時に時を重ねながら
いつしか引き寄せた冥利
決して裏切らないキリンも健在
揺籃に眠る赤子は日々育つ
私の物ではない唇の持ち主は
ひたすら光の中に手を差し伸べる
まだ見つからぬ行脚の旅も 道が尽き
汲み上げた水の甘さに溺れている
聖日にはキリエを聴き 誰かに送りたくなる
寄り添うキリンの杖を借り
陰気な雲を振り払い
冬陽の歓喜に身を震わせ
みじろがぬ晴れ日に讃辞惜しまない
声高に叫んではいない
胸のうちに住む ひよどりも寒い
蛇行する偏西風は乱気を隠し
此の世を繋ぐ鎖を解き外す
過去は過去を呼び入れて
微笑みかける 冬日の純情
様々の生死を包み込み宙に放つ
もたらされた私の過ぎゆき あなたの記憶
《凡て織り込み済みよ》と囁く天使
ヤコブの梯子を行き来する
思いを抱えたまま本心を見せない
あなたの声が聴きたい 降る雪の中に。
胸のうちに住む ひよどりも寒い
蛇行する偏西風は乱気を隠し
此の世を繋ぐ鎖を解き外す
過去は過去を呼び入れて
微笑みかける 冬日の純情
様々の生死を包み込み宙に放つ
もたらされた私の過ぎゆき あなたの記憶
《凡て織り込み済みよ》と囁く天使
ヤコブの梯子を行き来する
思いを抱えたまま本心を見せない
あなたの声が聴きたい 降る雪の中に。
予報は杞憂
微塵も揺るがず
うらうらと冬日射す
夕暮れの天を仰ぐ
もどかしい薄雲の
恥ずかしげな迷走
独り謳い
独り哭き
独り悲しむ冬木立
より深く蒼き宙目指し
より高く羽搏き
より遠く飛ぶ冬鳥達の渾身
遠からず閉ざされ
うつろう時の流砂に朽ち果てようが
共に生きる 信じて生きる
微塵も揺るがず
うらうらと冬日射す
夕暮れの天を仰ぐ
もどかしい薄雲の
恥ずかしげな迷走
独り謳い
独り哭き
独り悲しむ冬木立
より深く蒼き宙目指し
より高く羽搏き
より遠く飛ぶ冬鳥達の渾身
遠からず閉ざされ
うつろう時の流砂に朽ち果てようが
共に生きる 信じて生きる