息も絶え絶えの夜の海で
夜光虫が
ラムネの瓶を揺らしている
嗤ってよ
躰を反らせながら
涙さえ浮かべている
人が流す あらゆる涙
時がすり抜ける間は
せめて寡黙な傍観者たれ
枯れ木でさえ たっぷり水を含み
過剰な雨に流れる表土
満たされないままの海を汚し続ける
此処にいて 横たわるわたし
置き去りにされたまま朽ちてゆく
遮るものは何もない
息も絶え絶えの夜の海で
夜光虫が
ラムネの瓶を揺らしている
嗤ってよ
躰を反らせながら
涙さえ浮かべている
人が流す あらゆる涙
時がすり抜ける間は
せめて寡黙な傍観者たれ
枯れ木でさえ たっぷり水を含み
過剰な雨に流れる表土
満たされないままの海を汚し続ける
此処にいて 横たわるわたし
置き去りにされたまま朽ちてゆく
遮るものは何もない
一体何が起きているのでしょう?
昨日、今日のキリンが抱えている不具合は
折れた首
傾く肩
緩む歯茎
痺れたままの末梢神経
委縮する海馬
ぼやける視野 視界
曲がらない背筋
ぎごちない固い指
日常化した些末な変化も
あるがままを受け容れ
天の 地の異変にも動ぜず
再びの六月の湿った匂いを吸いこみながら
纏わりつく ぬるい雨に潤い
光りの怠慢を許している
ぬれて輝く蒼茫の影で
息を潜める生き物たちの
束の間の休息と怯えも
やがて来る熱波に撃たれ
とどろく雷鳴と悲鳴に変わるだろう