白い月

白い月

夏雨

2015-06-18 19:59:08 | 心事ポエム
置き去りにされた 白い月が

やり過した退路を断った生き方

渾身のメッセージが届く


砂の海は何時だって歩きにくい 

ひしめく人の群れに紛れ込んだ虚無を嘆くな 



手放した憐憫

彼方こなたに絆あり

此の世を繋ぐ鎖を切り離す作業にいそしむ


怖気づくのは移ろう時の雫

雨が止むまで動かずにいる 

万緑の杜に住む迷鳥は黄色いアイシングの持ち主


覚えておくべきこと 忘れても良い事・・・

不確かな明日の息災抱えたまま

こわばるしろい月と 乾いた地表を ひたすら浸す

旅に聴く Ⅵ

2015-06-09 10:26:21 | 心事ポエム
何ひとつ残したいものも

携えて逝きたいものも無いのに

いつも怖気づいているのは何だろう?


移ろう全てのもの達よ

これまでの事 これからの事

わたしの事 あなたの事 

地の果て 世の終わり 水、火、風、戰さ、生老病死苦


緑陰に潜む冷気の正体の不審と気懸り

むき出しの裸の腕を気にしながら

消えかかる記憶の中から一つ また一つ

拾い上げては薄絹を纏う


塩水湖に住む小さな魚達も

洞の中に立ちつくす大鷲も

渚に憩うアオサギも

いつも忙しいシマリスも

ゆっくり落ちて行く 真紅の太陽を 気にしている


見守る キリンに留守を託して 屈託のない旅をした筈

アウラニの海から オホーツクの海へ軽く移動したつもりなのに

五月のわたしは疲れている

持ち帰った事の多さに疲れている