カーニバルのカラフルな悪夢：2/15 MIKA Tour 2010 In Dublin

MIKA UK&Ireland Tour 2010 Dublin The Olympia Theatre 15/02/2010

2009年のMIKAが死んだ宇宙飛行士が迷い込んだ夢の国なら、2010年は少年時代のMIKAが妄想するカーニバルのカラフルな悪夢。巨大な骸骨人形や女性の足、不気味マント男の繰り広げるマジック・カーニバル。

記事長いよ。

MIKA行ってきた。ダブリン行きのいきさつや、その他の枝葉は長くなるので、ここでは省きまして・・会場は歴史有る小さなシアター、オリンピア劇場。スタンディングは整理番号なぞ無く並んだ順に入れるけど、そこは適当で有名なアイリッシュですから開場１時間前に行ってもきちんとした列が無く、入り口近くにいたら成り行きで３０人目くらいに入場してしまった。途中で細い紙を配っている係員が居て、皆それを貰っていくのでなんだか知らんが貰っとく。ステージに到着すると、最前列ブロックに入るのにその紙を係員に渡して腕に付けてもらうというシステム。貰っといて良かった！しかもまた最前列。最前列のブロックは１００～２００人ぐらい。１５００人規模の大きさの会場はほぼ満員。両隣はテンション高いフランス人５人のグループと、ナイーヴそうな長身メガネの青年。日本より年齢層は幅広く、小学生くらいの子供から５０～６０代の人まで、男女比は３：７。最前ブロックには羽根つきの青いマントやふわふわウサギのかぶり物、金の帽子や、シルクハットに燕尾服etcの可愛い仮装のファンが居て、ダークピンクとクリームのデコレーションごてごての超クラシックな劇場とのミスマッチが奇妙な非現実空間を作り出している。


たしか１７００年代に立てられた劇場。

８時近くに始まった前座の髭の若者オリバー・コール君が「数時間前に急に呼び出されて演ることになったんで、よろしく。誰も僕のフォークソングなんて聞きたくないのは分かってるから。ははは」なんていいつつアコギで５曲ほど演奏。そしてMIKAが始まったのがもう９時近かった！そう、忘れてた！こっちは始まるのこんな時間なんだよね。そしてセットがSTUDIO COASTと全然違う！演出はもちろん曲順もちょっと違うし、アレンジも一部違ったし、GOOD GONE GIRLを演ったし。その代わり無くなった曲もあった。ライブは2010年バージョンだったのね。知らなかった。ま、私がたいしたファンじゃないってことがバレた一瞬。



ステージには小さな勉強机と椅子が。そこに現れたのは、スケッチブックを抱えた半ズボンにブレザーの少年時代のMIKAに扮したキーボードの人。フランス語の歌に乗せてアナウンスが流れ、「昔々、MIKAと言うお絵描きの好きな少年がおりました。彼は毎日、自分のスケッチブックに自分の空想の世界をお絵描きしていました・・・」なんて言ってたんだろうけど、周りはキャーキャー盛り上がり、はっきり言ってもう誰も、アナウンス聞いていない。スクリーンの絵と男の子のお絵描きが激しくなって・・・始まったのはRAIN。現れたMIKA、衣装はグレーの燕尾服風ジャケットに羽飾りベルト、ブラックのスリムにブラックラメのスニーカー！この羽飾りが可愛くて。スニーカーもラメがキラキラ。ますますマグパイ（カササギ）に似てきたね。この時点で私は笑い死に寸前。だって、やっぱり、笑える。


少年時代のMIKA？

巨大な女性の足に猫みたいにじゃれながら歌う。

これはマグパイ。絶対似てる。

どの曲も演出が違った。巨大な足や巨大なカーニバルの人形、骸骨のパレード、キラキラ傘・・・そして金の紙吹雪！なんだか不気味でアートで摩訶不思議な世界はやっぱりフランス風だよな、と。Relax (Take It Easy)ではMIKAは椅子を使ったダンスを披露してくれて、あれは太ももの筋肉を見せびらかしたいがためのダンスよね？？「ボクの足、見て見て見て凄いでしょ」ってダンス。メンバー紹介では最後に自分の事「そして僕は・・・Twatです」だって。ははっは。Twatはアホの英俗語。でも、Dr.Johnの小さい帽子のネタは意味不明だわ・・・

iPhoneで撮ってるけど、なかなかよく撮れてるでしょ。

残念ながら、STUDIO COASTのライブに比べるとキラキラ感が少なめ。照明が暗い感じだし、２階３階の客はMIKAにあおられても座っておとなしく見ているし。新しいステージのセットも立体感に欠けたかも。もちろん手抜きなんかじゃないのは分かるけれど、なにかが違う・・・というより、STUDIO COASTが特別だったのに違いない。でも皆ちゃんとMIKAが観客にマイクを向けると歌ってる。TOY BOYだってみんな歌ってるし、さすが英語圏。嬉しかったのは、WE ARE GOLDENの私のお気に入りのサビ"Like a magpie, I live for glitter, not you"を観客に歌わせたこと。そしてもちろん大合唱！やっぱり、意識してるよね、マグパイ。


金の紙吹雪が奇麗だったなあ～劇場のごてごての装飾とぴったりで。

中程で、隣の青年があろうことか眼鏡を飛ばしてしまった。回りの人で探したけど結局最後まで眼鏡は出てこなかった・・・この青年は、携帯待ち受けがMIKAだったんでかなりのファンなんだろうな。

ライブが終わったのは１１時。金の紙吹雪やテープを拾って持って帰るファン。ファンのすることは世界中同じだね。腹減った・・と会場を出ると、会場の横に機材トレーラーが。脇を抜けると、そこは楽屋口、なぜか最前列に居た人たちが集合している・・フランス人グループもふわふわウサギも、青マントも勢揃い。なんだかこれって、私も参加しないといけない雰囲気、ま、なにが起こるか見てみっか、宿は歩いて３分だし、と持っていたポテトチップを食べてたら、係の人が出て来て「はい！皆さんここに並んで並んで！MIKAは５～１０分で出てくるからね！」とアナウンス。何？サイン会？皆列に並び、さらにシルクハットの女の人や眼鏡を無くした青年も加わり、フランス人たちは歌を歌い出すし、ブラジルから来た男の子たちも居てなんだか完全にお祭りモード・・・隣のアイリッシュの女の子たちの会話が面白くて、楽しかった・・・「並ばせといて出てこなかったらMIKA、お前のお尻に空手チョップよー！」とか「きっと胸毛にワックスかけてるのよキャー！」とかずーっとこんなことを話してて。待つ事３０分、地味な格好の眠そうなMIKA出て来たー！一人一人順番に丁寧にファンに接し、疲れてるのに偉いよMIKA！そして誰かのチケットにサインしたのを何故か「これ君の？」とMIKAは私にくれようとするので違います～！と。サイン要らない！そこに居られただけで十分！

結論：やっぱりダブリンは最高。そしてMIKAはたぶん、本当に日本が大好き。

Mika @ Olympia Theaters Dublin February 15th 2010 - Big Girls
上がってるよ。でかい女の足が出て来るやつ。腰の羽がやっぱり可愛い