い尽くされた気味の悪さ
塔を巻き込む偏西風が駆け抜け
唐突に地が沈み込み 灯りが消える
歩道に溢れる水の元凶はゲリラ雨
無人のビル群の沈黙の無為
どこまでも灰色一色の空に鳥は居ない
魚はみな死んだ異国の河。
空涙する泣き男
笑う旅人
鬱を病む人魚
骨折の薔薇
演じる着ぐるみ
ガラス玉のような七月の月・・・・。
浸しつつ 満たし
溢れつつ 毀れる
消えゆく幻の船に乗るわたし。